「2度目の緊急事態宣言の効果はなかった」の嘘

はじめに 

以下も参考に。

トリック事例 

図-6は、上述の当初地域全体と追加地域全体、および宣言外地域の実効再生産数を比較したものです。

東京都の実効再生産数のVAR回帰 図-6 緊急事態宣言の当初地域・追加地域・宣言外地域における実効再生産数

この図から言えることは、当初地域全体と追加地域全体、および宣言外地域の実効再生産数の変動はほぼ一致し、1月8日から1月15日に急激に自然減し、その後は一定の勾配で緩やかに単調減少しているということです。 つまり、緊急事態宣言の効果はほぼ認められず、すべては別の要因による自然減であると考えるのが合理的です。

緊急事態宣言の効果の検証/残念な結果 - マスメディア報道のメソドロジー 緊急事態宣言の効果の検証/残念な結果 - アゴラ

感染日ベースではなく陽性日ベースで実効再生産数を示している所は敢えて突っ込まない。

間違った「8割おじさん」批判に記載しているとおりCOVID-19 Community Mobility Reportsと実効再生産数の相関を取れば明らかだが、「1月8日から1月15日に急激に自然減」したのではなく、冬季休暇効果により接触削減が達成されたにすぎない。

中長期的相関(日本)

COVID-19:コミュニティ モビリティ レポート - Google オープンデータ - 厚生労働省

第1波(3〜5月) 夏季(7〜9月) 年末年始(12〜1月) 全体
職場0.7740.6800.2910.613
乗換駅0.8570.5030.8410.573
住宅-0.807-0.411-0.474-0.539
小売、娯楽0.876-0.3750.9670.519
公園0.509-0.7410.8050.219
食料品店、薬局0.687-0.4940.9900.533
平均気温(東京)-0.359-0.6130.5940.029
平均湿度(東京)-0.3360.7290.1600.127

そして、緊急事態宣言の効果が期待される時期以降の方が冬季休暇効果の時期よりも実効再生産数が下がっているため、緊急事態宣言の効果は冬季休暇効果を上回っていると言える。

言うまでもなく、「別の要因による自然減」なる得体の知れない代物の方が合理的なわけがない。

以上、当初地域全体と追加地域全体および宣言外地域の実効再生産数の変動がほぼ一致することから、緊急事態宣言の顕著な効果は認められず、緊急事態宣言後のピークアウトは、別の要因による実効再生産数の急激な減少に支配されているものと考えられます。

緊急事態宣言の効果の検証/残念な結果 - マスメディア報道のメソドロジー 緊急事態宣言の効果の検証/残念な結果 - アゴラ

確かに、「当初地域」「追加地域」「宣言外地域」が緊急事態宣言よりも前に隔離されていれば、これらの地域の実効再生産数の相関は宣言効果では説明がつかない。 しかし、これらの地域間が事前に隔離されていなければ、当然、「当初地域」が他の地域に影響を及ぼすし、「追加地域」も「宣言外地域」に影響を及ぼす。 「当初地域」で感染が減少すれば、「当初地域」から他の地域に移動する人の感染割合が減るから、当然、他の地域の感染を減少させる効果が発生する。 また、「当初地域」から他の地域に移動する人が減れば、「当初地域」から他の地域に人に感染させる機会が減るから、当然、他の地域の感染を減少させる効果が発生する。 以上は、「追加地域」についても同じである。 とくに、東京等の大都市が他の地域に与える影響は無視できない程度には大きい。

グラフを見ると、「当初地域」の宣言の影響が想定される時期は「当初地域全体」が最も大きく実効再生産数を下げている。 そして、「追加地域」の宣言の影響が想定される時期は「追加地域全体」が最も大きく実効再生産数を下げている。 これらの差は微妙であるので宣言の効果の証拠とはならないが、宣言の効果と矛盾することもない。 つまり、緊急事態宣言の効果があったとしても、データ上は何の矛盾もないのである。

言うまでもなく、「別の要因による自然減」なる得体の知れない代物で「急激な減少」を説明する方が圧倒的に無理がある。

さて、感染の拡大・縮小の主要因は何かと言えば、私は日本列島に不可避な影響を与える気象であると考えています。 日本全国の幅広い老若男女が共通して受ける特徴的なマクロ要因は気象以外に考えられないからです。 実際に気象の時空間変動で実効再生産数の時空間変動を定常的に再現できることは[前回記事]で示した通りです。

緊急事態宣言の効果の検証/残念な結果 - マスメディア報道のメソドロジー 緊急事態宣言の効果の検証/残念な結果 - アゴラ

「実際に気象の時空間変動で実効再生産数の時空間変動を定常的に再現でき」ないことは、「新型コロナ感染増減の主原因は気象」の嘘で示した通りである。 間違った「8割おじさん」批判に記載しているとおりCOVID-19 Community Mobility Reportsと実効再生産数の相関を取れば明らかである。

中長期的相関(日本)

COVID-19:コミュニティ モビリティ レポート - Google オープンデータ - 厚生労働省

第1波(3〜5月) 夏季(7〜9月) 年末年始(12〜1月) 全体
職場0.7740.6800.2910.613
乗換駅0.8570.5030.8410.573
住宅-0.807-0.411-0.474-0.539
小売、娯楽0.876-0.3750.9670.519
公園0.509-0.7410.8050.219
食料品店、薬局0.687-0.4940.9900.533
平均気温(東京)-0.359-0.6130.5940.029
平均湿度(東京)-0.3360.7290.1600.127

2020年3月15日〜2021年1月31日までの中長期的傾向の重回帰分析を行い、重回帰モデルを計算すると次のとおり。

概算実効再生産数(重回帰モデル比較)

COVID-19:コミュニティ モビリティ レポート - Google オープンデータ - 厚生労働省 過去の気象データ検索 - 気象庁

第1波(3〜5月) 夏季(7〜9月) 年末年始(12〜1月) 全体
重回帰(人流+気象)0.9680.7890.8930.893
重回帰(人流のみ)0.9170.8400.9220.846
重回帰(気象のみ)-0.2470.7520.0240.199

以上から、「感染の拡大・縮小の主要因」は「国民の気の緩み」や「政府の失政」も含めた接触削減率の変動である可能性が高い。


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