維新八策
全体評価
大阪維新の会が 維新八策(案) - 大阪維新の会 を発表した。 その内容は概ね次のように分類できる。
- 見た目は派手だが具体的メリット・デメリットが明確でないもの(例:道州制)
- 理想は立派だが具体的方策を伴わないもの(難問を先送りせず決定できる統治機構、省益のためでなく国民全体のために働く行政組織)
- 国民にとっての損得を左右する部分の詳細が示されてないもの(〜の抜本的見直し、〜の徹底見直し)
- 無知により根本的に誤った政策を提言しているもの(混合診療を完全解禁)
高く評価できる項目もないわけではないが、全体に占める比率としては少ない。
無条件に高く評価できるもの
維新が目指す国家像
大阪維新の会の理念は、個人の自由な選択と多様な価値観を認め合う社会を前提に、
・自立する個人
・自立する地域
・自立する国家
を実現することです。
そのためには、国民全員に開かれた機会の平等を出発点として自助、共助、公助の範囲と役割を明確にすること、公助から既得権を排し真の弱者支援に徹すること、そして現役世代を活性化し、世代間の協力関係を再構築することが必要です。
多様な価値観を認めれば認めるほど
・決定でき、責任を負う民主主義
・決定でき、責任を負う統治機構
を確立しなければなりません。
中央集権と複雑な規制で身動きが取れなくなった旧来の日本型国家運営モデルは、もはや機能せず、弊害の方が目立つようになっています。 今の日本を覆う閉塞感を克服し、国民の希望を取り戻すには、国からの上意下達ではなく、地域や個人の創意工夫によって社会全体を活性化し、グローバルな競争力を持つ経済を再構築する必要があります。 そのためには国民の総努力が必要です。
概要説明としては、飴と鞭としてバランスが取れた内容となっている。 国にオンブに抱っこではなく、国民の努力を促すことで発展に繋げるという考えは良い。 ただし、「真の弱者支援」をどう実現するのか、「国民の総努力」を国の発展にどう活かすのか、それらが具体策としてどう示されているかが重要である。 例えば、具体策で出てくる「混合診療を完全解禁」は生死の境を彷徨う患者の治療の道をコッソリと閉ざす弱者イジメに他ならない。
政治資金規正法の抜本改革(全ての領収書を公開)
「政治資金規正法の抜本改革」そのものは具体性に乏しいので全く評価に値しない。
評価に値することは「全ての領収書を公開」のみである。 原則公開としながら、非公開可能な部分を認めると、使途の付け替えが横行しかねない。 領収書を公開しなく良いなら、不自然なナントカ還元水などがあっても、その内訳をチェックできない。 内訳をチェック出来なければ、不正な使途の付け替えの証拠が出てこない。 それでは、使途の付け替えがし放題になる。 そうした不正を防止し、形のある規制とするためには「全ての領収書を公開」なことであろう。
ネットを利用した選挙活動の解禁
選挙改革において最も重要なことは、国民の知る権利と民意の反映である。 このうち、民意の反映については小選挙区制の廃止等が必要だが、その点は盛り込まれていない。 ネットを利用した選挙活動の解禁は、国民の知る権利として評価できる。
多くの国民は、仕事も生活もあるのだから、日頃から政治家に関する情報ばかり収集することは困難である。 有名な政治家がメディアで物を言う姿は良く見掛けるが、そうでない政治家の意見を知る機会は少ない。 有名な政治家についても、その政治家がライフワークとしているような政策意見は繰り返し耳にする。 しかし、その政治家の細部の方針まで把握している国民はほとんどいないのではないか。 結果、自分の選挙区の政治家が無名な政治家だと、選挙になっても、誰がどんな政策を掲げているのか全く見えない。 選挙カーが回ってきても「○山△男、○山△男をよろしくお願いします」と名前を連呼するばかりで政策については一言も言わない。
一昔前なら情報を集めることは大変なことだったろう。 しかし、今は、ネットがある。 ネットを利用できれば比較的容易に情報収集できる。 日頃、忙しくしていても、タマに暇な時があれば、その暇な時を利用して情報を集めることもできる。
選挙運動のネット利用を禁止することは、有権者の知る権利をないがしろにしているに等しい。 高齢者等が不公平になるとして反対する人がいるが、そんなことはいくらでも対策が可能だろう。 公民館に専用パソコンを設置して、その選挙区の候補者のページにリンクしたページを用意するだけで済む。 各候補者は、自分に有利な情報があれば、自分のページに掲載するだけで、公民館から見てもらえる。 新規のソフトを開発する必要もない。 ただ、ちょっとパソコンに詳しい程度の人が設定を少し弄るだけで選挙専用パソコンにできる。 操作方法が分からないという人がいれば、職員が教えてあげれば良い。
以上、今まで規制していたことの方がおかしい。
医療保険の一元化
現実的医療財政改革 - 患者本位の混合診療を考える会(仮)にも書いてあるとおり、市町村国保が赤字だが、他の健康保険組合は概ね黒字である。 総務省統計局のデータを元に試算すれば、市町村国保は2633億円の赤字から、財政一元化後は約1千億円の黒字に転換できる。 日本医師会の試算でも約1兆3,600億円の増収効果があるとしている。
その分、組合管掌健康保険、国家公務員共済組合にとっては負担増となる。 しかし、これまでお金のある人(組合管掌健康保険、国家公務員共済組合)の方が負担が少ないという逆転現象が生じていたことの方がおかしいのだ。 よって、医療保険の一元化による負担像に文句を言うのは筋違いである。
競争力を重視する自由経済・自由貿易圏の拡大
環太平洋戦略的経済連携協定に書いてあるとおり、自由経済・自由貿易はプラスサムとなる。 その結果、格差が拡大する可能性がないとは言えないが、それを問題視することは全くの見当違いだろう。 例えば、次の2つを比べて、どちらが良いか。
- 全員が一律年収500万円
- 最も貧乏な人の年収が1000万円で最も金持ちな人の年収が1億円
前者の方が格差は小さいが、底辺層の生活レベルは後者の方が良い。 これを見れば分かるように、問うべきことは格差の大小ではなく、底辺層の生活レベルである。 経済が活性化すれば、当然、その分も税収が増えるのだから、それを「真の弱者支援」に充てればよいだけのことである。
疑念のある項目
首相が年に100日は海外に行ける国会運営
首相が100日海外に行って何をするつもりなのか全く意味が分からない。 賛成とか反対とか以前に、どうして、このような項目が入っているのか分からない。 全体の中でこの項目だけが異様に浮いているのだ。
無駄な公共事業の復活阻止・競争力強化のためのインフラ整備
何が「無駄な公共事業」で何が「競争力強化のためのインフラ整備」なのか。 その具体的な区分けこそが重要なのである。 具体的基準を示さないのでは良いのか悪いか判断しようがない。
教員を雑務から解放し教育に専念させる
「雑務から解放」と言うのは簡単である。 具体的にどうするのか。 「雑務」要員を雇用するのか。 「雑務」を外注するのか。 それとも「雑務」そのものをなくすのか。 「雑務」をどうやってなくすのか。
この項目だけではないが、こうした具体策に掛ける項目が多過ぎる。
公的保険の範囲を見直し・公的医療保険給付の重症患者への重点化(軽症患者の自己負担増)
どう見直すのか具体的に書かなければ良いとも悪いとも判断できない。
生命に関わる治療を保険から外すということならばとんでもない。 医療上の必要性の乏しいものを外すのだとしても、何をもって必要性を判断するのか。 例えば、疼痛治療は命に関わらないから必要ないなどと言うならば、これもとんでもない。
もしかすると、本当に必要性の乏しいものが幾らかあるかも知れない。 しかし、それでどれだけ医療費を削減できるというのだろう。 そんなあるかどうかも分からない資金に期待するのであれば、民主党の埋蔵金と同じであろう。
能力、実績主義、職位に見合った給料
実績主義とは成果主義のことだろう。 成果主義は民間企業でも経験が浅く、ノウハウが蓄積されていない。 その結果、かえって業績が悪化し、修正を余儀なくされた企業も少なくない(Wikipedia:成果主義参照)。 特殊な企業で成果主義が成功した例も耳にしなくはないが、果たして、大企業で成功例はあるのだろうか。
これも、結局、能力、実績をどう評価するのかが明確でないから絵に書いた餅に過ぎない。
韓国との関係強化
「中国、ロシアとの戦略的互恵関係の強化」もそうだが、これも具体的に書かないと良し悪しが判断できない。 まさか、韓国の機嫌を取るために竹島問題や従軍慰安婦問題で韓国の言い分を丸呑みするとでも言うのだろうか。 わざわざ「韓国」と具体的に国名を指定しているのだから、当然、現状の韓国との関係を前提として、問題整理しなければならない。 だから、「韓国との関係強化」と書きながら過去の歴史認識等の問題について一切書いていないことが有り得ないのだ。
問題のある項目
条例の上書き権(憲法94条の改正)
地方自治体の首長や議会が暴走することはある。 しかし、「条例の上書き権」は本当に必要なのか。
第九十四条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
現行制度においても、地方自治体は「法律の範囲内で」でしか条例を制定できないのだから、国は地方自治体を法律で一定程度コントロールできる。 「中央集権型国家から地方分権型国家へ」に逆行する国の権限強化が必要な理由は一切説明されていない。
自治体破綻制度の創設
自治体を破綻させるようにすれば、無茶な浪費をしないだろうと考えるのは甘い。 経営危機を肌で感じ取る機会がなければ、最終的な倒産という結末を用意しても、無茶な浪費を抑えることはできない。 民間企業でさえ、自転車操業が分かっていて、倒産まで突っ走る例も少なくはないのだ。
必要なのは、自治体破綻制度ではなく自治体の業績と職員の待遇を連動させる制度だろう。 税収が減ることと支出が増えることで給与が減れば、職員も自治体の業績を肌で感じ取ることができる。 そうすれば、少ない支出で大きな経済発展を目指す政策が自然と職員から提言されることが期待できる。
公務員の強固な身分保障の廃止
公務員には懲戒制度も分限制度もある。 その気になれば、いくらでも問題のある職員を辞めさせることは可能である。 確かに、明らかに問題があるにもかかわらず、懲戒制度も分限制度が使われていないケースもあるだろう。 その背景には、縁故採用などの原因があるのかもしれない。 その場合,問題とすべきは制度が使われない原因(縁故採用など)ではないのか。
公務員には一定の身分保障があるが、それは政治からの干渉を防ぐためである。 立法は政治的判断の領域であるが、司法や行政は違う。 司法や行政は、法律の基づいて中立・公正に行なわれるべきものである。 そこに政治的判断を持ち込むことは、司法や行政の中立性・公正さが損なわれることである。 政治的判断で一部の人を優遇したり、逆に冷遇することがあってはならない。 司法や行政は、恣意的な政治判断ではなく、中立・公正なルールに基づいて実施されなければならない。 そのための政治的中立性である。 「省益のためでなく国民全体のために働く行政組織」と言うなら、国民全体のために働ける制度を壊すべきではない。
社会保険への過度な税投入を是正、保険料の減免で対応
これは、「社会保険への過度な税投入を是正」する手段として「保険料の減免で対応」すると読める。 しかし、そんなことは常識的に不可能である。 何故なら、「税投入を是正」も「保険料の減免」もいずれも財源を減らす結果になるからだ。 もしかすると、「税投入を是正」と「保険料の減免」の主体が違うのか。 それでも、単なる振替に過ぎないから、収支合計はゼロであろう。 お金を右から左に動かすだけで勝手に増える…ということでもない限り、何の効果も得られるはずがない。
混合診療を完全解禁
何のための解禁かは明確にされていないが、目的が何であれ、混合診療完全解禁は百害あって一利なしである。 患者団体が悪用される危険性があるので、あらかじめ断っておくが、患者団体は混合診療“原則”反対 - 患者本位の混合診療を考える会(仮)のとおり、あらゆる患者団体が完全解禁には否定的である。 原則禁止して期間限定かつ範囲限定の混合診療を望む患者団体は存在するが、完全解禁を望む患者団体は存在しない。
- 財政改善と患者負担を減らすことを両立する
- 患者負担を保険が肩代わりするなら、その分、保険給付が増えるので財政は悪化する。財政改善のためには、給付増を上回る給付削減が必要である。結果として、全患者平均でも、患者負担は増える。混合診療を受けられない超貧乏人は、恩恵ゼロのうえ、保険給付を一方的に減らされる。
- 患者のため財政負担を増やしてでも保険給付を増やす
- 混合診療により製薬会社にとって申請のメリットが薄れるため、ドラッグラグ・未承認薬問題が悪化して保険給付は確実に減る。それを防ごうとすれば莫大な公的資金の投入が必要になり、混合診療解禁による給付増の影響以上に財政が悪化する。その他、混合診療で利益を得たい会社の圧力、財政改善を狙う財務省の圧力が増え、かつ、混合診療で満足した中流患者の要望が減ることにより、医療上の必要性の高い医療が保険から外される危険性がある。
- 財政のため患者負担を減らしてでも保険給付を減らす
- 必要な医療への給付を減らさずとも、医療以外の予算削減、国民皆保険の財政一元化、所得階層の細分化、必要性の乏しい医療の保険外し、窓口負担率の引き上げにより財政改善は可能。保険適用範囲が同じならば、混合診療の方が保険給付が増えるため、財政上も不利。
完全解禁を主張する者には、患者の利益と財政改善を両立できるかのように嘯く者が多い。 しかし、そんなことは金の成る木でもなければ実現不可能である。 「解禁すれば、保険診療部分を自己負担しないで済む」と言うが、その自己負担を軽減した分は保険から給付されるのである。 保険給付が増えるということは、保険財政上の支出が増えることであり、財政悪化の原因になっても財政改善の原因にはならない。 財政改善を改善するためには、給付増以上の給付削減が必須であり、それでは、患者の負担は確実に増える。 以上のとおり、原理的に考えて、患者の利益と財政改善を両立することは不可能なのである。
また、混合診療による国民皆保険崩壊の原理 - 患者本位の混合診療を考える会(仮)のとおり、混合診療を完全解禁すれば、確実に保険給付範囲は狭まる。 業者からの圧力等による保険外しを阻止したとしても、ドラッグラグ・未承認薬問題は確実に悪化する。 何故なら、ドラッグラグ・未承認薬問題の主要原因は製薬会社が申請してこないことにあるからだ。 製薬会社が申請しないのは、今の日本の医薬品市場に魅力がないからである。 そして、保険外で使えるようになれば、製薬会社にとっての申請のメリットは、確実に今以上に減る。 だから、ドラッグラグ・未承認薬問題が悪化することはあっても、今より良くなることは決してない。 患者にとっての真の利益は、ドラッグラグ・未承認薬問題を解消することであり、混合診療解禁はそれと逆行する。 そして、ドラッグラグ・未承認薬問題を解消すれば、全ての患者にとって混合診療は不要である。
混合診療で変わること | 短期的変化 | 長期的変化 |
---|---|---|
全額自費でも難なく払える金持ち | 負担は減るが、お金持ちにとっては端金に過ぎない。 | 負担は増えるが、お金持ちにとっては端金に過ぎない。 |
全額自費でも払える若干の資産持ち | 多少の命の猶予ができるが、金の切れ目が命の切れ目なのは変わらず。 | 本来なら保険が利くはずの治療も金の切れ目が命の切れ目になる。 |
混合診療をかろうじて払える中流家庭 | 治療を諦めるか家族を路頭に迷わすかの悪魔の囁きに惑わされる。 | 本来なら保険が利くはずの治療も悪魔の囁きになる。 |
混合診療も無理な超貧乏 | 損得なし。 | 本来なら受けられたはずの治療も受けられなくなる。 |
保険財政を改善したいなら混合診療という乱暴なやり方をとる必要はない。 現実的医療財政改革 - 患者本位の混合診療を考える会(仮)のとおり、保険給付に悪影響を与えずに財政改善する方法は複数ある。
- 医療以外の予算削減(維新八策に掲載済)
- 国民皆保険の財政一元化(維新八策に掲載済)
- 所得階層の細分化
- 必要性の乏しい医療の保険外し
- 窓口負担率の引き上げ(最大10割化、ただし、高額療養費は現状より充実)
確かに、混合診療完全解禁によって、保険外しの圧力が強化されれば、医療財政の改善が見込める。 そうした圧力を利用しないなら、混合診療に頼らずとも保険外しは可能であろう。 つまり、保険外しのために混合診療が必要というなら、それは、そうした圧力を利用したいからに他ならない。 しかし、その圧力利用の最大の問題は、医療上の必要性に関係なく保険外しが行なわれることにある。 保険外し圧力が強いものは、業者にとって儲けが期待できるものであって、医療上の必要性が低いものではない。 いや、むしろ、医療上の必要性が高いものこそ、儲けが期待できることが多いのだから、そこに圧力が集中する危険性がある。 それならば、医療上の必要性を検討して保険外しを行なった方が遥かにマシである。 「そんなことを言っても、外部の圧力なしには財政改善は進まない」と言うかもしれない。 それならば、数値目標を明確にし、その目標分の積上げがなければ、政治判断で外すことにすれば良い。 これは優先順位の低い順に積上げろという指示であって、必要性の判断を求めたものではない。 しかし、抵抗勢力は「削減できるものはない」と回答すれば削減を免れると思っている。 ならば、そうした甘い目論見を崩せば良い。 目標数を積上げないなら、政治判断を強行すると脅せば良い。 本気であることを示せば、抵抗勢力も渋々従わざるを得ない。 何故なら、政治判断を強行されては、抵抗勢力にとって最悪の結果になるからだ。 最悪の結果になるよりは、医療上の優先順位の低いものを差し出した方がマシである。 抵抗勢力が最悪の結果を予想できない馬鹿であるなら、約束通り政治判断を強行すれば良い。 抵抗勢力が屈しようと屈しまいと削減を強行すれば本気度が伝わるだろう。 仮に、その結果に文句を言う者がいたとしても、抵抗勢力が従わなかったからだと言い訳できる。 抵抗勢力が素直に従っていれば、医療上の優先順位の低いものだけを削減できたのだと。 そうならなかったのは、抵抗勢力が逆らったからだと。 そして、そう事前に予告し、何度も機会を与えたのに、抵抗勢力が従わなかったのだと。 というような数値目標に達しない場合の政治判断を脅しに使わないから、削減が進まないのだ。 ようは、ケツの叩き方の問題であって、本気で削減する気があるなら、外部の圧力の導入など必要ない。 八方美人だから何もできないのであり、本気度が足りないから削減が進まないのだ。
そもそも、医療上の必要性よりも医療財政を優先するなら、混合診療解禁と言わずに皆保険解体をすればいい。 国民の生命を守る役目を果たさなくなった保険を形だけ残すことに何の意味があるのか。 形だけ残すのは「保険制度を潰す」と言えば反発があるからだろう。 見せかけだけでも残しておけば、騙されていることに気付かない人の分だけ抵抗を減らせる。 そんな悪意を感じずにはいられない。 生死の境を彷徨う患者の治療の道をコッソリと閉ざして、一体、何が「真の弱者支援」なのだろうか。
厳しくとも公の仕事を望むなら公務員に
ようするに、公務員の待遇を民間より悪くすれば、国を良くする志を持った者しか集まらないと言いたいのだろう。 採用段階で公より私を優先する人を選べば良いというわけだ。
しかし、これは現実を分かっていない人間の発想だろう。 まず、採用段階で人材を選別すれば組織が良くなるとは限らない。 採用時の志がどんなに高くとも組織が腐敗すれば人材も潰れる。
そもそも、悪待遇で選別すれば、より良い志を持つ者だけが残るとする保証はない。 待遇が悪いことを甘んじて受け入れるなら、その者には非現実主義者の素養があるのではないか。 それならば、こうした悪待遇での選別によって、劣った志を持つ者ばかり残るのではないか。 例えば、この選別方法では、国を破滅させられるなら金はいらないというような歪んだ志を持つ者を篩落とすことはできない。
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