メモリアルBOX発売に寄せて

以下は旧サイトの文章です。

メモリアルBOX発売に寄せて 

メモリアルBOXが発売されたことについて、ユッコ関連サイトでは、お祭りムードが漂っているが、私はそれに疑問を感じる。 なぜなら、ユッコファンを取り巻く状況は何も変わっていないということ、そして、悲劇が繰り返されうる状況について何の改善も見られないということ、この2点は未解決な問題として存在しつづけている。

ファンを取り巻く状況 

そもそも、最初のメモリアルBOX発売のニュースからして、非常に不可解であった。 予約のみで当日販売分はないというのも変だ。 しかも、発売日を目前にしても、レコード店が予約を受け付けているだけで、プロダクションもレコード会社も正式な発表をしない。 ファンへの周知は不十分極まりない。 まさに、取り込み詐欺ではないかと疑ってしまうような極めて怪しい話であった。 今、現在においても、メモリアルBOXが発売されたことを知らないファンもいるのではないかと思う。

結局のところ、今なお、衆人大衆の前で岡田有希子のことを語ることがタブーである状況は変わっていない。 岡田有希子という名のアイドルとそれを演じた女性が確かに存在した事実は抹消されており、歴史の空白を埋める行為は許されてはいないのである。

再び悲劇を繰り返さないために 

真相は依然として闇のままであり、これは決して明かされることはないであろう。 なぜなら、唯一それを知りうる当人が不在であるからだ。 しかし、推測により真相に極限まで近づくことは不可能ではない。

彼女を取り巻いていた環境に様々な問題が潜んでいたであろうことは想像に難くない。 芸能界の裏側には、彼女のストレスの要因として考えられることが多数存在している。 徹底的に追求しようと思えば、いくらでも掘り返すべきことはあったはずである。 例えば、航空機事故などが起きた場合、いろいろな側面からの検証が行われ、再発防止のための対策が講じられる。 しかし、彼女の死に関しては、それが行われなかった。 むしろ、再発防止とは無関係なプライバシーばかりが掘り返され、重要なことからは視聴者の目がそらされていたように思う。 これは何故か、誰の意図なのか。

あの頃と比べてみて、今も状況は何も変わっていない。 あいかわらず、芸能人は使い捨て。 表と裏の区別が明確に存在する世界であるにもかかわらず、公私の区別なくプライベートまで切り売りしなければならない。 このままでは、同じ悲劇が繰り返されても全く不思議はない。 あの事件から何も学ぶことがなかったとしたら、彼女は犬死にではないのか、そう考えるのは私だけだろうか。