「PCR検査陽性はほとんど偽陽性」の嘘

はじめに 

このページは「日本は諸外国よりCt値を高く設定している」の嘘の一部である。 以下も参考に。

ネット上の情報を鵜呑みにする前に 

ネット上の陰謀論等を目にして「俺は真実に覚醒した」と思っている人は、是非、新型コロナの主要なデマに掲載した高知東生氏の次の言葉に耳を傾けてほしい。 以下は特に重要。

  • 裏を読む以前に、表の仕組みすら何も知らない
  • 誰でも見れる情報「本当の真実」は裏ではない
  • 都合のいい妄想ってつなぎ合わせただけで案外辻褄があう

裏を探そうと世界中のジャーナリストが躍起になっている。 専門に情報を追っている人でさえ簡単に見つけられない情報を一般人が簡単に見つけられるわけがない。 それに気づいた高知東生氏こそが本当の覚醒者である。 それに気づかない人は、未だ、自らが覚醒者だと勘違いした妄想の中に漂っている。

偽陽性は多いのか? 

論文 

「PCR検査陽性の97%が偽陽性である」とのデマは、次の論文からの創作である。

At Ct = 35, the value we used to report a positive result for PCR, <3% of cultures are positive.

PCR陽性の結果を報告するために使用した値Ct=35では、3%未満が培養陽性である。

Correlation Between 3790 Quantitative Polymerase Chain Reaction–Positives Samples and Positive Cell Cultures, Including 1941 Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Isolates - OXFORD ACADEMIC

これを次の前提から「PCR検査陽性の97%が偽陽性である」と結論づけている。

  • 培養陰性のPCR陽性は偽陽性
  • Ct値は設定値で日本では40以上(明らかな誤り)

しかし、同論文にも「Ct values obtained using our PCR technique」(PCR技術を使用して得られたCt値)と記載されているように、Ct値は検査の結果として得られる測定値である。

At the beginning of the outbreak, we correlated Ct values obtained using our PCR technique based on amplification of the E gene and the results of the culture [8].

流行開始時に、E遺伝子と培養結果と増幅に基づくPCR技術を使用して得られたCt値を相関させた。

Correlation Between 3790 Quantitative Polymerase Chain Reaction–Positives Samples and Positive Cell Cultures, Including 1941 Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Isolates - OXFORD ACADEMIC

OXFORD ACADEMICの論文のデータでは次のようになっている。

  • 全数は3790サンプル
  • Ct値35以上は104サンプル
  • 102サンプルが培養陰性

よって、Ct値35以上、かつ、培養陰性は全体の2.69%である。 百歩譲ってこれを偽陽性と見做したとしても、偽陽性は2.69%に過ぎない。 そもそも、カットオフ値を変更しても陽性者数は大きく変わらない。

1〜3週目のカットオフ値別陽性者数

Correlation Between 3790 Quantitative Polymerase Chain Reaction–Positives Samples and Positive Cell Cultures, Including 1941 Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Isolates - OXFORD ACADEMIC

尚、全数のうち48.79%が培養陰性であり、Ct値が高い場合は培養陰性となる率が上がるが、培養陰性は必ずしも偽陽性とは限らない。

1〜3週目の培養陽性率

Correlation Between 3790 Quantitative Polymerase Chain Reaction–Positives Samples and Positive Cell Cultures, Including 1941 Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Isolates - OXFORD ACADEMIC

培養陰性であることは次の4通りの可能性を示唆している。

  • PCR検査にだけ検体汚染が発生した
  • プライマーダイマーやミスプライミングによって存在しない遺伝子配列を検出した
  • 何らかの理由で培養に失敗した
  • 回復期の感染者であった(不活性化された遺伝子配列を検出した)

偽陽性と存在しない遺伝子配列を検出することであるから、このうち偽陽性となるのは1番目と2番目だけである。 そして、検体汚染は取り扱いのミスによるものであり、検査そのものの精度によるものではない。

これでもう失敗しない!リアルタイムPCRに失敗する4つの問題点と解決策をご紹介 - Thermo Fisher ScientificPCRのセットアップで考慮すべき6つの要素 - Thermo Fisher Scientificによれば、プライマーダイマーやミスプライミングは、プライマーの設計不備や温度・時間等が最適値でない場合に生じるものである。 初心者でも安心!リアルタイムPCR用プライマーデザインのコツ - Thermo Fisher Scientificによれば、プライマーダイマーはゲル電気泳動や解離曲線によって検証できる。 どちらも製造承認時には検証されており、添付文書に従う限りは製造承認を受けたキットでは生じないものと考えて良い。 尚、遺伝子検査の基礎知識 - タカラバイオ株式会社p.34-36によれば、こうした「プライマー由来の非特異的増幅 」は増幅曲線と融解曲線を陰性コントロールと比較することで検証できるので、現場での確認も可能である。

3番目は、培養陽性の不備であるからPCR検査の問題はない。

4番目は、不活陽性とでも表現すべきであって、本来の意味の偽陽性とは全く違う。 別の論文によれば、37.5℃以上の発熱や喉の痛み、咳、痰、呼吸困難、酸素必要量などの呼吸器症状があっても培養陽性率は5割を切る。

症状と培養陽性率

Duration of Culturable SARS-CoV-2 in Hospitalized Patients with Covid-19 - The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINESupplementary Appendix

よって、培養陰性が偽陽性ではないことは言うまでもない。 また、少数例ながら、培養陰性から培養陽性に転じたケースもある。

培養結果推移

Duration of Culturable SARS-CoV-2 in Hospitalized Patients with Covid-19 - The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINESupplementary Appendix

いずれもCt値が同時に下がっており、かつ、症状から見てステロイド療法などでウィルスが再燃した可能性がある。 いずれにせよ、培養陰性はウィルスを完全に駆逐したことを保証しない。

また、感染検査の培養陰性率が48.79%あるとまでは言えない。 何故なら、「日本は諸外国よりCt値を高く設定している」の嘘にて説明した通り、Ct値や感染性は経過日数に依存するからである。 経過日数別のデータを採った論文の一例を以下に示す。

患者病日とウィルス量

Duration of Culturable SARS-CoV-2 in Hospitalized Patients with Covid-19 - The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINESupplementary Appendix

21人の患者の計165回の検査の結果である。 サンプル数が少ないので参考程度だが、傾向は掴めるだろう。 尚、感染してすぐの検査が少なく、退院した後も検査がされていないので、2日目までと15日以降は近似線の作図には用いていない。 経過日数と平均Ct値の相関係数は0.829(3〜14日目限定なら0.851)、経過日数と培養陽性率の相関係数は-0.623(3〜14日目限定なら-0.736)であり、かなりの相関が認められる。

その他、国立感染症研究所のデータも参考となる。

患者(有症者)の陽性確定時の検体 患者(有症者)の陰性確定時の検体

新型コロナウイルス感染症患者からのウイルス分離状況―感染性の評価 - 国立感染症研究所

全体的にCt値が高いほど培養陽性率が下がる傾向が読み取れる。 後者のデータは患者病日が小さい場合にのみ培養陽性が見られるが、前者のデータはこのままでは評価しにくい。 そこで、患者病日と培養陽性率の関係をグラフにした。

患者病日と培養陽性率

ただし、目分量で読み取っているため多少の誤差はある。 患者病日と培養陽性率には逆相関が見られる(相関係数:-0.589)。 面白いことに、近似線は先ほどの論文に近い値となっている。 ちなみに、後者のデータの相関係数は-0.481であった。 よって、全体的に経過日数が増えるほど培養陽性率が下がる傾向が見られる。

最初のOXFORD ACADEMICの論文では、培養陽性の場合はWeek 1、Week 2、Week 3に分けられているが、分離陰性の場合は分けられていない。 これではWeek別の培養陰性率が不明である。 通常であれば感染検査はWeek 1に行われるはずだから、Week 1の培養陰性率が感染検査の培養陰性率に近い値と考えられる。 しかし、Week 1の培養陰性率が不明であるので感染検査の培養陰性率は推定できない。 経過日数が増えるほど、Ct値が大きく、かつ、感染性が低下すると考えられるので、Week 1の培養陰性率はWeek 2以降よりも低いと考えられる。 しかし、データが不足しているので具体的な数値までは推定できない。

感染拡大の予兆の早期探知のためのモニタリング検査 

感染拡大の予兆の早期探知のためのモニタリング検査 - 内閣官房によれば、4月25日まで48,620件検査して累計陽性疑い者数53件である。 陽性疑い率はわずか0.109%であり、偽陽性がほぼ出ないことはこのデータからも明らかであろう。

また、このデータからは検査拡大による陽性者の水増しが容易でないこともわかる。 何故なら、検査を拡大して陽性者を増やすのであれば、必要な検査数は膨大な数となるからだ。

陽性者増加数 必要最低検査増加数
10091,736
1,000917,358
10,0009,173,585

日本において1日の新規陽性者数の最大値は5千人を超えているので、1日に450万人以上の検査をしなければ、検査の拡大で感染者数を水増しすることはできない。

検査機関の実態調査 

この調査は、厚生労働省の委託を受けた東海大学のグループが学会などで作る団体と連携して行ったもので、新型コロナウイルスの行政検査などを行う全国の563の検査機関が参加しました。

調査では、それぞれの検査機関ごとに濃度などを変えた6種類のサンプルを送り、PCR検査などの結果を調べたところ、96.4%から99.8%が正しい検査結果だったということです。

一方で、17の検査機関の合わせて18のサンプルで偽陽性や偽陰性が出たということです。

また、精度管理の体制を調べたところ、282の検査機関で国が作成を求めている「標準手順書」を装置のマニュアルで代用していたほか、114の検査機関では、国の承認がない試薬を使用する際に必要な、感度などを確認する手順が十分に行われていなかったということです。

新型コロナ検査機関調査“精度自体は良好 精度管理ぜい弱” - NHK

「全国の563の検査機関」に「6種類のサンプルを送り」「18のサンプルで偽陽性や偽陰性が出た」ということは誤判定率は0.53%である。 偽陽性率はこれよりも低い。 検査機関のうちの40.43%が「国の承認がない試薬を使用する際に必要な、感度などを確認する手順が十分に行われていなかった」にも関わらず偽陽性率が0.53%以下であるならば、「国の承認がない試薬を使用する際に必要な、感度などを確認する手順が十分に行われ」た場合の偽陽性率はもっと低くなることが期待できる。

偽陽性率を推定できる大量検査データ 

日本プロ野球における検査の結果は次の通り。

実施時期 総数 陰性 陽性 陽性率
2020年6月2186218600.00%
2020年7月2174217400.00%
2020年8月2172217200.00%

PCR検査について - 日本野球機構 PCR検査について(2020年7月分) - 日本野球機構 PCR検査について(2020年8月分) - 日本野球機構

Jリーグにおけるおける検査の結果は次の通り。

回目 検体採取 総数 陰性 その他 その他のうち陽性 その他率
第1回6月18日~21日3,0703,070000.00%
第2回7月2日~5日31823175700.22%
第3回7月10日~12日、16日~19日32993299000.00%
第3回-27月25 日〜26日112112000.00%
第4回7月29日~8月2日3,2033,200330.09%
第4回-②8月8日~10日116116000.00%
第5回8月13日~17日3,1963,195100.03%
臨時8月17日123123000.00%
第5回-②8月17日~23日115115000.00%
臨時8月24日177176100.56%
第6回8月27日~30日3,2403,238200.06%
第6回-②9月5日~6日108108000.00%
第7回9月10日~13日3,2453,245000.00%
第7回-②9月18日~20日116116000.00%
第8回9月25日~27日3,2373,237000.00%
第8回-②10月2日~4日116116000.00%
第9回10月8日~11日3,2423,242000.00%
第9回-②10月17日~18日116116000.00%
第10回10月24日~25日3,2423,242000.00%
第10回-②10月28日~11月2日119119000.00%
第11回11月5日8988111.12%
第11回-②11月5日~8日3,2643,261330.09%
臨時11月10日115113211.74%
第11回-③11月13日~16日116116000.00%
臨時11月16日114112201.75%
臨時11月17日~18日185185000.00%
第12回11月19日122122000.00%
第12回-②11月19日~22日31733172100.03%
臨時11月22日22000.00%
第12回-③11月28日~29日104104000.00%
第13回12月3日~6日3,1763,173330.09%
臨時12月10日6060000.00%
第13回-②12月11日~16日111111000.00%
臨時12月15日6262000.00%
臨時12月14日5151000.00%
臨時12月17日5151000.00%
臨時12月17日5050000.00%
第14回12月17日~23日424424000.00%
臨時12月18日6464000.00%
44,70744,68126110.06%

新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果について 第1回公式検査結果(最終報告) 検体採取:6月18日~21日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第2回公式検査結果(最終報告)検体採取:7月2日~7月5日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第3回公式検査結果(最終報告)検体採取:7月10日~12日、16日~19日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第3回-2公式検査結果 検体採取:7月25日〜26日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第4回公式検査結果 検体採取:7月29日~8月2日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第4回-②公式検査結果 検体採取:8月8日~10日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第5回公式検査結果 検体採取:8月13日~17日 臨時検査結果(サガン鳥栖) 検体採取:8月17日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第5回-②公式検査結果 検体採取:8月17日~23日 臨時検査結果(サガン鳥栖)検体採取:8月24日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について第6回公式検査結果 検体採取:8月27日~30日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第6回-②公式検査結果 検体採取:9月5日~6日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第7回公式検査結果 検体採取:9月10日~13日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第7回-②公式検査結果 検体採取:9月18日~20日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第8回公式検査結果 検体採取:9月25日~27日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第8回-②公式検査結果 検体採取:10月2日~4日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第9回公式検査結果 検体採取:10月8日~11日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第9回-②公式検査結果 検体採取:10月17日~18日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第10回公式検査結果 検体採取:10月24日~25日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第10回-②公式検査結果 検体採取:10月28日~11月2日、第11回公式検査結果 検体採取:11月5日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに 医師による診断結果について 第11回-②公式検査結果 検体採取:11月5日~8日 臨時検査結果(柏レイソル)検体採取:11月10日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第11回-③公式検査 検体採取:11月13日~16日 臨時検査(柏) 検体採取:11月16日 臨時検査(FC東京、横浜FM、神戸)検体採取:11月17日~18日 第12回公式検査 検体採取:11月19日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに 医師による診断結果について 第12回-②公式検査 検体採取:11月19日~22日 臨時検査(柏レイソル)検体採取:11月22日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第12回-③公式検査 検体採取:11月28日~29日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに 医師による診断結果について 第13回公式検査 検体採取:12月3日~6日 臨時検査(FC東京) 検体採取:12月10日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに医師による診断結果について 第13回-②公式検査 検体採取:12月11日~16日 臨時検査(FC東京-②)検体採取:12月15日 臨時検査(横浜FM-①)検体採取:12月14日 臨時検査(横浜FM-②)検体採取:12月17日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに 医師による診断結果について 臨時検査(ヴィッセル神戸-①) 検体採取:12月17日 - J.LEAGUE 新型コロナウイルス感染症に関するJリーグ公式検査結果 並びに 医師による診断結果について 第14回公式検査 検体採取:12月17日~23日 臨時検査(FC東京-③) 検体採取:12月18日 - J.LEAGUE

誤差を除けば、常に、陽性率≧偽陽性率となるはずである。 よって、これらの検査の偽陽性は0.06%以下であると推定できる。 1日10万件の検査をして60件あるかないか程度に過ぎない。 この程度では検査を増やしても陽性者をほとんど水増しできない。

偽陰性リスク 

以下のとおり、現状でも偽陰性者からのクラスターが多数発生している。

基準を緩めれば、当然、こうした偽陰性者が増えることは言うまでもない。

「陽性者が増えたのは検査を増やしたから」「陽性者が減ったのは検査を減らしたから」の嘘 

新型コロナが疑われる症状がある人や濃厚接触者等は事前確率(推定罹患率)の高い集団である。 一方で、いずれにも該当しない人はそれよりも事前確率(推定罹患率)が低い。 前者は優先的に検査を行なうべき対象であり、いくら検査を抑制しようとも検査対象から外すべきではない。 よって、任意に検査数を増減する余地があるとすれば後者の集団になる。 だから、任意に検査数を増減すれば次のようになる。

  • 検査数を増やせば、事前確率(推定罹患率)が低い集団の比率が増えるから、全体の事前確率(推定罹患率)は下がる
  • 検査数を減らせば、事前確率(推定罹患率)が高い集団の比率が増えるから、全体の事前確率(推定罹患率)は上がる

結果として、検査数を増やせば陽性率は下がり、検査数を減らせば陽性率は上がる。 つまり、検査数と陽性率は逆相関する。

一方で、感染状況に応じて次のようになる。

  • 感染が拡大すれば、事前確率(推定罹患率)が高い集団の比率が増えるから、全体の事前確率(推定罹患率)は上がる
  • 感染が縮小すれば、事前確率(推定罹患率)が低い集団の比率が増えるから、全体の事前確率(推定罹患率)は下がる

結果として、感染拡大で検査数も陽性率も増加し、感染縮小で検査数も陽性率は減少する。 つまり、検査数と陽性率は正相関する。

以上のことから、検査数と陽性率の相関の向きによって、陽性者数の増加の原因が判断できる。 日本では、検査人数と陽性率は非常に良い正の相関があり、検査数が増えるほど陽性率は上がっている。

日本の感染推移

オープンデータ - 厚生労働省

これは、陽性者数の増加の主原因が検査の増加であると考えると、理論的に全く逆の変化であるため、全く説明がつかない。 逆に、感染者が増えて事前確率(推定罹患率)の高い集団の比率が高くなった結果と考えると、何の矛盾もなく説明できる。 よって、これまでの日本の陽性者数増の原因が感染者増であることは疑う余地がない。

総合案内

科学一般

疑似科学等

医学

地震

電子工学

相対性理論

量子力学

基本

標準理論

解釈等

実験・思考実験

外部リンク