似非平和主義

絶対的平和主義 

現代において、平和主義を自称する人達は軍事的緊張関係すらない絶対的平和のみを唯一の価値とし、軍事的緊張関係も交戦状態も全て無価値として扱う。 ゲーム理論による戦争と平和に書いた通り、そのような極端な平和は武力放棄でしか実現できない。 それを実現するためには目的のために自分が死ぬことも厭わないことが必要になるので、夢物語と言うしかない。 しかし、そのような夢物語であっても、平和のために命を捧げるなら、真の絶対的平和主義者と言えよう。

しかし、彼らは「自分たちが死にたくないから戦争に反対する」と言う。 言うまでもなく、戦争をしている人たちは自殺志願者ではない。 死にたくないのは、戦争をしている人もしていない人も、誰もが同じである。 違いがあるとすれば、他人が死ぬことを是とするか非とするかの違いである。 他人を死なせないためには自分が死ぬことも厭わないのが真の絶対的平和主義者であろう。 死にたくないなんて言っている連中は、絶対的平和主義者足り得ない。

現実的平和主義 

ゲーム理論による戦争と平和に書いた通り、もしも、相手国が武装し、かつ、攻撃の意思があることが分かっている条件なら、自国も武装しない限り、相対的な平和すら実現できない。 そして、現実には、武装し、かつ、確実に攻撃の意思がある国が存在する。

日本のおいては、具体的な軍事的脅威として中国が挙げられる。 中国は、経済的価値に基づく関係を除けば日本に対して常に反発的態度を示し、日本の領土・領海を踏みにじる発言や軍事的な挑発行動が多い。 尖閣諸島近傍では中国海軍艦艇や中国軍用機が活発に活動しており、虎視眈々と尖閣諸島の支配権拡大を狙っていることがわかる。 南シナ海では西沙諸島や南沙諸島を中国がベトナムから武力占拠した経緯もある。

このような状況下で自衛隊を解体し、かつ、日米同盟を解消すれば、中国が即座に日本に侵攻してくる可能性が高いだろう。 だから、より平和に近い状態に持っていくためには、最低限として自衛のための戦力は必要となる。 しかし、自称平和主義者は、口を揃えて、何の根拠も示さずに中国が日本に侵攻することはないと言う。 「中国が侵攻してくる可能性があったとしても絶対的平和のためには武力放棄すべきだ」と主張するなら、まだ、非現実的な絶対的平和主義と捉えることはできる。 だが、絶対的平和主義に与しないくせに武力放棄を主張する輩は、武力放棄を正当化するために都合よく現実を捻じ曲げているに過ぎない。

おまけ 

自称平和主義者は、どんな相手でも話し合えば分かり合えることを前提に「話し合いではなく武力で解決を図るのはケシカラん」と言う。 しかし、彼らは、自分たちと違う考え方を持っている人たちの意見の相違を話し合いで埋めようとはしない。

それから5分ほどして、主催者である県平和運動センターの有田純也事務局長が現れた。 席には着かず、最後方のスペースで、立って取材をするなら許可する、と伝えられた。 写真撮影についても許可をもらい、ようやく会場に入ることができた。

会場内は年配層が多く、若い人は少ない印象だったが、望月記者の講演とあってか席はほぼ埋まりかけていた。 指定された後方のスペースに荷物を置き、一息ついてから記者はトイレに行った。手を拭きつつ会場の入り口に戻ったときだった。 事務局長の有田氏から言われたのだ。「やっぱり産経さんはお引き取りください」と。 開演まで、あと10分だった。

予想外の展開に、記者は内心慌てた。 「報道陣の取材は全てシャットアウトになったのか」と問うと、「他の社は大丈夫ですが、産経は駄目です」との返答。 「なぜ、弊社だけが?」と繰り返し問うと、「産経がいると、望月記者が話したいことを話しづらくなるからです」と、強い口調で返ってきた。

弊社の何が恐ろしいか、理解しかねたが、「圧迫感を感じるというなら記者腕章も外しますし、質問も控えます。講演だけでも聞かせてください」と交渉したが、シャットアウトされた。


関係者などによると、講演会で望月記者は「北朝鮮問題は、現政権(安倍晋三政権)が対話を怠ってきた結果」と指摘したという。 この主張は、同記者の話の内容としては、さして新しいものではないだろう。

個人的には、政権批判のためだけに、“平和”を「錦の御旗」に使うのは、いかがなものかと記者は思う。 ただ、今回の問題と主張の内容は関係ないし、水面下でのやり取りは不明だが、表面上は、望月記者自身に取材を拒否されたわけではない。

しかし、本紙に対し、主催者の新潟県平和運動センターが行った非常識な対応は、失望しか覚えない。 機会があれば、大学や新聞記者の後輩、また、産経新聞の記者としても、望月記者の講演に対する取材機会を得たいと思う。

「産経がいると話しづらい」「テロリストと同じ」記者はこうして東京新聞・望月記者の講演会取材を拒否された - 産経ニュース

「現政権が対話を怠ってきた結果」と主張するからには、その相手は対話の通じる相手でなければならない。 しかし、北朝鮮は過去に何度も約束を簡単に反故にしており、その都度、所謂、瀬戸際外交というやり方で都合の良い譲歩を引き出そうとする輩であり、対話が通じる相手ではない。 このような輩にも対話での解決を求めるのなら、どうして、彼らは意見の違う人たちと会話を試みずに取材を全てシャットアウトするのか。 次のツイートが正論だろう。

平和運動やっている連中の基本は「話せば分かる」じゃないのか? 言論で国内の反対派すら説得できないんだったら自分たちの主張の実現は不可能ですと言っているようなものだろう。

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