Xi(クロッシィ)
まとめ
一言で言うと帯に短し襷に長しである。
- 帯に使うならUQ WiMAXがお勧め
- 襷に使うならIIJmio高速モバイル/Dサービスがお勧め
ターゲット
なお、基本通信量は5Gバイトまで/以降2Gバイトごとに2625円加算とするデータ量制限は、一部データ通信量が多大なユーザーと一般ユーザーの利用格差を解消するための施策として行うもの(ただし、2012年4月30日までのキャンペーン期間中は制限なし)。
当面は4935円+525円/月:ドコモのLTEサービス「Xi」、WiMAXやDC-HSDPAと比べてお得?(2/2) - ITmedia
ただし、従来のようにどんなに通信しても月額6510円が上限というわけではなく、データ量が5Gバイトを超えた場合は「利用の公平性の観点から」(山田社長)2Gバイトごとに2625円が加算される従量課金とした。
山田社長によれば、Xiサービスでの使用量による帯域制限はFOMAサービスと同様で、直近の3日間のパケット通信料が300万パケット(384MB)を超えた場合、その3日目に高トラフィックの状態であれば通信速度が抑えられる、という。 利用しているアプリケーションでの制限は行わない。
IIJmio高速モバイル/Dサービスのように明確にライトユーザを対象とする代わりに価格を下げるのであれば、それも選択の一つなのだろう。 しかし、DoCoMoのLTEサービスの次の戦略は中途半端である。
- 高速を売りにし、かつ、数GBを上限としながらヘビーユーザを締め出す
- ヘビーユーザを締め出しておきながら月額は6000円弱
これではどのようなユーザをターゲットにしているのか、全く戦略が見えてこない。
転送量
現時点ではFOMA契約者の99.6%が5Gバイト以内で収まっており、多くのユーザーは影響がない──ということで設定された値とのことだ。 「ただ、圧倒的に高速・大容量・低遅延が特徴のXiだけに、その割合はユーザーが増えるにつれて減ってくる(5Gバイト以上通信する一般ユーザーは増える)とも思う。 今後のニーズやユーザーの利用状況に応じて考慮していきたい」(NTTドコモの山田社長)。
当面は4935円+525円/月:ドコモのLTEサービス「Xi」、WiMAXやDC-HSDPAと比べてお得?(2/2) - ITmedia
山田社長は「FOMAのユーザーの99%は5Gバイト以内の利用。 そのため大半のユーザーは5Gバイト超の従量課金の影響は受けない」と強調した。
現行のサービスを基準にした転送量で「大半のユーザーは5Gバイト超の従量課金の影響は受けない」としたり、現行のサービスと同様の帯域制限をかけるなんて、DoCoMoの社長は高速サービスの意義を全く理解していないのだろう。
例えば今、iTunesで映画を配信しているが、1時間36分の「座頭市物語」がHD画質で2.97GB、標準画質で1001MBある。
2時間21分の「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」ならHD画質で4.53GB、標準画質で1.96GBある。
つまり、映画を2、3本ダウンロードしただけで、「パケ死」してしまうのだ。
まるで、パケット定額制がまだ普及しておらず、子供が携帯で音楽をダウンロードして、何万、何十万円の請求が来たというトラブルが頻発した数年前に逆戻りである。
一応、Xiには5GBまでで利用を止める「通信ストップサービス」というオプションがあるが、「踊る大捜査線」を一本取ったら、その月はほぼネットができなくなり、6,510円も取られるのでは、使い物にならない。
モバイルで映画なんてダウンロードするなという保守的な意見もあるかもしれないが、そもそも高速な通信は、動画のような大容量コンテンツを楽しむためではないだろうか?
(逆に、動画以外のWeb閲覧やメール程度なら、FOMAの速度で十分である。)
モバイルブロードバンドとして、想定される用途の「ニコニコ生放送」や「USTREAM」のライブ配信にも、これでは使えないだろう。
また、XiのWebサイトには「動画(平均512Kbpsを想定)…約1,370分」と書いてあるが、既にYouTubeのHD動画は2Mbpsも出てきているので、その場合は4分の1の約342分となり、一日1時間視聴したら5日弱で終了だ。
私の場合、iTunesで購読しているPodcast「ABC World News with Diane Sawyer」が平日毎日配信があり、20分前後の番組で約200MB弱あるので、その分だけでも一ヶ月で約5GBだ。
実際には、Webサイト閲覧やメール送受信、VoIPなど他にも通信を行うわけだから、いかに「5GB」では少なすぎるか分かるだろう。
一体、ドコモは誰のために、何のためにXiを提供しているのか、全く分からない。
将来的に、10MHz幅、15MHz幅になるとしても、今のままでは単純計算で、5GBが10GB、15GBになるに過ぎない。
基地局も増えるが、ユーザーも増えるし、動画の画質も年々上がる(さらに3D動画なら右目用と左目用で倍になる)。
現行と同じ使い方をするなら高速サービスは必要ない。 違う使い方をするなら、当然、大半のユーザーにとっての転送量も大きく変わって来る。 そして、その変化量は、速度比から容易に予想できるのだから、それを元にしてネットワーク帯域の設計をすべきであろう。 そもそも、「利用の公平性の観点」では、ヘビーユーザーを従量課金や帯域制限で締め出す必要は全くない。 そして、そのヘビーユーザーを締め出す施策によって一般ユーザーまで青天井の恐怖に巻き込むのは全く本末転倒である。
定額制度の最大の目的は、一般ユーザーに「万が一、使いすぎても上限があるから安心」と安心感を与えることである。 料金が過大になっていないか心配のあまり、通信量を頻繁にかつ事細かにチェックしながら怖々と遠慮して使うような本末転倒な行為からユーザーを開放することが、定額制度の最大の目的である。 もちろん、その「安心」しながら使う平均通信量は、ヘビーユーザーの通信量よりも遥かに少ない量である。 想定された平均通信量より遥かに多い通信を行なうヘビーユーザーを締め出さんとして、一般ユーザーから安心感を奪うことは本末転倒であろう。
また、時代とともに求められるサービスも変わり、「安心」しながら使う平均通信量も変化する。 キャリアは、そうした時代の変化に追従した通信サービスを提供することが求められる。 そして、現行で使える資源は最大限に活用すべきである。 もちろん、無限大の通信サービスを提供する必要はないが、使える資源の提供を拒む理由もない。 だとすれば、一般ユーザーが回線を使わない時まで、帯域制限をする必要はないのである。 一般ユーザーが使う時はヘビーユーザーの通信を制限する必要があるが、一般ユーザーが使わない時はヘビーユーザーに好きなだけ使わせれば良い。 「利用の公平性の観点」で本当に必要なことは、一般ユーザーの通信を優先する仕組みである。 過剰な帯域制限によって、無駄に資源を遊ばせることは、本末転倒であろう。
社長が馬鹿だから、こんなことを言われるのだ。
一方、都市圏においてモバイルWiMAX単体で速度もエリアも十分と考えるユーザーの中には、2年縛りが発生せず、そもそも通信規制やポート制限などもないモバイルWiMAXから乗り換えるメリットは見つけにくい──という声も聞こえる。
当面は4935円+525円/月:ドコモのLTEサービス「Xi」、WiMAXやDC-HSDPAと比べてお得?(1/2) - ITmedia
ハッキリ言って、DoCoMoは、エリアしか取り柄のないのだ。 しかし、高速データ通信においては、そのエリアでWiMAXに先行されているのだ。 それならば、エリア以外でWiMAXに勝てる施策が必要と考えるのが普通である。 後発サービスで、エリアでもサービス内容でも先発サービスに負けているようでは先がない。
その後
今回山田社長が表明したのは、1カ月間に総データ量が5Gバイトを超えた場合、帯域制限をすることで公平性を担保しつつ、追加料金を不要とする可能性だ。 月の後半に5Gバイトを超えた場合、数日我慢すれば翌月からはまた通常の通信速度で利用可能になる。 また、追加料金を払うことで帯域制限を解除するような方法も検討しているという。
このほか、データ量の上限を5Gバイトからさらに引き上げる可能性も示唆した。
「帯域制限をすることで公平性を担保」だとか「追加料金を払うことで帯域制限を解除する」だとか言ってる当たり、社長は、まだ全然、高速サービスの意義を全く理解していない。 それでも価格上限性を採用するなら、少しはマシになったと言えるだろう。 「データ量の上限を5Gバイトからさらに引き上げる可能性」は具体性がないので評価に値しない(2012年3月3日現在は7GBになっている)。
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