未来最恵国待遇
中立かつ客観原則
ここでは中立的な立場で事実関係を検証する。 賛成か反対かという結論は先に立てず、現実に起きた出来事、確実に起き得ること、一定程度の期待値を示す根拠のあることを中立かつ客観的に検証する。 可能性レベルの物事を論じるためにも、無視できない可能性があることを示す根拠を重視し、根拠のない当てずっぽうや思い込みや伝聞等の不確かな情報は、それが妄想に過ぎないことを示した上で門前払いとする。 賛成論でも間違いは間違いと指摘するし、それは反対論でも同じである。 ここでは賛成論にも反対論にも与しない。
TPP総論
長期的視野では話は別だが、短期的視野で見ればTPPに参加するかしないかは大きな問題ではない。 それよりも、TPPとは全く無関係な混合診療完全解禁がもたらす患者の治療機会喪失の危険性やイレッサ訴訟の行く末によるドラッグラグ・未承認薬問題の悪化の方が、遥かに大きな問題であろう。 だから、TPPよりも重要な争点において国民に不利益をもたらす政策を党員に強要する日本維新の会は落選運動の対象とせざるを得ない。 混合診療の完全解禁を公約とする日本維新の会およびみんなの党には一切の主導権を握らせてはならない。 そのためには、これらの党に対する落選運動が必要なだけでなく、与党とこれらの党との連携も絶対に阻止しなければならない。 具体的運動の詳細は自民党への抗議方法を見てもらいたい。
最恵国待遇
デマ情報では「未来最恵国待遇」と呼ばれることが多いが、「現在最恵国待遇」や「過去最恵国待遇」なるものがあるわけではなく、一般には最恵国待遇と呼ばれる。 NAFTA第1103条でも、米韓FTA第11.4章でも、Most-Favored-Nation Treatment(最恵国待遇)となっており、「未来」という語は使われていない。
歴史的には、日米和親条約や日米修好通商条約で片務的最恵国待遇が採用されていたこともあって、最恵国待遇に対して不平等条項のような印象を持つ人もいるようだ(日米修好通商条約においては、日本が輸出税を要求しなければ、双務的最恵国待遇となっていた)。 しかし、不平等性は、最恵国待遇にあるのではなく、片務的条項にあるのである。 そして、今日の自由貿易協定では、双務的最恵国待遇がWTOの基本原則となっている。
米韓FTAでは米国だけに認められる片務的条項であるかのようなデマが流布されているが、公的機関の情報では双務的条項であると明記されている。 その詳細はTPPと米韓FTAに記載した。 これはTPPにおいても同じである。
参考
- 環太平洋戦略的経済連携協定
- ISD条項詳細解説
- ISD仲裁事例
- ISD条項
- TPPは米国の陰謀?TPPお化け
- サルでもわかるTPP
- 新サルでもわかるTPP
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中立的TPP論
- 環太平洋戦略的経済連携協定