ダムによる人工地震

はじめに 

このページは科学的人工地震研究の一部である。 また、CCS地震原因説にて、この理論を2004年の新潟県中越地震(M7.2)や2018年の北海道胆振東部地震(M6.7)に当てはめた検証を行う。

尚、注水事例で発生した地震はせいぜいM5クラスであるが、ダムが誘発した可能性がある地震にはもっと大きなものがある。

日本の事例 

日本のダム貯水後に貯水池付近で発生した地震では、長野県西部地震が最大であるが、貯水開始から23年後の地震でもあり、誘発地震か否か不明である。 長野県西部地震を除けば、日本のダム誘発地震としては、九頭竜ダム付近で発生したM6.0の地震が最大である。

人工誘発地震:フラッキング地震のリスクとメカニズム - 温暖化防止地球システム(株),東京

日本においては、関連性が疑わしいものを除けば、ダムが誘発した可能性がある地震はM6.0が最大である。

世界の事例 

ザンビア・ジンバブエ国境のKaribaダム(高さ135m)は1958年より貯水を始めたが、1961年地震が記録され、最高水位に達した1963年9月23日にM6.0の地震を始めM5.1-6.0の地震が9個発生し、被害も出た(Pavlin&Langston,1983)。

ギリシアのKremastaダム(高さ160m)は、1965年7月から貯水を開始したが、8月より地震を感じ、11月より急増し、1966年2月5日にM6.0の地震が発生し、被害が出た(Gupta et al.,1972)。

インド半島西岸に近いデカン玄武岩台地にあるKoynaダム(高さ103m)1962年より貯水を開始した所、地鳴りを伴う地震が起こり始め、1967年9月12日と13日にM5-5.5の地震がおこり、小被害があったが、12月10日にM6.3の地震が発生し、死者180人以上、負傷者2,000人以上の大災害になった(Gupta et al.,1972)。

中国広東省の新豊江(Xinfengjiang)ダム(高さ105m)は1959年11月から地震活動が増大し、1962年3月にM6.1の地震があり被害を生じた(石川・尾池、1982).

人工誘発地震:フラッキング地震のリスクとメカニズム - 温暖化防止地球システム(株),東京

海外では、ダムが誘発した可能性がある地震としてM6クラスのものが数件ある。

従来,インドのKoynaダムによるM6.3地震が最大のダム誘発地震とされていたが,2008年中国四川大地震によりM8級のダム誘発地震が発生しうることが示された(コラム8)。

人工誘発地震:フラッキング地震のリスクとメカニズム - 温暖化防止地球システム(株),東京

2008年の中国四川大地震もダムとの関連性が疑われている。 しかし、日本地震学会ニュースレター Vol.20 No.3 September 10, 2008を見る限り、改良大森公式に従った余震および前震を伴う単発地震であり、人工誘発地震に見られる群発地震の傾向は見られない。 もちろん、そのことをもって人工誘発的な要素がないとは言い切れないが、ダムとの関連性を確定的に推測することは困難である。

Ge et.al.(2009)は龍門案断層帯に対する天然の地殻変動による載荷速度は 0.005MPa以下と見積もって,紫坪埔ダムの建設と貯水によって龍門山断層帯の地震発生が数十年ないし数百年早くなった可能性があるとしている。

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関連性がはっきりしない以上、「数十年ないし数百年早くなった可能性」がないとは言い切れないだろう。


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