K値によるコロナ予測のトリック

はじめに 

本ページはK値は疑似科学の一部である。 以下も参考に。

タネを簡潔に解説 

K値のよる予想のトリックの仕掛けを、例え話で分かりやすく解説する。

例え話 

雨はいつか止むという観察結果に基づいて、降水量が最終的に収束する、とある曲線に従うとする仮説を立てる。 過去のデータには、その曲線に一致しないデータもあるが、その場合は複数の曲線の合成で近似し、それさえ不可能なデータは無視する。 その仮説に基づいて、直近の降水量の推移から、そのデータが曲線のどの部分に該当するかを割り出して、将来の降水量を予測する。 予測が外れた時は「降水量の観測基準を変更したからだ」「低気圧がやってきたからだ」等と言い訳する。 前者はともかく、後者は完全にアウトだろ? 何故なら、次のような降水量を左右する要因とその影響を全く考慮していなかった、即ち、予測に必要な計算を全くしていなかったと認めてしまっているのだから。

  • 移動性の温帯低気圧がやって来る
  • 台風がやって来る
  • 寒気団と暖気団の挟み撃ちに合う(梅雨などの原因)*
  • 地面が急激に加熱されて突発的な上昇気流が発生する(いわゆる夕立ち)等

理論においても、予測結果の評価においても、仮定に合わない現象を例外として除外して良ければ、どんな仮定でも100%予測が的中したことに出来る。 しかし、100%的中したことにしただけで、実際には100%的中していない。 予測が当たるケースがある理由は、何回も試行すればその中で偶然予測通りの結果が出ることもあるからに過ぎない。 予測を外すケースがある理由は、不測の事態が起きたからではなく、結果と因果関係のある原因を全く考慮していないからである。 結果を推測するための手順がゴッソリ抜け落ちているのでは、特定の結果に一点張りしているだけであって、科学的予測とは到底言い難い。 そして、運良く当たった場合だけを選び取って的中したことにするのでは、何の実用的価値もない。

本当に実用的価値のある予測をしたいなら、晴れた日も雨が降った日もあることを認め、何が結果を分けたのかを解明し、そこから妥当な手法で結果を推測する必要がある。 降水量を左右する要因とその影響を考慮しない、「長く雨が降っていたからそろそろ止むだろう」的な想像が、科学的な予想であるわけがない。

これは、次のツイートをパクって例え話を改変したものである。

「ー直近1週間の降水量を、今年の総降水量で割った値、これをA値と定義します

「A値」

ーこのA値は、なぜか直線的に減少していくことが知られています

「減少」

ーこのA値モデルで、降水量のピーク、また、いつ雨が止むかを予測することが出来るのです

気象庁「な、なんだってー😂??」

2020年7月19日午前2:40(tomo_hiko) - Twitter

ついでに

L値「#K値 がやられたようだな」

2020年7月15日午後5:47(tomo_hiko) - Twitter


M値「だが奴は四天王の中でも最弱」

2020年7月21日午後10:36(節操のないツイート1号) - Twitter

K値の場合 

感染はいつか収束するという観察結果に基づいて、感染が最終的に収束するゴンペルツ曲線に従うとする仮説を立てる。 過去のデータには、ゴンペルツ曲線に一致しないデータもあるが、その場合は複数のゴンペルツ曲線の合成で近似し、それさえ不可能なデータは無視する。 その仮説に基づいて、直近の感染者数の推移から、そのデータがゴンペルツ曲線のどの部分に該当するかを割り出して、将来の感染者数を予測する。 予測が外れた時は「検査基準を変更したからだ」「新しい波がやってきたからだ」と言い訳する。 前者はともかく、後者は完全にアウトだろ? 何故なら、感染者数を左右する要因とその影響を全く考慮していなかった、即ち、予測に必要な計算を全くしていなかったと認めてしまっているのだから。

やはり、仮定に合わない現象を例外として除外して良ければ、どんな仮定でも100%予測が的中したことに出来る。 しかし、100%的中したことにしただけで、実際には100%的中していない。 予測が当たるケースがある理由は、何回も試行すればその中で偶然予測通りの結果が出ることもあるからに過ぎない。 予測を外すケースがある理由は、不測の事態が起きたからではなく、結果と因果関係のある原因を全く考慮していないからである。 結果を推測するための手順がゴッソリ抜け落ちているのでは、特定の結果に一点張りしているだけであって、科学的予測とは到底言い難い。 そして、運良く当たった場合だけを選び取って的中したことにするのでは、何の実用的価値もない。

本当に実用的価値のある予測をしたいなら、収束する時期も拡大する時期もあることを認め、何が結果を分けたのかを解明し、そこから妥当な手法で結果を推測する必要がある。 感染者数を左右する要因とその影響を考慮しない、「長く感染が拡大してきたからそろそろ収束するだろう」的な想像が、科学的な予想であるわけがない。

「8割おじさん」との比較 

西浦博氏は、確立した疫学的理論をベースに、接触削減率と患者の増加ペース(実効再生産数)の関係を式に表し、そこから接触削減率別の感染者数の推移を求めた。 接触削減率が小さいと感染が拡大し、接触削減率が大きいの感染が収束する。 まさに、この接触削減率こそが、結果と因果関係のある原因である。 感染が拡大するという仮定も置いてなければ、感染が収束するという仮定も置いていない。 ただ、接触削減率というパラメータが感染の推移を左右することを確立した疫学的理論から求めただけである。 勿論、西浦博氏の計算が100%正しい保証はない。 だが、K値などとは比べるのも失礼なほど、西浦博氏の計算の方が遥かに科学的にまともな計算である。 詳細は、間違った「8割おじさん」批判を参照のこと。

予測手法の問題点 

現実を無視した仮定を置いている 

K値による予測理論は、新規感染者がゴンペルツ曲線に従って収束することを意味している。 しかし、理論的には、ゴンペルツ曲線に従うケースは、対策が時間と共に強化される場合に限る。 それなのに、K値による予測理論は、曲線の形を変化させる要因については全く考慮しない。

また、実測的にもゴンペルツ曲線に従わない例が多い。 しかし、K値による予測理論では、それらは全て例外として除外し、ゴンペルツ曲線に従って収束するという仮定を置く。 初期値のリセット等を行って理論に合うようにデータを加工し、それでも理論に合わないデータは例外として除外する。

以上の通り、K値による予測理論は、都合の悪い理論的要因や実測データを排除した、現実ガン無視の空想理論である。

固定パラメータの使用 

実験における科学であれば、固定パラメータでの現象も存在する。 しかし、それは実験装置内で実験結果に影響を与え得るパラメータが変化しない実験環境を整えているからである。 一方では、社会における科学では、結果に影響を与え得るパラメータが変化しない実験環境を整えることは不可能である。 ただし、パラメータの変化がランダムである場合は、ブラックボックス的なモデル構築でシミュレーションできる場合はある。 だが、パラメータの変化が作為的となる場合は、そうしたことも不可能となる。 感染症の流行については、そうした作為的なパラメータが結果に大きな影響を与えるため、固定パラメータの数式に従う前提では現実と全く一致しない。 K値による予測は、時々刻々変化し得る作為的なパラメータを全く考慮せず、固定パラメータの数式に従う前提となっているので、将来予測などできるわけがない。

まとめよう。 確かに、K値は過去のデータを分析している。 その分析手法が適切かどうかはさておき、その分析結果には将来を予測するための情報が何も含まれていないのである。 将来を予測するための情報が何も含まれていない分析結果から将来予測を引き出すことは原理的に不可能である。

K値は性質上、トレンドの後追いしかできません。 上昇傾向が下降に転じるという予測はできません。

2020年7月17日午後10:34(クリエネ(政府の放置政策で感染爆発へ)) - Twitter


なにかピークアウトが予測される事柄があり、それがK値に表れているというのならまだしも、K値を見ればピークアウトがわかるというのはまったく論理的ではありません。 K値にそんな要素はありません。 あたかも学術的な根拠があるように装うから「査読通っていない」という批判が来るのです。

2020年7月18日午後1:00(クリエネ(政府の放置政策で感染爆発へ)) - Twitter

K値には「ピークアウトが予測される事柄」が全く含まれていないのである。 TwitterではK値の手口とよく似た事例が指摘されている。

システムトレードでもあります。

とにかく過去1年とかの相場にカーブフィットさせまくって、 「1年で回収率1500%!!」 みたいな商材。

2020年7月16日午後10:12(ゴルゴ田の〜か) - Twitter

K値がやっていることは、過去の相場のデータから将来の相場変動を予測するようなものである。 もちろん、そんなやり方で「1年で回収率1500%!!」が本当に実現できた試しはない。 仮に、そのやり方で「1年で回収率1500%!!」が実現できると仮定すると、誰もが飛びついた結果、得する人ばかりで損する人がいないという矛盾が生じる。 結局、そのやり方の予測精度は占いと大差ない。 だから、頻繁に予測が外れ、その都度、リーマンショックのせいだとか何とか理由をつけて言い訳するのである。 これと同様のK値が如何に胡散臭いものかよく考えよう。 K値を鵜呑みにする人は相場取引には手を出さない方が身のためである。

誤差の大きいデータからの推測 

K値による予測を使うべきでない理由 - 勝川俊雄公式サイトにて解説されているように、百歩譲って、K値による予測理論が正しかったとしても、誤差の評価によって、曲線の大きさが縦方向にも横方向にも全く違うものになる。 新規感染者のデータは1週間の平均をとってもかなり大きいため、そこから実際の曲線のパラメータを推測しようとしても、極めて精度が悪い。 それによる再現性のなさは科学理論としては致命的である。 科学では、同一のデータ、かつ、同一の仮定、かつ、同一の理論を採用すれば、誰がやってもほぼ同じ結果が導かれなければならない。 勝川俊雄氏は2つのゴンペルツ曲線のみを描いているが、実際には、実測値に合うように見える無数のゴンペルツ曲線が描けてしまう。 K値による予測理論では、そのうちのどの曲線を選ぶかの定量的基準が示されていない。 結果、予測者次第で全く違う結果が導けてしまう。 提唱者は、そうした再現性のなさを逆手にとって、予測が外れるたびに選ぶ曲線を変更している。


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