K値は疑似科学

はじめに 

以下も参考に。

概要 

この論文の冒頭には「it is important to be quick to detect changes in the rate of spread and to be precise to predict the future (感染速度の変化を迅速に検出し、将来を正確に予測することが重要)」「We have succeeded 〜,which enables us to do the both (両方が可能となった)」と明記されている。 よって、このK値は、単なる指標としてだけでなく、将来予測方法として提言されたものでもある。

この論文は、理論的にもおかしいし、データによる実証もされているとは言い難いので、真っ当な医学誌であればrejectされるものと思われる。

指標としてのK値 

K値は、週当たりの感染者数を累積感染者数で割って導かれる数字で、感染拡大率の変化速度を示す。

注目される新型コロナの新指標「K値」 - 産経新聞

いくつかのパターンにおいて、以下の三つの関係をグラフ化する。

  • 新規感染者数の増減率
  • 累計感染者数の増加率
  • K値
累計感染者数の前週比(例1) 累計感染者数の前週比(例2) 累計感染者数の前週比(例3) 累計感染者数の前週比(例4) 累計感染者数の前週比(例5) 累計感染者数の前週比(例6)

グラフから次の傾向が読める。

  • 時間経過とともに累計感染者数の増加率は新規感染者数の前週比か1のいずれか大きい方に近づく
    • 新規感染者数の増減率が絶えず変動する時の追従性は非常に悪い
    • 一定期間が経過するまでは累計感染者数の増加率に全く意味はない
    • 新規感染者数が減少傾向のときは累計感染者数の増加率に全く意味はない
  • K値と累計感染者数の増加率の変化傾向はよく相関する

よって、新規感染者数の増減率の変動が小さく、一定期間が経過していて、かつ、新規感染者数が減少していないときに限って、新規感染者数の増減率とK値は相関する。 新規感染者数の増減率の変動が大きいか、一定期間が経過していないか、あるいは、新規感染者数が減少傾向のときは相関しない。 とくに、感染傾向の変化の指標としたいなら、変動に対する追従性の悪さは致命的である。 これならば、直接、新規感染者数の増減率を見た方が早い。

中野貴志氏らの論文と同じ条件で日本の感染者数とK値をグラフ化してみた。

日本の感染者数とK値

オープンデータ - 厚生労働省

直近1週間の感染者数の前日比は、緩やかではあるものの4月中は一貫して減少傾向にある。 そして、直近1週間の感染者数は4月14日〜16日辺りをピークに減少に転じている しかし、K値ではこれらの傾向が読み取れない。 以上まとめると、K値は感染状況推移の指標として不適切である。 適切な指標は【1週間の新規感染者数の前日比】と【1週間の新規感染者数÷人口】であろう。

K値からの将来予測 

本論文の冒頭では正確な将来予測が可能となったと書いてあるが、肝心の本文では将来予測方法を明確に書いておらず、前提内容から何が言いたいかを読み解く必要がある。 本論文では累積感染者数がある数式に従うことを仮定している。 その式が意味することはK値による予測を使うべきでない理由 - 勝川俊雄公式サイトにて解説されている。 この論文の仮定では、新規感染者数は次のように推移する。

ゴンペルツ

つまり、現状が拡大局面であろうとも、縮小局面であろうとも、新規感染者数がいずれ収束することが仮定の中に含まれている。 ようするに、K値の予測理論は、現状がどうであるかに全く関係なく、根拠のない一点張りの楽観論を採用しているのである。 だから、現状が拡大局面であっても、K値の予測理論では、原理的に、感染拡大の危険性や追加対策の必要性を示す結果が出ることは100%あり得ない。 K値の予測理論では、原理的に、100%の確率で、既に収束しているか、あるいは、まもなく収束するから追加対策は必要ないとの結論に達する。 状況に関係なく常に同じ答えしか出ないのでは、科学的に真っ当な予測理論ではないことは明らかだろう。

また、式のパラメータは全て定数であり、時々刻々変化する変数は含まれていない。 だから、パラメータの計算が完了した時点で未来が確定してしまう前提になっている。 K値によるコロナ予測のトリックにて、これが如何に馬鹿げているか、例え話を用いて説明する。 そして、対策を行なって収束したデータと照合して、理論と一致していると主張する。 対策緩和後に再燃した場合は、2つ目の山(変異したウィルスのよるものなので1つ目の山の収束の恩恵を受けない)として扱い、2つの山にそれぞれ独立して理論を適用することで無理矢理辻褄を合わせる。

これまで、緩い対策で収束させた事例はあるが、全く対策を行わずに収束させた事例はない。 そして、普通に考えれば、対策緩和後に再燃した場合は、対策が功を奏していたことが伺える。 さらに、収束事例の圧倒的多数において、無対策で予測される収束時期よりも遥かに早く収束している。 その事実は、中野貴志氏の説明スライドにも現れている。

ドイツ・フランスのK値

スライドによる説明(in Japanese) - 大阪大学p.14

とくに、ドイツにおいて顕著だが、「行動制限前」の「傾きが緩やかな時期に感染が爆発的に拡大した」ことから、「行動制限前」はK値の予測理論のような収束曲線に従っていないことが読み取れる。

アメリカのK値

スライドによる説明(in Japanese) - 大阪大学p.22

アメリカにおいても、ニューヨーク州のロックダウン前はK値の予測理論のような収束曲線に従っていないことが読み取れる。

日本のK値

スライドによる説明(in Japanese) - 大阪大学p.27

日本においては、リセットのタイミングを恣意的に選択することで、収束曲線に従っていない部分が隠されている。 とくに、「3月17日基点」のグラフの0日目が故意にずらされていることが明らかなので以下にグラフを描き直す。

日本の感染者数とK値

オープンデータ - 厚生労働省

これを見れば明らかな通り、「中国発の第1波」なるものを認めたとしても、その後の半月程度はK値の予測理論のような収束曲線に従っていないことが読み取れる。 K値の予測理論では、これら都合の悪い事実は完全無視し、コジツケれば辻褄を合わせられる事実のみに基づいて、理論と実測が一致していると主張する。 現実を客観的に見ることなくコジツケに頼るならば、それはもはや科学ではなく宗教だろう。

勝川俊雄氏は、「時間遅れで対策が強化されるために、コロナウイルスの感染者の数の推移が、結果としてゴンペルツ曲線に近い挙動を示す場合がある」と解釈をすればおかしくないとしながらも、実際のデータと比較して、それほど当てはまりが良いとは言えない、全く当てはまらない国も多く存在するとしている。 そして、結論として、「人間社会が行動変容の強度を維持できるかが重要であり、時間の経過とともに対策が強化されていくとは限らない」として、ゴンペルツ曲線に従うとする仮説を否定している。 百歩譲って「感染者数がゴンペルツ曲線に従うとしても」、「ノイズが多い感染初期のデータだけを用いて、曲線の全体図を正確に把握するのは、ほぼ不可能」としている。

常識で考えれば、何曲線だろうが、固定パラメータで将来予測などできるわけがないことは幼稚園児にも理解できるのではないか。 過去の実測値だけで未来が予測可能であるためには、パラメータが変化しないか、あるいは、過去の実測値だけでパラメータの変化が正確に予測できることが必須条件である。 固定パラメータで計算できる条件は、実験室内の実験装置か、あるいは、長期的傾向としてパラメータ変動が無視できる場合に限られる。 しかし、新型コロナの感染状況については、次のような予測不可能なパラメータが影響を与えるため、固定パラメータの何とか曲線とやらで単純予測などできるわけがない。

  • 命令や要請や社会的合意に基づいて人間の行動が変化する
  • 簡単にできて、かつ、効果的な対策を誰かが発見・提唱する
  • 有効な治療法や予防法が発見される
  • 海外の感染状況が変化する

というか、初めから収束する前提を置けば、収束する結論が出るのは当たり前である。 前提と同じ結論を導くことは、循環論証と呼ばれ、何の証明にもならない。 何故なら、収束しない前提を置けば、収束しない結論が出るからだ。 循環論証が証明になるなら、収束する結論と収束しない結論の両方が正しいことになる。 矛盾する二つの結論の両方が正しいなんて、そんなバカなことがあるわけない。 ゆえに、収束する前提を置かずに収束する結論を導かなければ、科学的証拠となり得ない。

感染症の流行状況のような、複雑なパラメータに支配される現象は、大雑把な傾向予測や数日先の値の予測が一定程度の確度でできるだけであって、一定以上先の未来の正確な値の予測はできない。 過去の実測値からは、現在進行形の対策が功を奏しているか、また、十分であるかを評価することはできても、一定以上先の未来の正確な値の予測はできない。 不可能を可能と主張している時点で相当な眉唾物である。

K値の予測実績 

以下、K値による日本国内の予想実績を紹介する。 大きく外した事例がほとんどであり、的中した事例は1つもない。 しかし、予測が外れる都度、言い訳を用いて外していないことにしている。

公然わいせつ容疑で逮捕された某議員が「右手で性器を隠し、左手でズボンを下ろしていたので見せていない」と言い訳しているらしいが、K値予測が外れた言い訳とソックリではないだろうか。

首都圏3県および8府県(2020年8月7日予測) 

首都圏3県のK値の推移

2020年8月7日午前8:46(宮沢孝幸) - Twitter

見た目ではわかりにくいが、以前の予測が当たっていたことにするため、曲線が2カ所で不自然に曲がっている。 宮沢孝幸氏は「首都圏3県異常」と主張するが、その根拠を何も示していない。 K値は、中短期の変動によるバラツキを除けば、増加局面における普通のグラフになっており、何ら異常は見当たらない。 予測が外れたことを誤魔化すために実際の現象の方を「異常」と呼んでいるだけにすぎない。 「第3波が収束する前に第4波が来ている」との言い訳も「この第4波については不定性が高く、K値解析からも、どの程度の大きさになるかまだはっきりしない」との言い訳も通用しなくなったので、「異常」としか言えなくなったのだろう。

8府県のK値の推移

2020年8月7日午前8:57(宮沢孝幸) - Twitter

以前の予測が当たっていたことにするため、曲線が2カ所で不自然に曲がっている。 いずれにせよ、このデータは2020年7月18日および2020年7月26日の8府県のK値予測が完全に外れたことを示している。

大阪および関西3府県(2020年8月7日予測) 

大阪のK値の推移

2020年8月7日午前8:51(宮沢孝幸) - Twitter

関西3府県のK値の推移

2020年8月7日午前8:54(宮沢孝幸) - Twitter

以前の予測が当たっていたことにするため、曲線が2カ所で曲がっている。 もっと緩やかなカーブにすればデータ通りと言えるかもしれないが、中短期の変動によるバラツキを考慮すれば、そのような曲がり方をしているとも言い切れない。

大阪のRw値の推移

2020年8月7日午前8:54(宮沢孝幸) - Twitter

明らかに曲線が不自然である。 まず、最初の方のたった1日だけ突出して高い日があるだけなのに、曲線の始まりを大きく持ち上げていることが不自然である。 また、短期の変動があるにも関わらず、終盤では最も低い値に近い所を曲線が通過していることも不自然である。 以上のことから、急速にRw値が低下して収束傾向にあると印象付けたいために、恣意的に不自然な描画をしていることが明らかである。

尚、Rw値の中短期の変動が大きいことは、このデータだけでなく、東京のRw値からも読み取れる。

東京のRw(第2波)その後

都内の最新感染動向 - 東京

だから、中短期の変動によるバラツキを取り除いて議論する必要がある。 しかし、中短期の変動が大きすぎて、現在のRw値が1より上か下かも分からないし、増加しているのか減少しているのかも分からない。

8府県(2020年7月26日予測) 

8府県のK値の推移 8府県の新規感染者数 8府県の累計感染者数

2020年7月26日午前9:04(宮沢孝幸) - Twitter

一見するとK値推移を途中で低下させた予想が当たっていたかのように見える。 しかし、一般に土日休日は検査者数が減ることが知られており、事実、連休期間中の検査者数は激減している。

日本のPCR陽性者数の推移

オープンデータ - 厚生労働省

日本のPCR陽性者数の推移

都内の最新感染動向 - 東京

以上のことから、この連休期間中は急を要する人以外の検査が抑制された結果、新規陽性者数が減ったものと推定される。 これを想定して意図的に連休に合わせて曲線を曲げたとするなら、非常に狡猾であろう。 ただし、このトリックは連休が明けて検査者数が増えればバレてしまう。 その時には、また、新たな言い訳を用意するのだろう。 しかし、せっかく用意した「この第4波については不定性が高く、K値解析からも、どの程度の大きさになるかまだはっきりしない」との言い訳は無駄になる。 というのも、その言い訳はK値の動きと整合しないからである。 なので、第5波を持ち出さない限り、言い訳は困難だろう。

東京(2020年7月24日放送) 

中野貴志氏は、K値による予測が外れまくったので、今度は週感染拡大率(Rw)に基づいて7月25日頃にピークアウトするとした。

東京のRw(7月)

直撃LIVEグッディ! - フジテレビ(2020年7月24日放送)

しかし、これには、次のような不自然な点が見られる。

  • 7月分以降を描画するなら7月1日のデータが省かれているのは何故か?
  • 7月2日以前のデータは本当に7月2日より大きかったのか?
  • 近似曲線の後半は本当にそんな風に曲がるのか?

同じデータに基づいて、6月からのグラフを以下に描き直す。

東京のRw(第2波)

都内の最新感染動向 - 東京

  • 7月1日のデータはかなり小さい(約1.22)
  • 6月の平均は7月と大差ない
  • 表計算ソフトの多項式近似では、後半はそこまで急に下がらない
  • 割り算する前の感染者数は移動平均を取ってない(日単位のバラツキが大きい)

以上から、7月1日のデータを排除することで、それ以前のデータがもっと大きかったかのように印象を与え、かつ、故意にバラツキが大きくなるようにして、「7月25日頃にピークアウトする」結果に都合が良いよう、そのバラツキを解釈した近似曲線を作図していることは明らかである。 つまり、初めから結論ありきでグラフを恣意的に恣意的に作図しているのである。 ちゃんとグラフを描くと、日毎のバラツキが大きく、かつ、10日周期程度の変動が見られるため、以後の正確な予測は困難であるが、少なくとも、「7月25日頃にピークアウトする」と読み取ることは不可能である。 その後のデータを追加すると次のとおり、7月25日頃にピークアウトしなかったことは明らかである。

東京のRw(第2波)その後

都内の最新感染動向 - 東京

尚、このRw値は 神奈川県緊急会見説明スライド抜粋(令和2年5月20日) - TAKASHI NAKANO Home Page にも記載があるので、最近急に思いついたものではないようである。 驚くべきは、その資料の記載内容である。

東京・神奈川のRw値

神奈川県緊急会見説明スライド抜粋(令和2年5月20日) - TAKASHI NAKANO Home Pagep.5


ここに出したのは、K値の分母に1週間の総感染者数とありましたけど、それの1日分だけとってきたものです。 それを同じ曜日の1週間前の新規陽性者数で割ります。 そうすると1週間でどれぐらい感染者が増えたか、あるいは減ったかが出てきます。 この日自体には全然モデルが入ってないのですが。 先程のK値の曲線を求めたのと同じモデルで計算するとそれがどうあるべきかが青の線で出ておりまして、4月1日が0のところですから3月末のあたりに一番拡大率が高くて、それから徐々に収まって、4月の半ばで1を切って、現在は、0.56になっています。 これが今のトレンドのK値の予言です。 0に非常に近いところを推移しているので、あまり動きがないように見えますが、実は1週間で0.6倍の傾きで落ちていっています。 そういう下降トレンドの中で、今度小さな拡大が起こりますと、下降トレンドが緩まります。 フラットになったりあるいは少し立ち上がったりします。 その変化を見ていただくことによっていち早く再拡大、第2波の早期検知を達成していただく。 そういうことが起こらないのが一番良いのですけれども、もし起こった場合にはそういうものを検知していただきたいと考えております。以上で説明を終わります。

臨時会見(2020年5月20日)結果概要 - 神奈川県

何と、緊急事態宣言以後、約40日に渡って、東京・神奈川のRw値が継続して下がっている。 中野貴志氏ご本人がこのグラフを見ているなら、当然、緊急事態宣言に効果があったこともわかるはずである。 そして、緊急会見の当日の2020年5月20日までにそれを知っていたことになる。 それなのに、その20日以上先の2020年6月12日の大阪府新型コロナ対策本部専門家会議において彼は次のように発言したとされる。

■中野オブザーバー

何か対策をした、人の接触が減ったから収束したのではなく、自然減の傾向をはじめから持っている。 日本では大阪・東京とか、地域にかかわらずどこでも同じだったと考える方が自然。 K値の推移は、日々の感染者数がどのように推移していくかを示す。 その推移が人口密集地・そうでなくてもまったく一緒。 人口密度により拡大傾向が変わるのであれば、東京、大阪、その他の地域で感染者の推移で傾向が違うはずだがそれが見えない。 それが見えないということは21日の前、海外からの多くの帰国者が種となり、種の多い少ないでその後が決まった。


■吉村知事

朝野先生の質問に対し、中野先生に聞きたい。

3月27日から、梅田駅周辺の外に出る人が減ってきた。 3月28日にピークアウトが共通認識だが、27日までは梅田の人の流れはあまり変動していない。 そこでピークアウトしたというのは、外への自粛の影響はあったのかどうか。 ピークアウトするのは、その前の事情によるのか、その後の事情なのか。

■中野オブザーバー

データを見る限り関係なかった。 ピークアウトと出歩く人の数の相関は少ない。 それは収束スピードを見ればいい。 例えば、10ページで、この線の傾きが変わるかどうか。 欧米などで何か施策を導入して効果が見えた場合、K値の傾きに変化が起こる。 イギリスでもアメリカでも何らかの効果的な施策をやれば収束スピードが変わり、K値の落ち方に変化が出ているが、3月26日のところで傾きの変化は見られないため、それとは関係なく収束したと考えるのが自然である。

■吉村知事

最初に欧米から入ってきた瞬間に、てっぺんの山の運命は日本では決まっていたということ?

■中野オブザーバー

決まっていた。

■吉村知事

医療崩壊するかは、医療体制の問題だから別として、いわゆるオーバーシュート...

■中野オブザーバー

オーバーシュートするかどうかはわからないが、日本における感染者数の推移は、感染者が何人入ってきてどの規模の感染が起こったか最初の7、10日で決まり、4月の感染者推移は運命的に決まっていた。

■吉村知事

日本のマスク文化、クラスター追跡とかやっているわけだが。

■中野オブザーバー

それは効果があった。

■吉村知事

緊急事態宣言も営業自粛も効果がなかったということ?

■中野オブザーバー

なかった。

第2回大阪府新型コロナウイルス対策本部専門家会議p.9-11

何と、中野貴志氏は、緊急事態宣言に効果があったことを知りながら「全く効果がなかった」と言っていたのである。 これは極めて悪質なデマであろう。 2020年6月13日〜7月21日までに63名が亡くなっているが、この会議で中野貴志氏が本当のことを言っていれば、その後の対策に影響を与えて、これらの人は死なずに済んだかもしれない。

8府県(2020年7月18日予測) 

この予測によりK値の化けの皮が完全に剥がれた。

そのことはK値のプロットから明らかだ(図は中野教授から頂いた)。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

描いた本人が気づかないならまだしも、「図は中野教授から頂いた」なら、どうして、これらの図のおかしさに気づかないのか。 とくに、1番目の図は、異常さが一目瞭然である。

8府県のK値の推移

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

普通の常識を持ち合わせれていれば、人目見て、曲線の7月20日以降の曲がりがおかしいことがわかる。 これは、明らかに、実際の値に近似した線を描いた結果ではない。 何故なら、この曲がりの部分周辺にはプロットされた点が1つもないからである。 であれば、ここで曲線が曲がると判断した根拠は何なのか。 どう見ても、7月20日以降に収束する結論を導くために曲線を曲げているとしか言い様がない。

2番目の図も明らかにおかしい。

8府県の新規感染者数

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

1番目の図では「はっきりと2相になってお」らず、そこからは2つの山の存在を推測することはできない。 そして、2番目の図のプロットされた点の分布も、2つの山の存在を伺わせるような形にはなっていない。 そもそも、この大部分が重なっている「第3波」と「第4波」の山はどうやって分離したのか。 K値を求める前に分離するなら、そのためにはK値以外の理論が必要になる。 しかし、これだけ誤差の多いデータから、この図のような綺麗な二つの山に分離することは、どんな理論でも不可能である。 というか、K値の理論以外では、収束する仮定を置いていないから、素直に近似曲線を描けば指数関数となり、「第3波」と「第4波」のような2つの山を抽出することはできない。 また、K値を求めた後に分離しようにも、K値の理論にはそのような手法が記載されていないから不可能である。 どう見ても、「第3波が収束する前に第4波が来ている」という結論ありきで、2つの山を合成しているとしか言い様がない。

3番目の図は、意図的に誤差を都合よく解釈している。

8府県の累計感染者数

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

他の図では、誤差があることを前提として線を引いているのに対して、3番目の図だけ誤差がほとんどない前提の線が引かれている。 どう見ても、「第3波が収束する前に第4波が来ている」という結論ありきで、2つの曲線を合成しているとしか言い様がない。

前回のnoteで、K値による予測から現在の感染拡大は7月12日前後でピークアウトするだろうと述べた。 しかし、新規感染者数の増加は止まらず、拡大が続いている。 K値による予測が間違っていたのだろうか。 結論から言うとK値は誤ってはいない。 感染の第4波(3月〜4月を第2波と考える)が来ているのだ。

そのことはK値のプロットから明らかだ(図は中野教授から頂いた)。 はっきりと2相になっており、第3波が収束する前に第4波が来ている。 このようなことは、新規感染者数を見ていても判らない。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

既に説明した通り、「はっきりと2相になって」いるのは、恣意的にそういう図を描いたからである。 しかし、「はっきりと2相にな」る図を描く根拠はどこにも示されていない。 これでは「感染の第4波(3月〜4月を第2波と考える)が来ている」という結論に合わせた図を恣意的に描いただけにすぎない。 こんなデタラメな図を根拠として持ち出してくる中野貴志氏は相当なトンデモであるが、それに全くツッコミを入れない吉森保氏も相当なトンデモである。

しかし、ピークアウトすると言ったのにしなかったではないか、という指摘に対してはその通りであると言うしか無い。 私の説明が言葉足らずだった。 次の波が来なければピークアウトする、と述べるべきであった。 K値に罪は無い。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

「ピークアウト」を晴れ、「次の波」を低気圧、「K値」を天気予報に置き換えて読めば、この主張のおかしさがよくわかる。 これは「収束させない要因が存在しなければ収束すると述べるべきであった」と言っているのだ。 ようするに、吉森保氏は実質的に何の予測もしてなかったことを認めたのであり、それは「言葉足らず」の問題ではない。 将来予測とは、将来の結果に影響する要因を考慮して、それら要因の影響が将来をどう決定づけるかを予想することである。 将来の結果に影響する要因を考慮せず、根拠なき仮定に従う前提で結果を決めつけるなら、それはただの空想であって予想ではない。

なお、ある波が収束する前に次の波が来た例は過去にもあって、3月の大阪におけるライブハウスクラスターの発生や、4月のアメリカにおける他州への飛び火などがK値プロットから明白に示されている。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

「3月の大阪におけるライブハウスクラスターの発生」も「4月のアメリカにおける他州への飛び火」も中野貴志氏が「ある波が収束する前に次の波が来た例」だと主張しているだけの手前味噌である。 というか、この「3月の大阪におけるライブハウスクラスターの発生」は明らかに新規感染者数がゴンペルツ曲線に従わない事例である。 これをゴンペルツ曲線に従っていることにするために、「ある波が収束する前に次の波が来た」ことにしているだけである。

なお中野教授によれば、この第4波については不定性が高く、K値解析からも、どの程度の大きさになるかまだはっきりしないとのことである。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No. 21 - note

今回は予測が外れた時の言い訳もチャッカリ用意している。

しかし、その言い訳のせいで新たな謎が発生する。 「第4波」の山の形が正確に予測できないなら、どうして、「第3波」の山の形が正確に予測できたのか。 前回の予測を外した言い訳として、「第4波」の存在に気づいてなかったことにし、「第3波」の山の形を読み損なったことは頑なに認めない。 であれば、今回も、「第5波」以降がなければ予測は外れないはずであり、「第4波」の山の形が正確に予測できない理由がない。 それなのに、どうして「どの程度の大きさになるかまだはっきりしない」なのか。

というか、山の形が予想できないなら、それが山型だとどうしてわかるのか。 山頂のない裾野部分しか見えてないなら、山型なのか、坂型なのか、それとも、全く違う形なのか、判別できるわけがない。 それなのに、何故か、「第3波」は正確に山の形が予測できたとしている。 その謎はひとまず置いておくとしても、どうして、同じことが「第4波」ではできないのか。 このように、「どの程度の大きさになるかまだはっきりしない」なる言い訳を置くことで、完全に辻褄が破綻している。

そもそも、先の3つの図を明確に描いて、そこから「第4波」がハッキリと分かるとしているにも関わらず、「この第4波については不定性が高く、K値解析からも、どの程度の大きさになるかまだはっきりしない」では主張が支離滅裂である。 「どの程度の大きさになるかまだはっきりしない」なら、何を根拠に先の3つの図を描いたのか。

何故このような支離滅裂な言い訳になったかと言えば、次に予想が外れた時に「第5波」を言い訳にできないからだろう。 この先、予測が外れる度に「第5波」「第6波」………と言い訳していけば、巫山戯るのもいい加減にしろ、と言われることはわかりきっている。 だから、次に外した時は「第4波」の山の形の変更で対応できるよう、「この第4波については不定性が高く、K値解析からも、どの程度の大きさになるかまだはっきりしない」という言い訳が必要なのだ。

神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の8府県(2020年7月16日公表) 

ただし、

「感染者数をもとにした数字なので、検査の基準や態勢が大幅に変わると感染者数の波を捉えにくくなる」

 という。

新型コロナはピークアウトしている? ウイルス学権威が説く「必要な予防策はこれだけ」 - YAHOO!ニュース(デイリー新潮)

「7月9日頃から感染収束期(ピークアウト)に向かっている」が大外れだったので、「検査の基準や態勢が大幅に変わ」ったせいだと言い訳を設けたようだ。 しかし、PCR検査は検査部位でウィルスが一定程度増殖している患者でも感度が悪いので、軽症者や無症状者の感度はかなり低いと予測される。 そして、無症状者の群は罹患率も低いため、数倍程度の検査者数の増では、ほとんど陽性者数に影響を与えない。 実際のデータからも、「検査の基準や態勢が大幅に変わ」ったことが陽性者数に影響したとは読み取れない。

日本のPCR陽性者数の推移

オープンデータ - 厚生労働省

確かに、7月に入ってから検査者対象者が拡大された様子が見て取れる。 しかし、PCR陽性増は見掛け上の感染者増ではないに根拠を記載した通り、陽性者数が増加傾向にある時は陽性率も増加傾向にあるため、実際の感染者が増えていることに疑いの余地はない。

「集団検査が行われていない神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の8府県について、新規感染者数の推移をK値モデルで計算したところ、7月9日ごろにピークアウトする。 いつ感染したかで考えると、2週間前の6月25日ごろにピークアウトしていたことになります」

新型コロナはピークアウトしている? ウイルス学権威が説く「必要な予防策はこれだけ」 - YAHOO!ニュース(デイリー新潮)

「7月9日頃から感染収束期(ピークアウト)に向かっている」が大外れだったので、分析対象を「集団検査が行われていない神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の8府県」に限定したようだ。 しかし、新型コロナウイルス感染症まとめ - YAHOO!ニュースで「集団検査が行われていない神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の8府県」の「新規感染者数の推移」で確認すると明らかな通り、2020年7月17日現在で全府県の新規感染者数が増加傾向にある。 「集団検査が行われていない神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の8府県」のうち「7月9日ごろにピークアウト」している府県は一つもない。

大阪(2020年7月14日予測) 

コロナ感染拡大の状況を共有する大阪独自の基準「大阪モデル」により7月12日、「警戒」を呼びかける黄色信号が灯った大阪府。 その指標のひとつ「K値」を発案した大阪大学核物理研究センターの中野貴志教授に14日、今後の感染状況予測を訊ねた。


第2波の到来も予想されるなか、「今日、明日の感染者が右肩上がりに増加すればピークは約2週間後に、上がらなかったらすでに収束に向かっている」と中野教授。

「シナリオは『すでにピークが過ぎているパターン』か、『これからピークが来るパターン』の2通り。 現段階では6:4ぐらいで収束に向かっているような気もするが、月曜日は感染者数が減る傾向がある。 確実になるのは今日、明日の状況。 ここ数日が鍵になり、増加に向かうなら身を守る行動をする必要がある」と警鐘を鳴らした。

大阪のコロナ第2波、K値の中野教授「収束か増加かこの数日が鍵」 - YAHOO!ニュース(Lmaga.jp)

「ピークは約2週間後」か「すでに収束に向かっている」では、半月以上も差があって予測になっていない。 どうやら、中野貴志氏は予測が外れた時の保険をかけているのだろう。 そして、「ピークは約2週間後」よりも後だった場合は、どんどん予測を後ろにずらしていくのだろう。

全国(2020年7月11日公表) 

考案者で、大阪府の専門家会議に参加した大阪大学核物理研究センター長の中野貴志教授が語る。

「K値とは、感染の収束スピードを計り、今後の収束時期の予測に役立つ指標です。直近1週間の新規感染者数を、累計感染者数で割って求めます。

6月22日から7月4日までの全国各地の感染者数データからK値を求めると、7月9日頃から感染収束期(ピークアウト)に向かっていることが分かりました。 K値によれば、これから自粛や緊急事態宣言を行なっても遅いということです」

緊急事態宣言は効果なかった? 感染収束ペースは変化なし - YAHOO!ニュース(NEWS ポストセブン)p.1

K値のようなインチキ指標ではなく、PCR陽性者数(7日平均)の前日比で見ると、「6月22日から7月4日までの全国各地の感染者数データ」のトレンドは常時100%を超え、かつ、増加傾向である。

第2波のPCR陽性者数(7日平均)前日比

オープンデータ - 厚生労働省

ちゃんと分析すれば「7月9日頃から感染収束期(ピークアウト)に向かっている」とは真逆であることがわかる。

「3~5月のK値を分析すると、感染拡大のピークは3月28日頃でした。 その後、感染は収束に向かいますが、4月7日に緊急事態宣言が出る前と出た後では、感染の収束スピードは一定で、全く変化が見られなかった。 つまり収束は緊急事態宣言の発令とは関係なかったと考えられるのです」

緊急事態宣言は効果なかった? 感染収束ペースは変化なし - YAHOO!ニュース(NEWSポストセブン)p.1

中野貴志氏らは「3月25日以前の総感染者数1292人」は「中国発の第一波で感染した人達で、欧米発の第二波とは無関係」として「オフセットとして取り除く」べきと主張しており、それに従うと、1週間分の感染者数は4月1日以降でなければ計算することができないので、「感染拡大のピークは3月28日頃」などと読み取ることは不可能である。 以下、中野貴志氏らの論文と同じ条件で日本の感染者数とK値をグラフ化する。

日本の感染者数とK値

オープンデータ - 厚生労働省

グラフを見れば明らかなとおり、「感染の収束スピード」なるものをK値で読み取ることは不可能である。 直近1週間の感染者数が減少に転じる時期も、前日比が1を下回る時期も4月15日前後である。 少なくとも、このグラフから「収束は緊急事態宣言の発令とは関係なかった」と結論づけることはできない。

東京(2020年6月12日予測) 

中野「今回の東京は全然爆発しません。今回の東京は必ず収束すると思います」

質問「これからは増えない?」

中野「増えない」

質問「20くらいで止まる?」

中野「昨日の数はちょっと多いかなと思うくらいで、収束スピードは第2波よりも今早いですので、すぐに収まるかと思います。 唯一心配なのはPCR検査を誰も彼もにやってるっていうことが起こると、収束スピードが見かけ上遅く見えるってことは生じるかと思いますが、それ以外のことだと現在の東京は収束に向かってる。 もう先週ピーク超えてる。」

【令和2年6月12日】大阪府新コロ対策専門家会議 - Youtube1:16:05-1:16:52


■朝野座長

3月の末くらいの増え方の初期5日間と東京の5日間は最初の出だしがかわらないが、東京は4月になって指数関数的に増えていった。

一番問題なのは増えるか増えないかをごく初期の1週間で決められるかどうか。 東京は3月の末から4月にかけての増加に転移していない。 予測できるか。

■中野オブザーバー

できると思う。 今回の東京は感染爆発しない、これからは増えない。 収束スピードは、第二波の部分が早い、すぐに収まると思う。

唯一心配なのはPCR検査を誰も彼もやっていくということになると、収束スピードは見かけ上遅く見える。 それ以外のことであれば、東京は収束していく。

第2回大阪府新型コロナウイルス対策本部専門家会議p.12

これは第2回大阪府新型コロナウイルス対策本部専門家会議での発言である。 しかし、データを見れば「今回の東京は全然爆発しません」「もう先週ピーク超えてる」とは真逆の状況である。

日本のPCR陽性者数の推移

都内の最新感染動向 - 東京

PCR陽性増は見掛け上の感染者増ではないに根拠を記載した通り、陽性者数が増加傾向にある時は陽性率も増加傾向にあるため、実際の感染者が増えていることに疑いの余地はない。 よって、「PCR検査を誰も彼もにやってる」せいで「収束スピードが見かけ上遅く見え」ているわけではなく、実際に感染が拡大していることは疑いの余地がない。 2020年6月12日の会議での中野貴志氏の「今回の東京は全然爆発しません」「もう先週ピーク超えてる」とする予想は完全に外れである。

専門家による評価 

大阪府新型コロナウイルス対策本部専門家会議のオブザーバーでもある大阪大の中野貴志教授(原子核物理)らが考案。 各国の感染者数の推移を分析し、共通して「時間の経過とともに直線的に減少する値」としてK値を見つけた。

注目される新型コロナの新指標「K値」 - 産経新聞

中野貴志氏(大阪大学核物理研究センター教授)も池田陽一氏(九州大学理学研究院物理学部門准教授)も、医学については全くの専門外である。 この論文は、査読前のプレプリント論文であり、医学誌に掲載されたものではない。 よって、医学の専門家の評価を全く受けていない。

尚、三木健(龍谷大学先端理工学部教授)氏は、Novel indicator of change in COVID-19 spread status - PUBPEERにコメントし(日本語訳:K値プレプリント原稿についてのコメント - 臺灣と瀬田で數理生態學と妄想)、「著者の結論はその解析とデータに裏付けられているとは言えない」と指摘している。

三木健氏は、Twitterではもっと辛辣に批判している。

もっと率直に言ってモデルが間違っているのでトンデモ研究だと思います。 式3について導出の説明も式自体も不正確、式2のaと式3のaが同一なのか、違うパラメータに同じ文字を使ってしまったミスなのかも不明、式1のNと式3のN_{i}が同じなのか不明。

2020年5月14日午後10:34(三木健) - Twitter

そして、メディアで宣伝されたり政策決定に使われることの問題提起もされている。

この研究自体への声明は考えていませんでしたが、研究倫理の問題として、「公衆衛生、気候変動等に個人の生命や社会に直接関わる査読を経ていない数理モデルについては、研究者自身によるプレスリリースやメディアや政策決定者との接触を数理生物学会は支持しない」みたいな声明を出した方がよいですね

2020年5月15日午後3:37(三木健) - Twitter


ツイッターでK値を検索すると出てきますが、大阪はK値を正式採用するようです。 無力感にはさいなまれますが、科学者の適切な貢献って学会等で制御できないのですかね。

2020年6月23日午後7:37(Tatsuya Mori) - Twitter

参考として、次のツイートもリツイートされていた。

arXiv にて、「COVID-19関連のプレプリント論文は査読を経ていないので、専門家への相談なしにメディア等でとりあげないように」との注意喚起が書かれていた。 世界的にもそういう問題が多発しているのだろうな。

2020年6月23日午後10:01(Tatsuya Mori) - Twitter

科学者としての姿勢 

査読も通ってない論文を一般に広く喧伝する行為は科学の世界ではご法度である。 核物理学の専門家なら、当然、知っていることであろう。 緊急性があるから特例だ…という言い訳も通用しない。 緊急性があるからこそ「俺が正しいと思う」だけの情報を安易に拡散してはいけないのである。 急いで結論を出したいなら、医学誌に対して査読を急ぐように要請すれば良いのである。 そうした根回しもしていないのでは、適切な査読を経ずに一般に広く喧伝する理由にはならない。 ハッキリ言って、K値は疑似科学である。

政治問題 

この論文を一部公共機関が政策に反映していることは大変遺憾である。

査読を通った論文は検証の価値がある仮説と言えようが、査読を通らない論文は検証の価値がない(根拠が不足しているか、あるいは、画期的ではない)。 つまり、査読前の論文とは、提唱者がそう言っていることを示しているが、検証の価値があることを示していない。 もちろん、新型コロナの対策には時間をかけていられないので、未検証の仮説も取り入れたい気持ちは分かる。 しかし、専門家の見解を確認すれば、K値が理論的にも実証的にも全く根拠がないことはすぐに分かることであろう。 そうした確認もせず未検証の論文を政策に反映するのは拙速すぎる。

公共機関としての責任を自覚し、疑似科学を流布しないよう最大限注意すべきではないのか。

騙される人々 

吉森保氏の主張 

K値は、ただの実測値のひとつであり、その数値がなぜあのように単純な方程式の曲線に従うのか感染症学上の理由付けは得られていない。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.17 - note


特に感染拡大収束がなぜこのような2重指数関数になるのか、理由の解明が望まれる。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。No. 20 - note

「なぜあのように単純な方程式の曲線に従うのか」「感染拡大収束がなぜこのような2重指数関数になるのか」「感染症学上の理由付け」「理由の解明」は既に判明している。 「単純な方程式の曲線に従う」「2重指数関数になる」という仮定を置き、その仮定に合わないものは、都合の良い細工を施す口実を無理矢理でっち上げて、仮定に合っていることにしているからである。 トリックは既にバレているのである。

その発見が本当に大事なものなのか、真実に近いものなのかは自明というわけにはいかず、誰かがジャッジしなければいけない。 神さまが判断してくれれば一番良いが、そうもいかないので、その分野の別の研究者が審査することになる。

すなわち、発見を論文にし学術誌に投稿、投稿された論文をその学術誌のエディタが指名した数名の分野の近い別の研究者が審査(ピアレビュー、査読という。だいたい匿名で行う)して可否を判断するのだ。 このシステムには色々問題もある。 例えば数名の判断じゃ不正確など。 だが、これ以上に良いやり方がまだ考え出されていないので、今のところ唯一の方法となっている。

そして論文が出てしまえば終わりかというとむしろ始まりで、長きに亘る論争の出発点となる。 他の人が同じ実験をしてみて確認したり(追試)、反論の論文を出したり喧々諤々があって、皆の力で徐々に真実に近づいていく。

はっきりいって、めんどくさい世界である。 でも神ならぬ人間はある仮説が真実かどうかを最終的に判断することが論理学的に不可能なので、限り無く真実に近づく営みを延々と続けるしかないのだ。

科学とはそういうものだ。 「ST◉P細胞はあります!」と涙ながらに叫ぶだけでは残念ながらだめなのだ。 今回のパンデミックでは専門家と称する人が色々出てきて、あっさりと何かを断言する場面をしばしば見かけたが、簡単に断言する人ほど研究者としては信頼できない。

科学者にとっての論文 - note

「今回のパンデミックでは専門家と称する人」で「その分野の別の研究者が審査」や「他の人が同じ実験をしてみて確認したり(追試)、反論の論文を出したり喧々諤々」の「長きに亘る論争」をすっ飛ばして「K値はあります!」と「簡単に断言する人」こそが吉森保氏らである。 自分のことを棚に上げて何を言っているのか。

また、未審査なのに一般人に教えるなという考えにも同意できない。 K値は、実験を含まず捏造の余地もない。 有用性や解釈に議論はあっても、一般市民を大きく間違った方向に誘導するようなものではない。 一般社会と科学が接近し、市民の判断が必要になってくるこれからの世界においては「由らしむべし知らしむべからず」はもう通用しない。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.16 - note

K値理論は、科学的には「有用性や解釈に議論」の余地のないトンデモであり、疑似科学の世界でのみ「有用性や解釈に議論」が成立する。 「実験を含ま」ないことは「捏造の余地もない」ことを意味しない。 理系の知識・理解力が乏しい者は、トリックを見破ることができずに簡単に騙されていることから、「捏造の余地」があることは疑いの余地がない。 そして、K値理論は、何の根拠もなく勝手に収束するというトンデモ論で「一般市民を大きく間違った方向に誘導」している。 「一般社会と科学が接近し、市民の判断が必要になってくる」は全く意味不明だが、「市民の判断」を狂わせるK値理論は百害あって一利なしである。 このような一般市民を欺くことを防ぐために「未審査なのに一般人に教えるなという考え」があるのである。 よって、その「考えにも同意できない」なる主張は全く筋が通っていない。

吉森保氏らのこの屁理屈を受け入れたら、「実験を含ま」ない理論だけの論文は「その分野の別の研究者が審査」や「他の人が同じ実験をしてみて確認したり(追試)、反論の論文を出したり喧々諤々」の「長きに亘る論争」をすっ飛ばして良いことになる。 そんなバカなことがあるわけない。

まだ審査を受けていない仮説をSNSで拡散したことも、科学の世界の作法としては邪道であろう。 しかしK値は誰にでも検証できて、完全にオープンになっている。 待ったなしの現状では完全無欠な仮説では無くとも、早く利用される、少なくとも利用を考慮される、ようにすることはアンフェアでは無く、ある意味科学者の義務であると中野教授と意見が一致したので意図して拡散した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.17 - note

K値は「完全にオープン」ではあるが、検証には理系の知識・理解力が必要で、「誰にでも検証でき」るわけではない。 事実、理系の知識・理解力が乏しい者は、トリックを見破ることができずに簡単に騙されている。 そして、K値理論の問題は、「完全無欠な仮説では無」いことではない、全くのデタラメであることである。

「科学の世界の作法」は先人達が過去の反省等を踏まえて生み出してきたものである。 それを自分たち個人の考えで勝手に反故にして良いと考えるから傲慢にも程がある。 「待ったなしの現状」であるからこそ、このようなデタラメを喧伝しないよう細心の注意が必要なのである。 「科学の世界の作法としては邪道」に走ったことは、明らかに「科学者の義務」に反する行為である。

8割おじさんこと北大・西浦教授の推測は間違っていたと考えるのが妥当だ。 計算根拠となる実効再生産数Rtの初期値の基本再生産数R0=2.5が実際と異なっていた、二次感染者のばらつきが大きかった、集団内の異質性を考慮に入れていなかったなどの理由が考えられる。 一言で言うと、西浦教授がよりどころにしていた従来の古典的疫学はあまりにも単純すぎたのだ。

しかし8割おじさんは、そのことで非難されるべきでは無い。 科学では常に仮説は、より確からしい仮説に置き換えられていく。 古い仮説の棄却は通常のプロセスである。 むしろ危険なのは、新しいデータが出ているのに冷静になれず古い仮説に固執することだ。 もちろんなぜその仮説が間違っていたのか検証することは大事だ。 西浦教授はその論考を行っている(リンク)。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について。 No.17 - note

「8割おじさんこと北大・西浦教授の推測」は、採用するパラメータ値等の多少の違いはあるものの、基本的計算方法の間違いの指摘はなく、「間違っていたと考えるのが妥当」とする根拠を吉森保氏は示していない。 リンク先で、西浦博氏は、新たな知見に基づいた計算用のパラメータの多少の修正の必要性について論じているが、「なぜその仮説が間違っていたのか」の「その論考」など一言足りとも行なっていない。 「海外では2.5という数値はリーズナブルだと考えられている」とも名言しており、「基本再生産数R0=2.5が実際と異なっていた」などとも認めていない。

尚、「ダイヤモンド・プリンセス号内での感染拡大」も「スウェーデンはロックダウン(都市封鎖)などの全国的な強い行動制限を行わ」かった事例も、いずれも、全く対策が為されなかったわけではない。 よって、これらの「最終的な累積罹患率」が「60%には遠く及ばない」ことは、全く対策を行わない場合を想定した「実際に比べて過大」の根拠とはならない。 何故か、西浦博氏はその指摘をしていないが、その理由は定かではない。

そもそも、「あまりにも単純すぎ」るのは定数しかないK値の予測理論の方であり、それに比べれば「従来の古典的疫学」の方が遥かに複雑である。 「あまりにも単純すぎ」る理論で将来を正しく予測できないなら、「集団内の異質性」も接触削減率もない、考慮すべき変数がゴッソリ抜けているK値の予測理論で将来を予測できるわけがない。 「従来の古典的疫学」では、考慮すべき変数の値に応じて無数の曲線が引ける。 一方で、K値の予測理論には変数がないから、曲線は1つしかない。 K値の予測理論には、無数の曲線から1つだけを選びとるプロセスが何もないのに、どういうわけか、たった1つの曲線が自動的に導かれることになっている。 そのカラクリは、初めから、その1つだけが正しいという仮定を天下り的に置いているからである。 そして、その1つだけが正しいとする根拠は、理論的にも実測的にも、一切示されていない。 さらに、仮定と合うデータのみを恣意的に選別し、仮定と合わないデータは無理矢理のコジツケで合っていることにしてしまう。 「あまりにも単純すぎ」る理論が批判されるなら、こんないい加減なK値の予測理論など論外であろう。

科学の基本ルールを踏み外して疑似科学を喧伝する者に「そのことで非難されるべき」云々を語る資格はない。

宮沢孝幸氏の主張 

評判のとても悪いK値ですが、今のところ、愛知、福岡、大阪、関西3府県は予測から大きくは外れておりません。 東京都除く8府県はややずれてます。 その原因は、関東3県が異常な動きを示しているからです。 関東3県は神奈川、埼玉、千葉です。 おそらく東京から絶え間なく流入しているからだと思います。

2020年8月7日午前8:36(宮沢孝幸) - Twitter

検査者数を増やしたことによる見かけの増だとか、「次の波」だとか、「東京から絶え間なく流入」を言い訳にすれば、いくらでも「大きくは外れておりません」ということにできるだろう。

正義を通すために、そして真実を明らかにするために、勇気ある人が血みどろに努力しています。 その多くは報われず、次々と負けていく世界ではありますが、中には正義が勝ち、真実が暴くことに成功する人もいます。 報われる確率は低くても、社会を守るために行動することは意味があると思ってます。

2020年8月6日午前9:05(宮沢孝幸) - Twitter

宮沢孝幸氏の根拠なき楽観論とK値推奨は、科学倫理に反する行為であって、断じて「正義」でも「真実」でもない。 「社会を守るために行動すること」とは真逆の社会を混乱させる行為に他ならない。

東京都感染者数推移で、7/31と8/1の急増分を検査による人為的ブレと考え、その2日分を前週7/24~7/30に配分してみた。 東京のピークアウトは、7/30~の可能性あり。 他に、大阪起点など他所から別の波が流入した可能性もあるが、上記だとその影響は少なくなるかも。

2020年8月5日午後3:28(週休4日制→定常経済) - Twitter

これは宮沢孝幸氏のツイートではないが、宮沢孝幸氏がリツイートしていることから、宮沢孝幸氏も同意見であると思われる。 さて、「7/31と8/1の急増分を検査による人為的ブレ」ではないことは次のデータから明らかである。

日本のPCR陽性者数の推移

都内の最新感染動向 - 東京

7月31日も8月1日も検査者数は前日よりも減少している。 2日程度の報告の遅れが見て取れるが、これは、7月29日と7月30日の陽性者数が少なめに出ていることも示している。 それよりも、連休中の検査者数の激減の方が影響が大きいと思われる。

東京の相談件数の推移

都内の最新感染動向 - 東京

これを見れば、コールセンターの相談件数は休日でもあまり変化がないが、窓口の相談件数は土日に激減している。 7月の4連休の相談件数が少ないことも読み取れる。 このことは、4連休は症状があっても検査されていない人が多いことを示唆しており、それによって一時的に陽性者数の伸びが抑制されたことが読み取れる。 一時的に陽性者数の伸びが抑制された分は、その後の陽性者数として報告されるから、連休後の陽性者数の一部を連休中に移行すれば、実際の感染傾向と一致すると予想される。 以上踏まえると、7月中は一貫して増加傾向なのであり、連休中が横ばいに見えることや「東京のピークアウトは、7/30~の可能性」は全て見かけの現象である可能性が高い。

東京の実効再生算数も1.01に。 もうひといきですぞ! 私たちができることは、ただ、ひとつ。 わかりますよね。

2020年8月1日午前11:52(宮沢孝幸) - Twitter


実効再生算数は東洋経済のサイトで確認できます。 大阪、もうちょっと頑張ってくれないかなあ。 せっかく落ちてきたのに、それから横ばい。 少しの努力で落とせるのに。

2020年8月1日午後0:19(宮沢孝幸) - Twitter

「少しの努力」が必要で「もうちょっと頑張ってくれない」と実効再生産数が落とせないなら、それは、自然収束説が成立していないことを意味する。 それならば、何故、自然収束説に固執して頑なに撤回しようとないのか意味不明である。

すべて阪大の中野教授の予測です。 専門外なのでどうなのかわかりません。

2020年7月26日午前9:07(宮沢孝幸) - Twitter

宮沢孝幸氏は、科学的手続きを踏みにじったのである。 それでも、信念を持ってが正しいと信じ、かつ、自らが破滅する覚悟の上で、やったことであれば、まだ理解可能である。 しかし、「専門外なのでどうなのかわかりません」では信念も覚悟も何もなかったことになる。 専門外を口実に逃げたつもりなのだろうが、これは、あまりに酷い。

K値が似非科学というのであれば、10万人が死亡する予測も似非科学です。 1日に700人亡くなっても、普通に生活するとは私には思えません。 そのことを批判したまでです。 ブロックさせていただきました。 現実的な予測を知る権利はわたしは国民にあると思います。

2020年7月26日午後3:40(宮沢孝幸) - Twitter

「拡大か収束かを一切判定することなく収束に一点張りするだけ」という理由で疑似科学だと指摘したのだが、真っ当な科学者であれば、合理的理由を示した上で、拡大か収束かはちゃんと判定しているとか、一点張りでも疑似科学ではないとの反論を示すはずである。 その内容について検討も反論もすることもなくブロックするのでは、単に都合の悪いツイートを排除しているだけである。 このような姿勢では疑似科学と批判されて当然である。

尚、普通に生活しないことは自主的な対策であり、何も対策しない場合という前提が崩れるのだから、当然、何も対策しない場合の「10万人が死亡する予測」と死亡数が食い違うのは当然である。 明示された前提が違うことによって結果に差が生じることは何も対策しない場合の「10万人が死亡する予測も似非科学」の根拠足り得ない。

また。K値予測は、既に指摘している通り、「拡大か収束かを一切判定することなく収束に一点張りするだけ」であって、全く「現実的な予測」になっていない。

K値予測です。 まだ似非科学らしいので、信じないでください。 これが当たったら驚きます。 8府県のK値の推移 8府県の新規感染者数 8府県の累計感染者数

2020年7月26日午前9:04(宮沢孝幸) - Twitter

連休期間中の検査者数激減のおかげで予測通りに見えるK値推移はともかく、新規感染者数の推移が実測値とあっていないことは一目瞭然であろう。 どうして、それがわからないのだろうか。

一連のTweetで、大阪大学の中野教授の最新のK値解析の結果を紹介します。 中野先生とは感染増大要因、収束要因に関して意見が異なることがあります。 K値に関しては、まだ確立された指標ではありませんが、今回のウイルス感染予測に関して使える可能性あるのではと思っています。

2020年7月18日午後2:43(宮沢孝幸) - Twitter


東京を除く8府県の予測になります。

7月6日のK値予測から途中から突然ずれてきたのですが、これは別の波が重なっていたという解釈です。

8府県の累計感染者数

2020年7月18日午後2:50(宮沢孝幸) - Twitter


この波の予測が正しいとしたら、今は、第3波と第4波が来ています。 第3波は収束期。 第4波は拡大期となります。

8府県の新規感染者数

2020年7月18日午後2:52(宮沢孝幸) - Twitter


K値が途中からずれたのはおわかりだと思います。 異常がわかったのは、7月13日頃。 その後、その解釈と追加解析に時間がかかりました。 これを外れたと言うかもしれませんが、仕方ないことです。 これが現実です。

8府県のK値の推移

2020年7月18日午後2:54(宮沢孝幸) - Twitter

描いた本人が気づかないならまだしも、「大阪大学の中野教授の最新のK値解析の結果」なら、どうして、これらの図のおかしさに気づかないのか。 それぞれの図のおかしさは吉森保氏の主張の所で説明したので再度の説明はしない。 ただ、中学生の科学知識・理解で一目で見抜ける程度の稚拙なトリックを科学者の肩書を持っている2人が見逃しているのは異常である。

それらの図の曲線の引き方が、プロットされた点に対して明らかに不自然であり、そうした不自然な線を引いた根拠が何も示されていない。 どう見ても、7月20日以降に収束する結論と「第3波と第4波が来ています」結論に都合が良いように恣意的に描かれたことは疑いようがない。 確かに、こんな当てずっぽうでは外れても「仕方ない」だろう。

しかし、こんな稚拙なトリックすら見抜けないようでは、科学者を名乗るのも恥ずかしかろう。

これらは、あくまで予測であり、それを公表するのは、どうなのかという議論があります。 特に私がここで述べることは控えた方が良いのでは、という意識も強くあります。

2020年7月18日午後3:25(宮沢孝幸) - Twitter


実は研究所からもそのような指摘をされ注意を受けています。 非常に微妙な問題であります。 私もかなり逡巡しています。

2020年7月18日午後3:27(宮沢孝幸) - Twitter

どうやら、宮沢孝幸氏と違って、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の人たちは、査読すら受けていない論文を素人向けに喧伝してはいけないというまともな科学倫理があるようだ。

武田邦彦先生との対談の続きの動画となります。

2020年7月9日午後0:03(宮沢孝幸) - Twitter

疑似科学者列伝:武田邦彦で紹介してしている通り、武田邦彦氏は世間ではとても有名なトンデモ論者である。 しかも、専門家の居ない所では定説が間違っていると言っておいて、専門家が現れると専門家の方が正しいと言って逃げてしまう超チキンでもある。 これは、経験則であって、明確な根拠は示せないが、トンデモさんはトンデモさんと非常に仲が良いことが多い。 他のトンデモさんと仲良くし出したら、本格的なトンデモさんへと進化したと見て良かろう。

安田洋祐氏の主張 

検証の仕方には

X. 仮説から導かれる感染者数の推移が現実のデータと整合的か【実証】

Y. 仮説が感染症に関する(ミクロレベルでの)知見と整合的か【理論】

という2通りがあり、ざっくり言うと、Xは実証的、Yは理論的(感染メカニズムを踏まえているかどうか)な検証と言えます。

現状では、仮説(*)は

・Xという基準を満たしているがYは満たしていない

ため、Yの意味では確かに“非科学”的な状態です。

「K値」は“非科学的”か? - note

既に説明した通り、XもYも満たしていない。 言うまでもなく、累積感染者数で割る処理はYを満たしていない。

西浦博教授からの回答:

現時点では使用を考えていませんが、大変興味深い分析だと思っています。 ただし、Dispersibility ratioやReproduction numberと違って、これまでの幾多の学術研究によって数理的特性や閾値定理などがしっかり検討された上で実用性を議論できている段階ではありませんので、それらの点について具体的な値が何を意味するのか、ということに関してはとても興味を持っています。

「K値」は“非科学的”か? - note

科学者を育てる立場の人間にであれば、どんな新説に対しても一刀両断に切り捨てることは避けて「大変興味深い分析」のようなことを言う。 例えば、槌田敦氏のトンデモ 論文に対しても、査読者は「これまで考えられなかった新しい発見への道を開く可能性もあるので、慎重に耳を傾けるべきとの立場もある」「定説を覆そうという非常に野心的な試みであり、その意欲は評価できる」と褒めている(槌田敦氏が似非科学者の証拠参照)。 一方で、西浦博教授は、「これまでの幾多の学術研究によって数理的特性や閾値定理などがしっかり検討された上で実用性を議論できている段階ではありません」として、現状のままでは支持できない立場も明確にしている。 これは、査読を受けながら改善していけば物になるかも知れないという程度の言い回しであり、現状の論文が西浦博教授から認められたことを意味しない。

この実証面での難しさ、特に

・少ないパラメータで現実を説明することの困難さ

を踏まえると、(初期値を除いて)実質的に「k」という一つのパラメータしか持たない仮説(*)が、現実のデータにかなりフィットしている、というのは驚くべき知見でないかと思います。

「K値」は“非科学的”か? - note

既に説明した通り、間違っていてもそれっぽく見えたとしておかしくない程度の一致でしかないので、「驚くべき知見」と言うほど「現実のデータにかなりフィットしている」とは言えない。 累積感染者数で割らなければ理論的にも正しい分析になると予想されるし、累積感染者数で割るべき理由は何ら説明できない。 であれば、累積感染者数で割らなかった場合のデータを検証する必要がある。 その結果として、累積感染者数で割った方が実態に合うのであれば、累積感染者数で割るべき実践的理由となろう。 そうした検証を全くしていない以上、K値が科学的とは到底言えない。

池田信夫氏 

私はK値だけが悪いとは思いません。 今のように検査人数や検査方法が大きく変わったとき、陽性者数のトレンドだけで予測できないのは実効再生産数も同じ。 東京のように安定してくれば、陽性率のほうが使えるかもしれない。

2020年8月7日午前8:59(池田信夫) - Twitter

池田信夫氏は「検査人数や検査方法が大きく変わった」と主張するが、「陽性者数のトレンドだけで予測できない」とする根拠を何も示していない。 PCR陽性増は見掛け上の感染者増ではないにて説明した通り、陽性率が上がっているのだから、感染者数が増加していることは疑う余地のない事実である。 実際の感染者数が増えていることと逆の予測をしたのだから、K値予測が外れた原因は「検査人数や検査方法が大きく変わった」からではない。 K値予測が外れた原因は、収束一点張りだからである。 池田信夫氏はその程度のことも理解していないようだ。

池田信夫氏は「実効再生産数も同じ」と主張するが、SIRモデルや実効再生産数にはK値予測のような収束一点張りの予測理論は存在しない。 SIRモデルでは、実効再生産数を係数として用いた計算が可能なのであって、実効再生産数が不定であれば計算も不定となる。 そして、実行再生産数は、様々な要因で変化するのだから、確定的な予測を行うことは不可能である。 だから、実効再生産数の取りうる範囲に対して、予測も範囲で行う。 SIRモデルによる予測は、K値予測のような根拠なき確定値は出さないのであり、K値予測とは全く違うものである。

間違ったおじさん批判

池田信夫氏は「東京のように安定してくれば」と主張するが、東京が安定しているとする根拠はない。

日本のPCR陽性者数の推移

都内の最新感染動向 - 東京

7月31日も8月1日も検査者数は前日よりも減少している。 2日程度の報告の遅れが見て取れるが、これは、7月29日と7月30日の陽性者数が少なめに出ていることも示している。 それよりも、連休中の検査者数の激減の方が影響が大きいと思われる。

東京の相談件数の推移

都内の最新感染動向 - 東京

これを見れば、コールセンターの相談件数は休日でもあまり変化がないが、窓口の相談件数は土日に激減している。 7月の4連休の相談件数が少ないことも読み取れる。 このことは、4連休は症状があっても検査されていない人が多いことを示唆しており、それによって一時的に陽性者数の伸びが抑制されたことが読み取れる。 一時的に陽性者数の伸びが抑制された分は、その後の陽性者数として報告されるから、連休後の陽性者数の一部を連休中に移行すれば、実際の感染傾向と一致すると予想される。 以上踏まえると、7月中は一貫して増加傾向なのであり、連休中が横ばいに見えることや「東京のピークアウトは、7/30~の可能性」は全て見かけの現象である可能性が高い。

「変化を察知するには都合がいい指標」 

K値を単なる予想の手段としてしか理解していない人が多い。 予想が外れるたびに基準を見直すから胡散臭く見えるようだけど、外れるということは前提の変化を示唆している。 つまり、外部からウイルスが持ち込まれた可能性や想定以上の行動自粛、検査方法の変更など。 変化を察知するには都合がいい指標

2020年7月26日午前1:31(yook) - Twitter

K値予測が外れた原因は「前提の変化」のせいではない。 事実、陽性者数の増加率はずっとほぼ横ばいである。

第2波のPCR陽性者数(7日平均)前日比

オープンデータ - 厚生労働省

K値予測が外れる原因は、収束という架空の変化を持ち込むからである。 架空の変化を持ち込めば、現実と合わなくなるのは当然であろう。 そして、その辻褄を合わせるために、今度は、逆向きの架空の「前提の変化」で相殺を図っているのである。 しかし、最初に想定した収束も後から追加した「前提の変化」も、どちらも架空の変化であり、現実的な意味を全く持たない。 ありしない架空の「前提の変化」など察知したところで何の意味もない。

自称元石油化学系エンジニアの主張 

西浦先生が計算式を公開している実効再生産数は感染者数7日間移動平均の前週比を用いており、K値も累計感染者数の前週比を用いていますから、形を変えども見ている事象はほぼ同じだと思います。 K値の否定は実効再生産数の否定だと思うのですが、なぜ頑なに否定したがる人がいるのか理解に苦しみます。

2020年7月11日午前10:48(kitaroupapa) - Twitter


見ている元データの取り方が似通っているのだから、結論は似たようなものになるので、どちらかを全肯定してどちらかを全否定するようなものではないでしょうということです。

2020年7月11日午後5:40(kitaroupapa) - Twitter

分母も分子も違う数なのだから「形を変え」た結果として「見ている元データの取り方が似通って」いないし、「見ている事象はほぼ同じ」「結論は似たようなもの」とならないことはいくつかのパターンで示してみる。

累計感染者数の前週比(例1) 累計感染者数の前週比(例2) 累計感染者数の前週比(例3) 累計感染者数の前週比(例4) 累計感染者数の前週比(例5) 累計感染者数の前週比(例6)

グラフから次の傾向が読める。

  • 時間経過とともに「累計感染者数の前週比」は新規感染者数の前週比か1のいずれか大きい方に近づく
    • 新規感染者数の前週比が絶えず変動する時の追従性は非常に悪い
    • 一定期間が経過するまでは「累計感染者数の前週比」に全く意味はない
    • 新規感染者数が減少傾向のときは「累計感染者数の前週比」に全く意味はない
  • K値と「累計感染者数の前週比」の変化傾向はよく似ている

よって、新規感染者数の前週比の変動が小さく、一定期間が経過していて、かつ、新規感染者数が減少していないときに限って、K値と新規感染者数の前週比の「結論は似たようなもの」となる。 新規感染者数の前週比の変動が大きいか、一定期間が経過していないか、あるいは、新規感染者数が減少傾向のときは「結論は似たようなもの」とはならない。 とくに、感染傾向の変化の指標としたいなら、変動に対する追従性の悪さは致命的である。

また、K値による予測手法は実効再生産数にはないものであり、この点でも「形を変えども見ている事象はほぼ同じ」「結論は似たようなもの」とは言えない。 K値による予測手法では、過去のデータから求めたK値から、不確定要素となるパラメータなしに将来予測が可能としている。 一方で、例えば、西浦博氏は、不確定要素となるパラメータ(接触削減率)について場合分け手法で、パラメータ変動が結果にどう影響を与えるかを予測している。 というか、過去の実効再生産数から将来の感染状況を予測した事例など聞いたこともない。

以上の通り、「K値の否定は実効再生産数の否定」とはならない。 尚、間違った「8割おじさん」批判で説明した通り、実効再生産数は、「感染者数7日間移動平均の前週比」と相関するが、そこから計算することはできない。 !!

提唱者の主張を歪める事例 

しかし中野、池田氏のプレプリントを見なおしましたが、


K値は単なる微係数です。


等号以降のない、微分値のみでは、何の予測もできません。 ”K値による日本国内の予想”の意味が分かりません。 本質である右辺のf(t)を書かずに、<K値(微分値)による予想>と言う文は理解できません。

単なる微分値に過ぎないK値は科学ではないので、えせ科学でありません。

K値は疑似科学?---単なる微係数。科学ではないから、そんなに酷く言わなくても - toshi_tomieのブログ

プレプリントの冒頭には「it is important to be quick to detect changes in the rate of spread and to be precise to predict the future (感染速度の変化を迅速に検出し、将来を正確に予測することが重要)」「We have succeeded 〜,which enables us to do the both (両方が可能となった)」と明記しており、予測のための理論だと主張されていることは明らかである。 そして、提唱者の中野貴志氏自身がK値による予測と称したものを、テレビ番組や推奨者のWebサイトで何度も公表している。 「何の予測もできません」なのに予測と称したものを公表している以上、これは疑う余地のない疑似科学である。

また、上記サイトで、無意味なので読んでいませんが、7月以降の感染者のことをいろいろ書いています。 7月以降の感染者数は、人為操作の数字なので、科学の対象にはなりません。 議論は時間の無駄です。

K値は疑似科学?---単なる微係数。科学ではないから、そんなに酷く言わなくても - toshi_tomieのブログ

「7月以降の感染者数は、人為操作の数字」の根拠は感染者の年齢構成や死者数らしいが、これが「7月以降の感染者数は、人為操作の数字」の根拠となる理由は一切説明されていない。 尚、「7月以降の感染者数は、人為操作の数字」だと仮定するなら、それに基づいたK値も全く意味がない。

6月に入ってからの年齢構成は極めていびつです。

小池百合子氏の政治人生は、小泉純一郎氏よろしく、常に悪役を作り上げ、悪役と闘うヒロインを演じてきました。 コロナでも、若者、夜の街を悪役にしました。彼らを狙い撃ちにした結果であることが明白です。

6月以降の東京でのコロナ感染の年齢分布は、極めていびつ。20代をピークに、年齢とともに級数的に減少ーーー若者、夜の街を血祭にした結果 - toshi_tomieのブログ

「6月に入ってからの年齢構成は極めていびつ」という事実からは、「6月に入ってから」特定の年齢層を中心に感染が拡大しているのか、あるいは、別の理由があるのかは判断しようがない。 もしも、特定の年齢層を中心に感染が拡大しているのであれば、「6月に入ってからの年齢構成は極めていびつ」は、それを正確に反映しているのだから、「人為操作の数字」の根拠に全くならない。 この方は情報操作を疑っているようだが、嘘の数値を出すなら、それこそ一目見ただけではバレないような尤もらしい数値となるようにするはずだから、「6月に入ってからの年齢構成は極めていびつ」ということはあり得ない。 陰謀脳に侵されすぎであろう。

尚、PCR陽性増は見掛け上の感染者増ではないに記載した通り、検査対象を拡大したことは事実のようだが、実際の感染者数が増えていないとすると、陽性率の増加が説明できない。

日本のPCR陽性者数の推移

オープンデータ - 厚生労働省

日本のPCR陽性者数の推移

都内の最新感染動向 - 東京

よって、実際に感染者が増えていることは疑いの余地がない。

感染者は、連日の新記録更新なのに、死者はゼロ

6月以降の東京でのコロナ感染の年齢分布は、極めていびつ。20代をピークに、年齢とともに級数的に減少ーーー若者、夜の街を血祭にした結果 - toshi_tomieのブログ

これも新型コロナ死者数では第2波の兆候はつかめないに記載した通り、第1波でも新規感染者数が減少に転じて10〜15日経過してから急激に死者数が増えている。

陽性者数と患者数のピークのズレ

オープンデータ - 厚生労働省

だから、ピークになる前の死者数をもって感染が拡大しているかどうか判断することはできない。

「SIRモデルとK値は実は感染収束は等価」等 

最初は何だこれ?という感じだったんですが、よくよく数式を書いて考えてみると、これって、よく言えば 「SIRモデルの簡素版」、悪く言えば「劣化モデル」という感じに見えてきました。


実際には「再生産数」は定数ではなく、時間で変化していくことにはなるでしょうが、そうだとしても、「再生産数だけで構成された関数」をいくらいじくっても、「将来の感染者数のピーク予測」ができる代物にはなりにくいと考えます。 それがこのK値でできるのであれば、「再生産数」の加速度を計算するだけで、全く同じ結果になるはずです。

通常のSIRモデルの再生産数が1を超え、一定水準以上を長く続けているのが明らかであるにも関わらず、再生産数の変形値でしかないK値をこねくり回して、根拠のない楽観的なピーク予測をする方々の言動に引きずられ、何の対策も行わなかったら、新規感染者数は指数増加となり、数週間後には大変なことになるでしょう。

「K値」とは、感染症の基本モデルである「SIRモデル」の「再生産数」との関係だけで決まってしまう、質の悪い指数に過ぎないのではないか? - note


「K値」とは、古典的な感染症の拡散モデルであるSIRモデルの域を全く出ていない『再生産数』をいじると出てくる質の悪い数値に過ぎない。

2020年7月26日午後10:04(HT) - Twitter


「古典的な感染症の拡散モデルであるSIRモデルの域を全く出ていない『再生産数』をいじると出てくる数値に過ぎない」という@HT24136767氏の考察は正しい。 K値が良いのは、SIRで解析しなくても簡単な計算で感染収束を予言できることだけ(単一の感染、R一定でモデル通りなら)

2020年7月27日午前1:44(禮) - Twitter


SIRモデルとK値は実は感染収束は等価です

① 感染拡大期間からピークを過ぎるまでK値が直線的に推移する期間がある

② K値は、単に単一の感染&一定のRの条件で、SIRと同じ感染収束予想をしているにすぎない

③ 感染初期データだけでは予測できない、また複数の波では合わない

2020年7月27日午前2:01(禮) - Twitter

note等で指摘されていることは、K値理論はSIRモデルにおける「根拠のない楽観的」に基づいた特殊解であることである。 つまり、SIRモデルのうちのその特殊解だけがK値理論と等価なのであって、その特殊解を除くSIRモデルとK値理論は全く違う代物である。 言い換えると、SIRモデルでK値理論と同等のことは可能だが、K値理論ではSIRモデルのうちのK値理論と一致する特殊解しか真似できない。 それは、「劣化モデル」「質の悪い指数」と言った言葉でも表現されている。 よって、SIRモデルのうちのK値理論と一致する特殊解がK値と等価と言えるだけであって、「SIRモデルとK値は実は感染収束は等価」とは言えない。 K値理論では必ず感染が収束するが、SIRモデルではそうとは限らない。

noteに「『将来の感染者数のピーク予測』ができる代物にはなりにくい」と書かれている通り、K値理論では、三流占い師や自称超能力者紛いの怪しい「予言」を告げることは可能であっても、将来を予測することは一切できない。 それは、「感染初期データだけ」だからでもなく、「複数の波」だからでもない。 K値理論は、何か予想した風を装いつつも、その実、現実が拡大するか収束するか、そのどちらになるかを調べもせずに、収束することに一点張りしているだけである。 そして、「複数の波」等は予測が外れたときの言い訳に過ぎない。 それは、明日の天気は晴れと予言して低気圧が来たから外れたと言い訳するようなものである。 低気圧の進路から天気を予想するのが科学的に真っ当な予想であろう。

尚、K値理論もゴンペルツ関数に従うことになっているため、実効再生産数は継続して下がり続ける前提であり、決して、「R一定」ではない。

また、「感染拡大期間からピークを過ぎるまでK値が直線的に推移する期間」とやらは、近似的に直線とみなせるだけであって、実際は逆S字曲線である。 K値理論では、その傾きからゴンペルツ曲線のパラメータを導出しようとしているが、ゴンペルツ曲線に従う仮定が現実離れしているので無意味である。

他を言い掛かりで批判する事例 

西浦教授が予想を外すのはよくて中野教授が外すのはダメってそりゃないでしょう。 結局自分が支持する人を持ち上げてるだけじゃん。

2020年7月19日午前0:19 (コロナなつぶやき) - Twitter

既に紹介した通り、K値予想は外しまくりである。

  • 「東京は先週ピーク超えてる」(6月12日の発言)→大外れ
  • 全国は7月9日頃から感染収束期に向かっている→大外れ
  • 集団検査が行われていない8府県は7月9日ごろにピークアウトする→大外れ
  • 大阪のピークは約2週間後かすでに収束に向かっているの2通り(7月14日の発言)→「すでに収束に向かっている」は大外れ、「約2週間後」は未だ来てない

一方で、間違った「8割おじさん」批判で解説しているように、西浦博氏はこれまでに新型コロナの感染予想を外したことはない。 西浦博氏は何も対策しない場合と明言してその数値を示したが、これを対策した場合の数値と単純比較して「西浦教授が予想を外す」という捏造がされているだけである。

2020年7月11日午前8:01(勝川俊雄) -Twitterにて勝川俊雄氏が「予測が当たっても非難される8割おじさんと、占いが外れても持て囃されるK値の違いは、みなが望む結果を提示しているかどうかなんだろうな」と指摘している通りである。 結局、「西浦教授が予想を外すのはよくて中野教授が外すのはダメってそりゃない」は、「自分が支持する人」=緊急事態宣言否定論者を「持ち上げてるだけ」である。

K値信仰 

K値予測が何も予測していなかった事実を認識しながら、「間違った使われ方」のせいだとして擁護し続ける人もいる。

これまでは行動変容が起こって縮小局面に良く合致していた為、大変重宝してきたが、ここに来て、感染拡大しても政府が全く感染対策を呼び掛けず放置した為、縮小反転が起きず、拡大急増して予測値が全く役に立たなくなってしまっているようです。

K値、終了のお知らせ。感染予測は何故間違えたのか? - after corona century

この人は「政府が全く感染対策を呼び掛けず放置した」ことに責任転嫁しているようだが、「先週ピーク超えてる」「7月9日頃から感染収束期(ピークアウト)に向かっている」として感染対策の必要性を否定したのは他ならぬK値の提唱者自身である。 「政府が全く感染対策を呼び掛けず放置」すると感染が拡大するなら、「先週ピーク超えてる」「7月9日頃から感染収束期(ピークアウト)に向かっている」とは言えないはずであり、まだピークは超えていないから感染対策を呼びかける必要があるとの予測が正しいはずである。 つまり、K値による予測は盛大に外したのである。

これまで、K値予測があたかも実測値と一致しているかのように偽装できたのは、「行動変容が起こって縮小局面に良く合致していた」事例にのみ適用していたからである。 しかし、「感染拡大しても政府が全く感染対策を呼び掛けず放置した為、縮小反転が起き」ない事例等は、K値予測の仮定と一致しない。 K値予測では、感染が拡大している局面であっても、「縮小反転が起き」るかどうかの客観的判定を一切しないまま、断定的に「縮小反転が起き」ることを仮定している。 それは、結果的に、「行動変容が起こって縮小局面」とは一致するが、そうでない事例とは一致しない。 これは、何の根拠もなく「明日は晴れる」と言えば、翌日晴れた事例とは一致するが、翌日晴れなかった事例とは一致しないことと同じである。 ようするに、K値予測は、当てずっぽうで感染が収束すると断定していただけに過ぎない。 つまり、K値予測は、「予測値が全く役に立たなくなってしまっ」たのではなく、初めから「予測値が全く役に立たな」かっただけである。

これまではあくまで、人々が感染対策に努め広げないよう行動したから順次縮小していったのです。 所が今回は経済再開局面で人々の接触機会が倍加し、イベント再開、観客入場、大型施設再開と矢継ぎ早に緩和を進める中で、前提条件が次々の変わる中において、K値は意味を為さなくなったのです。

K値、終了のお知らせ。感染予測は何故間違えたのか? - after corona century

既に説明した通り、K値は、「前提条件が次々の変わ」ったせいで「意味を為さなくなった」のではない。 「縮小反転が起き」るかどうかの客観的判定を一切しないまま、断定的に「縮小反転が起き」ることを仮定しているから、初めから「意味を為さな」いのである。

折角求められた便利な指標K値でしたが、こうやって間違った使われ方をされて、役に立たない指標とされてしまうのは残念です。

K値、終了のお知らせ。感染予測は何故間違えたのか? - after corona century

既に説明した通り、K値が「役に立たない指標とされてしまう」のは「間違った使われ方をされ」たからではなく、初めから「便利な指標」などではない全く「役に立たない指標」だったからである。

総合案内

科学一般

疑似科学等

医学

地震

電磁気学

相対性理論

量子力学

基本

標準理論

解釈等

実験・思考実験

外部リンク