α崩壊

α崩壊は原子核の中に閉じ込められているα粒子が原子核の外に飛び出してくる量子力学的現象である。 原子核内に閉じ込められたα粒子の波の一部は量子トンネル効果により原子核の外に出てくる。

例えば原子核のα崩壊(原子核内部からα粒子すなわち24He の原子核が飛び出してくるという現象)は、古典的には起こり得ない。 原子核の結合エネルギー(核力という力で陽子や中性子どうしが互いに引っぱりあう引力による)を計算すると、α粒子は外に出ることはできない。 しかし量子力学的な浸み出しによって外に出る。 いったん外に出てしまうとα粒子と原子核(どちら もプラスに帯電)はクーロン斥力によって離れていくので、α粒子の放出が起こる。
量子力学講義録2005年第8回-琉球大学理学部物質地球科学科准教授前野昌弘の講義録(http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/qm/qmK_8.html)

この波を観測すると確率規則に従った確率で原子核の外側に出たα粒子が観測される。 これがα崩壊である。 観測する時間が短いと、波の大部分が原子核内に閉じ込められたままなので、α粒子が観測される確率は極めて低い。 そして、観測する時間が長ければ長いほど、外側に漏れてくる波の量が多くなるため、α粒子が観測される確率が高くなる。 α崩壊を起こす物質において、1個の原子あたり1個のα粒子が観測される確率が50%になる時間は、その物質の半減期と等しい。