[科学基礎]
2005年末のTVタックル
特集を見て笑ってしまった。コメンテーターは真っ当な人からトンデモさんまで色々とりそろえ、様々なトンデモ・ネタを披露して喧々諤々やるという趣旨である。このページはこの番組を見て作ろうと思い立った。
ノストラダムスの大預言が、恐怖の大王=アスベスト、アンゴルモアの大王=朝青龍、火星による統治=自衛隊のイラク残留って所で大爆笑。ノストラダムスは日本通だったのね。
一番マシに見えた[1]のはジャーナリストのグラハム・ハンコック。しかし、彼も、ピラミッドが超古代文明の産物だとする自説の根拠は何か、従来の炭素14の年代測定に変わるような根拠があるのかと吉村作治教授に聞かれたらと全く答えられなかった。古代のオリオン座の形と一致するとか訳の分からん話[2]ばかり。
すると、何と、トンデモさん側のコメンテーターが炭素14の年代測定にケチをつけたのである。何でも、炭素14の年代測定に異論を唱えている科学者が居るのだそうだ。しかし、そんなやつが居るなら名前を挙げろと大槻義彦教授に指摘されたら答えられない。確かに、炭素14の年代測定の精度に限界があることや適さないケースがあることを指摘している人はいるだろうけど、それをあたかも否定意見のように歪曲してしまうのは感心しない。
それにしても、この手のトンデモ話は、ど素人ばかりが持ち出す。自分の間違いだとは考えもせず、専門家が間違えていると自信満々に言う。常識で考えれば、専門知識のない方が正しい判断をするとは考えられない。彼らには自己反省力がないようだ。と考えながら見ていたら、トンデモさん側のコメンテーターにあの矢追純一氏で有名なイオンド大学の肩書きが見えた。さて、このイオンド大学とは?
イオンド大学
「本学は日本の文部科学省所管の大学ではありません」と冒頭に堂々と書いておきながら、米国でも非認定大学であることは併記しない。教育理念のところにも「本学は米国ハワイ州に籍を置くUniversityであり、日本の文部科学省による大学ではありません」と書いてあるが、やはり、米国で非認定大学であることは併記していない。「日本と欧米の大学は正反対」なんて記事を載せているところは、あたかも「我が校は米国の大学だから日本とは違うんだよ」と言ってる様に聞こえるが、英語のページに「IOND UNIVERSITY IS NOT ACCREDITED BY AN ACCREDITING AGENCY RECOGNIZED BY THE UNITED STATES SECRETARY OF EDUCATION」(イオンド大学は米国政府公認認定団体の認定を受けていません)と書いてあるとおり、米国の認定大学でさえない。しかし、日本語の記述を見れば、たいていの人は、米国の認定大学であると誤解するだろう。
本校がハワイにあるのに「フィリッピン政府認定校」で「教授陣」はほとんど日本人で公式サイトも日本語という不思議。日本人が主な対象なら日本に作ればいいじゃん。何のために米国に作るのか。海外に作っても、日本人向けなら日本の認定状況にだけ触れれば法的には問題がない。所在国の認定状況については黙っておけば分からないから、単に所在国の都合だけで日本からの認定がないように思わせるには都合が良い。まじめな認定大学を作る気などサラサラなくても、いい加減な大学もどきでも、認定された大学と同等であるかのように見せかけることが可能となる。つまり、日本人を標的にしたディプロマミル(証書工場)には非常に都合が良いってこと。それ以外に、どんなメリットがあるのだろう。
「国際的なオールタナティブな高等教育機関です」ってところが大爆笑。「オールタナティブ」ってalternative(代替)ってことかな?認定大学の代替って何?
参考
- 認定校制度 - Wikipedia
- ディプロマミル - Wikipedia
- イオンド大学 - Wikipedia
- パシフィック・ウエスタン大学 - Wikipedia
- ホノルル大学 - Wikipedia
- 怪しげな雑誌の著者等の「大学」一覧 - 健康本の世界
- オレゴン州による非認定大学リスト - 健康本の世界
- ミシガン州による非認可認定機関のリスト - 健康本の世界
最終更新時間:2006年02月24日 21時13分38秒
管理人の注目サイト