医学分野における武田邦彦氏の疑似科学論

最初に 

疑似科学者列伝:武田邦彦にて詳しく紹介するが、武田邦彦氏には次のような特徴がみられる。

  • 基本的な科学的知識・理解がない
    • 専門家を自称する原子力分野ですら素人同然
  • 参照資料はつまみ食い
    • 持論に都合の悪いデータは闇に葬り「未だに公表されない」と嘘をつく
  • データは全てデタラメ
    • 出典にないデータを捏造する
    • 変動を隠すスケール操作も当たり前
  • ウケると見れば何でも逆張り
  • 有り得ない夢物語を語る
  • たまに正しいことを言う時は、手垢まみれの二番煎じのみ

武田邦彦氏のトリックの手口は武田氏のトリックパターン類型化 - 環境問題補完計画で類型化されている。 このような人物の主張を真に受ける人はリテラシーがない。 武田邦彦氏は、言い訳ができるなら、次の件(後で詳細に説明)に言い訳してみると良い。

  1. 専門家が目の前に居る時と居ない時で主張内容が180度違うこと
    • 専門家と話すときは「私はほとんど○○先生が正しいと思っています」
    • 専門家の居ない所では「温暖化しない」とか、「人間のせいじゃない」
  2. 「太平洋を囲む陸地の気温」が上がってないように見せ掛けるためのスケール操作
    • 「ハワイ、日本の南の香港、南鳥島、アンカレッジ、サンフランシスコの順に、グラフ」だけ横方向に拡大する
    • 「ハワイ、日本の南の香港、南鳥島、アンカレッジ、サンフランシスコの順に、グラフ」だけ縦方向に縮小する
    • 以上のトリックが発覚しないように「ハワイ、日本の南の香港、南鳥島、アンカレッジ、サンフランシスコの順に、グラフ」は月平均値を採用
  3. PETボトルリサイクルに関するデータ捏造等
    • 「焼却を含ん」でいない「材料としてリサイクルしている量(再利用量)」が参照資料に明記されているのに「今に至っても」「『数字』を言う人はいない」と大嘘
    • 武田邦彦氏の想像に基づいた変則的な計算で、かつ、不確かさの幅も無視した「推算」なのに、「出所:PETボトルリサイクル推進協議会」
  4. 次の前提では「タバコを吸うと肺がんの死亡率は10倍以上減る」という結論が導けなくなるので、「必要なデータ」である年齢調整死亡率をコッソリと消去
    • 「タバコの害は継続的に20年ぐらい吸った人が、さらに20年ぐらい後に肺がんになる」
    • 「ガンは年齢と共に増えるので、粗死亡率(その年に肺がんで死んだ人の数)ではなく、それを年齢調整した死亡率をとる」
  5. 「理研は『研究室に任せないで、理研の総力で詐欺をする』と決めた」が「理研の委員会自体がそう言っている。武田の推定ではない」とする大嘘
  6. 「透析に追いやる薬」「平均寿命が延びたから透析患者が激増しているというわけではありません」と大嘘
    • 参照資料に記載されている患者平均年齢の推移を闇に葬った
    • 参照資料に記載されている年齢階層別患者数推移を闇に葬った
  7. 荒唐無稽な夢物語の「地球を簡単に冷やす方法」
    • 「200万平方キロメートル」に「『銀紙(ぎんがみ)』を敷く」手間や費用の「程度問題」
    • 全地球規模で「海の深いところから水をくみ上げる」手間や費用の「程度問題」

医学分野における武田邦彦氏のトンデモ語録 

タバコと肺がん死のグラフを故意に都合良く細工 

最近、ある若手の技術者を対象にした教育をしたときに、おもしろいことがありました。 それは「タバコと肺がん死のグラフを見て、どのようにデータを解釈するか」という出題です。

武田邦彦氏が細工したグラフ

グラフは単純でここに示したもので、データは紛れがない単純なもので、このグラフに載せた「肺がん死の数」も「喫煙率」もよく知られたもので反論はありません。

科学者テスト・・・自分は科学者になれるか? - 武田邦彦

このグラフをよく見ると、橙色の線の消し残りが見て取れる。 そこで、このグラフのコントラストを変更してみる。

武田邦彦氏が細工したグラフのコントラストを変更

このコントラストを変更した後のグラフの灰色の部分は印刷したそのままの部分で、白い部分は修正ペンなどで白く塗った部分だと思われる。 これより、武田邦彦氏が原図の何かを消す細工を行なったことが窺われる。 細工の詳細は以下でバラされている。

武田先生、元のグラフから年齢調整済みのライン消したでしょう。 うっすら痕が残ってますよ QT 科学者テスト・・・自分は科学者になれるか? http://t.co/DBQCLQZ9 元絵はおそらくこれの12ページ(PDF注意) http://t.co/fcIcty7B

科学者テスト ... 武田邦彦教授は科学者なのか? - Togetter

原典の図は次の通り。

2005年の喫煙と肺がん死亡率

たばこ対策に関する日本たばこ産業株式会社の考え方等

がんの死亡率年次推移(治療の進歩)で説明している通り、年齢調整死亡率は、OECDが公表しているデータでも採用されている。 特定の疾病の粗死亡率は、他の疾病の治療成績の影響を受けてしまう。

  • 寿命が伸びることによる年齢構成の変化の影響
  • 他の疾病を併発した人の他の疾病での死亡率の影響

そうした影響に左右されるデータでは治療の進歩を正しく測定できない。 そこで、そうした影響を可能な限り取り除くため、年齢調整という手法が国際的にも利用されている。

今回のグラフにおいては、喫煙者率の減少から数十年遅れて年齢調整死亡率が低下し始めていることがわかる。 これは、現象の遅延時間(喫煙から発がんまでの遅延時間、発がんから発見までの遅延時間、発見から死亡まで遅延時間)を考慮すれば、喫煙率が下がると肺がんの死亡率が下がる可能性があると読み取れる。 武田邦彦氏は、持論に都合が悪いから、故意に、年齢調整死亡率の線を消したのである。 これが意図的な改竄であることは約5ヶ月前の武田邦彦氏自身の主張と比較すると明らかである。

でも、なにか釈然としなかったので、1955年頃から1985年頃までの統計的データから、「タバコを吸うと何倍ぐらい肺がん(気管、気管支を含む)になりやすいのか?」という計算をしてみました。 基礎となるデータは厚労省やがんセンターなどから出ている男性のものを使い(下の図。データ自体は誰も異議がないと思います)、次の前提を起きました。

1) タバコの害は継続的に20年ぐらい吸った人が、さらに20年ぐらい後に肺がんになる(そのために1985年以後の喫煙率のデータは使えません。 1985年の20年後は2005年になり、それ以後はデータがまだ無いからです)、

2) ガンは年齢と共に増えるので、粗死亡率(その年に肺がんで死んだ人の数)ではなく、それを年齢調整した死亡率をとる。

武田邦彦氏が細工する前のグラフ

この結果からデータ処理(連立方程式を解く方法)をしてみると、実に驚くべきことが判ります。 それは「タバコを吸わない人に対して、タバコを吸うと肺がんの死亡率は10倍以上減る」(増えるのではなく、減る)のです。

ここで「驚くべきこと」と言いましたが、実は計算する前から判っていることです。 つまり、このグラフを一見すると「喫煙率が下がると、(年齢調整)肺がん死が増える」という結果になっているからです。

奇っ怪な結果??タバコを吸うと肺がんが減る?! - 武田邦彦

何と、この時、武田邦彦氏は「ガンは年齢と共に増えるので、粗死亡率(その年に肺がんで死んだ人の数)ではなく、それを年齢調整した死亡率をとる」と明言しているのである。 だから、喫煙と肺がん死の関係を調べるには、粗死亡率ではなく年齢調整死亡率を見る必要があることを武田邦彦氏は認識しているのである。 それなのに、年齢調整死亡率の線を消したのは、何故か。

「タバコの害は継続的に20年ぐらい吸った人が、さらに20年ぐらい後に肺がんになる」のであれば、喫煙から罹患までの平均遅延時間は20〜40年程度となる。 その前提で最新のデータを元にグラフを書き直してみる。 ただし、この計算では罹患してから死亡までの遅延は考慮されない。

2017年の喫煙と肺がん死亡率(遅延20年想定) 2017年の喫煙と肺がん死亡率(遅延30年想定) 2017年の喫煙と肺がん死亡率(遅延40年想定)

人口動態統計によるがん死亡データ - 国立がん研究センターがん情報サービス 成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査) - 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

残念ながら、外部委託調査(1949年〜1964年)の喫煙者率のデータを見つけられなかったので、画像データを貼り合わせてみた(黒枠線四角内)。 大きさや位置は多少ズレがあるかもしれないが、おおよそ綺麗に貼れているのではないだろうか。 グラフを見れば明らかな通り、「継続的に20年ぐらい吸った人が、さらに20年ぐらい後に肺がんになる」と仮定すると、喫煙者率と「年齢調整した死亡率」の関係には、弱い正の相関が見られ、負の相関はほぼ見られない。 よって、「タバコを吸わない人に対して、タバコを吸うと肺がんの死亡率は10倍以上減る」という結論が導けない。 武田邦彦氏が示したグラフの範囲に限定しても、負の相関がほぼ見られない、すなわち、「タバコを吸わない人に対して、タバコを吸うと肺がんの死亡率は10倍以上減る」という結論が導けない点は変わらない。 武田邦彦氏は、このことに気づいたから、年齢調整死亡率の線を消したものと思われる。 粗死亡率の線を消したなら「不要な線を消した」という主張が成立するが、必要な年齢調整死亡率の線を消していることは言い訳のしようもない。

尚、喫煙者率が横ばいに相当する期間も、年齢調整死亡率が増加しているが、これは喫煙者率以外の要因の影響が考えられる。 喫煙者率以外の要因による年齢調整死亡率の変化は、このグラフからは読めない。 例えば、大気汚染などは肺がんの死亡率に影響を及ぼすと考えられるが、このグラフからは読めない。 また、細かいことを言えば、喫煙者率という大雑把な数値では、喫煙本数の変化がわからない。 喫煙者全体は減っていても、ヘビースモーカーは逆に増えているという状況なら、死亡率が増えても何らおかしくはない。 さらに、受動喫煙の動向についてもわからない。

以上を踏まえると、タバコと肺がんの因果関係を調べるのに、喫煙者率と年齢調整死亡率の年次推移を比較する方法は適さない。 大雑把な傾向をつかむことはできるが、精度はかなり悪い。 タバコと肺がんの因果関係を調べたいなら、同じ時期において、沢山吸う人、少し吸う人、吸わない人(受動喫煙に良く晒される人)、吸わない人(受動喫煙にあまり晒されない人)等の群に分けてコホート研究(追跡調査)する手法が適している。 コホート研究の場合、時期が同じなら、大気汚染等の他の要因が群によって変わらないと期待できるので、純粋にタバコの影響だけを評価できる。 そして、追跡期間を長く取り、かつ、全ての群で等しくすれば、遅延時間による影響を無視できよう。

このグラフを見て、次のどのような反応をするかで、自分が科学者になれるかが分かると私は教育を通じて感じました。

1) ムカッとくる、

2)変なデータだと思う、

3)ウソだと思う、

4)点線のところなどが気になる、

5)寿命が延びているから、その影響があると思う、

6)喫煙率が下がると肺がん死が増えると理解する。

7)タバコを止めると肺がんになるのだなと思う。

教育をした私の感じとしては、1)から3)のように感じる人は自然科学を選ばない方が良い人、4)の人は技術者になっても成功しない人、5)は何とか技術者になれる人、そして6)と7)は技術者として成功する人のようです。

科学者テスト・・・自分は科学者になれるか? - 武田邦彦

結果論になるが、「3)のように感じる人」の直感と「5)寿命が延びているから、その影響があると思う」の考察が正しく、武田邦彦氏によるウソであった。 「6)と7)は技術者として成功する人」どころか、武田邦彦氏による細工を見抜けない人なのだから、科学者としての素養がない。

また、「ウソだと思う」という3番ですが、これも不適切です。 つまり、データを見るときにはまずは信頼できるデータを見ることですが、喫煙率と肺がん死の関係はこのデータしか日本には無いのですから、「ウソ」であると言うことになると、他にデータが無ければならないことになります。

このような時「ウソ」という感じを持つのは、「自分の先入観と違う」という事です。 先入観の方がデータより重要であると考える人は技術者にはならない方が良いでしょう。 科学は常により真実に近く、より新しいデータを求めるものです。 そして科学者の辛いことはこれまで10年間以上の信じてきたデータでもある時点からそれが間違っていることを認めなければならないことがあります。 その時に「自分を捨ててデータを採る」という苦痛を克服しなければならないからです。

科学者テスト・・・自分は科学者になれるか? - 武田邦彦

ここで「ウソだと思う」は「先入観の方がデータより重要であると考える」こととは全く違う。 もちろん、本物のデータに対して「先入観の方がデータより重要であると考える人は技術者にはならない方が良い」の間違いない。 しかし、示されたデータが本物であるかどうかを疑うことは科学者として重要な視点である。 ここで問われていることは、武田邦彦氏が示した「データ」が本物であるかどうかである。 武田邦彦氏は、「喫煙率と肺がん死の関係はこのデータしか日本には無い」根拠を何ら示さず、平然と「無い」と嘘をついている。

つまり、ここに示したような「真逆」なデータが有る限り、ある少数のデータで「タバコを吸うと肺がんで死ぬ」という結論を出すためには、全体の傾向を否定するような強力な証拠が必要ですし、なによりそれが公開されていることです。 厚労省のデータは生データ、整理の仕方、判定基準などなにも書いていないのです。 特に厚労省の天下り団体で「健康促進団体系統」のパンフレットなどには、結論だけが書いてあってまったく科学の判断ができません。

ある国の委員会で委員の一人が素データを求めたところ、「禁煙に反対する人にはデータを見せない」と言われたという有名な事件があります。 反対する人にこそデータをよく説明し、納得してもらうのが学問の手順ですが、それをしないということは政治であって学問ではないということを証明しています。

科学者テスト・・・自分は科学者になれるか? - 武田邦彦

以上の通り、原典には「生データ、整理の仕方、判定基準」が明確に書いてある。 武田邦彦氏は、持論に都合の悪いデータを闇に葬り去って、存在しないと嘘をついているだけである。

しかし、タバコのことではなく、このグラフを「科学者としての見方」の説明をするために、グラフの中の年齢調整肺がん死の線を消してブログに載せました。 そうすると、「年齢調整肺がん死の線を消しているからねつ造だ」というバッシングをする人たちがいることがわかりました。

このようにグラフの一部を見せるというのは普通の手段で、たとえばパソコンを使う人なら、パワーポイントというソフトで、グラフや説明の一部だけを少しずつ示す方法を知っています。

ですから、一本の線を消したグラフを「ねつ造」という人は、それがねつ造ではないことを知っていて、それこそ「対立をねつ造」して楽しんでいるのだと思います。 もしもともと「陰湿なイジメ」の狙いがあったり、タバコに利害関係があったら、かなり悪質ですが、匿名で分かりません。


この場合、私はすでに年齢調整肺がん死についてブログでも述べていますので、批判する時には「なぜ、今回だけ年齢調整肺がん死に触れていないのか」を述べる必要があります。

そうすると論拠を失うので知らない顔をするというのが今度の手口ですが、これが学会などですと、そんな無責任な批判をした人はそれで学会にでることができなくなるでしょう。 ネットだから、匿名だからという理由でいい加減なことを言うと、ネット文化自体を破壊します。 おそらく若い人の集団と思いますので、将来を考えて自重を勧めます。

今回は、「科学的な見方の訓練」という意味で、私としては苦労して「年齢調整肺がん死」をコンピュータについているペイントというソフトを使って消したのですが、このようにデータのすべてではなく、必要なデータを示すのは普通のことで、これを「ねつ造」という人はよほど科学とは縁がない人なので、恥をさらすようなものですから、その旨をネットに書いて取り消した方が良いと思います。

対立の構図(5)悪意とイタズラ - 武田邦彦

武田邦彦氏は、あたかも「データのすべてではなく」「グラフや説明の一部だけを少しずつ示す方法」の是非が問われているかのように、論点を逸らしている。 しかし、ここで「ねつ造」だと指摘されていることは、「一部だけ」しか示していないことではなく、その「一部だけ」の選定基準が不当であることである。 「タバコと肺がん死」の関係を検証するためには、「粗死亡率(その年に肺がんで死んだ人の数)ではなく、それを年齢調整した死亡率をとる」必要がある。 そのことは、以前に武田邦彦氏自身が主張していたことである。 であれば、残すべきは年齢調整死亡率であって、消すべきは粗死亡率であろう。 それなのに、武田邦彦氏は、粗死亡率を残し、年齢調整死亡率を消した。 残す方と消す方が逆になっていることが「ねつ造」だと指摘されているのである。

尚、「批判する時には『なぜ、今回だけ年齢調整肺がん死に触れていないのか』を述べる必要があります。そうすると論拠を失うので知らない顔をする」は全く意味不明である。

  • 「なぜ、今回だけ年齢調整肺がん死に触れていないのか」を述べる必要があるのは批判者ではなく武田邦彦氏の方である
  • 批判者は、「知らない顔をする」どころか、「なぜ、今回だけ年齢調整肺がん死に触れていないのか」を明確に述べており、批判の「論拠を失う」事態にはなっていない

既に説明した通り、武田邦彦氏自身が「ガンは年齢と共に増えるので、粗死亡率(その年に肺がんで死んだ人の数)ではなく、それを年齢調整した死亡率をとる」と以前に主張していた。 それならば、この場合に喫煙者率と比較すべきは「年齢調整した死亡率」であり、「粗死亡率(その年に肺がんで死んだ人の数)」と比較することは、武田邦彦氏自身の主張にも反している。 しかし、武田邦彦氏は「なぜ、今回だけ年齢調整肺がん死に触れていないのか」、その正当な理由を述べていない。

一方で、武田邦彦氏を批判する側は「自分の主張と合わない年齢調整後の線を消している」と明確に「なぜ、今回だけ年齢調整肺がん死に触れていないのか」を述べている。 つまり、年齢調整死亡率が示唆する結論を180度ねじ曲げるために、年齢調整前の粗死亡率に差し替えていると指摘しているのである。

確かに、死亡率が年齢調整されていないことを見抜く「科学的な見方の訓練」なら、喫煙者率と粗死亡率が「必要なデータ」なのだから、「データのすべてではなく、必要なデータを示すのは普通のこと」という言い訳が成立する。 であれば、この「科学的な見方の訓練」における正解は「2)変なデータだと思う」「3)ウソだと思う」「5)寿命が延びているから、その影響があると思う」であろう。 しかし、武田邦彦氏は「科学的な見方の訓練」とやらで「1)から3)のように感じる人は自然科学を選ばない方が良い人」「『ウソだと思う』という3番ですが、これも不適切」「5)は何とか技術者になれる人」と明言している。 そのような評価となるなら、当然、この「科学的な見方の訓練」で「必要なデータ」は喫煙者率と年齢調整死亡率である。 何故なら、他ならぬ武田邦彦氏自身が「ガンは年齢と共に増えるので、粗死亡率(その年に肺がんで死んだ人の数)ではなく、それを年齢調整した死亡率をとる」と明言しているからである。 武田邦彦氏は「科学的な見方の訓練」で「必要なデータ」である年齢調整死亡率を消しているのだから、「データのすべてではなく、必要なデータを示すのは普通のこと」は何の言い訳にもなっていない。 以上の通り、この武田邦彦氏の説明は、「なぜ、今回だけ年齢調整肺がん死に触れていないのか」の正当な理由とはなっていない。 正当な理由なき改変なら「これを『ねつ造』という」ことは当然の指摘である。

このレベルの改竄をこの人がしてても驚かないけど、こんな痕跡を残すほどレタッチ技術が低いことには驚く。 詐欺師はモラルがない一方で能力や技術は高い人が多いイメージなんだけどな。

科学者テスト ... 武田邦彦教授は科学者なのか? - Togetter

細工の是非はともかくとして、こういうツッコミを食らうのは情けない。 大元の出典は厚生労働省人口動態統計、JT全国喫煙者率調査なので、そこから数値データを拾ってきて自分でグラフを描けば、こういうツッコミを食らうこともないのに(笑)。

以下は、故意か間違いかは定かではない。

武田邦彦氏曰く「喫煙者の肺がん」

この円グラフで赤く塗ってあるところが男性の「喫煙者の肺がん」です. 一見して「なるほど、タバコを吸うと肺がんになる」と思いがちですが、この研究は約10年間にわたって行われ2007年に発表されていますから、おおよそ2000年ぐらいを中心に調査されたものです。

「タバコを吸うと肺がんになる」と言っている人は「喫煙している時期が20年ぐらい前」と言っていますから1980年ぐらいの喫煙率がこれと対比されます。 1980年の男性の喫煙率は70%ですから、この69.2%という数字は、実は「タバコを吸っても吸わなくても肺がんは同じ」ということなのです。

人の健康をダシに??政策に絡む研究のいかがわしさ - BLOGOS

「男性の『喫煙者の肺がん』」とは、「1980年の男性の喫煙率」と比較していることから、肺がん患者の喫煙者率と言いたいのだろうか。 しかし、原典を見ると、「この円グラフで赤く塗ってあるところ」は、喫煙の人口寄与危険割合であって、「男性の『喫煙者の肺がん』」でも肺がん患者の喫煙者率でもない。

喫煙の人口寄与危険割合

講演「保険適用4年目を迎えた禁煙治療の現状と今後の展望」 - 日本禁煙学会P.6

人口寄与危険割合とは 集団の罹患(または死亡)のうち、ある要因の曝露を取り除くことによって減少できる部分の割合 用語の説明 - がん情報サービスP.107 のことである。 つまり、喫煙の人口寄与危険割合とは、その人が喫煙していなければ罹患(または死亡)がなかったと考えられる患者の割合である。 喫煙しても罹患(または死亡)しないなら、喫煙の人口寄与危険割合は完全に0になる。 だから、「69.2%という数字」は非常に大きなリスクを示しているのであり、「タバコを吸っても吸わなくても肺がんは同じ」ということにはならない。 当然、「この円グラフで赤く塗ってあるところ」は喫煙経験者以外は含まれないが、喫煙経験者であっても喫煙以外の原因で罹患(または死亡)したと考えられる患者も含まれない。

  1. 喫煙が唯一の原因の罹患(または死亡)者
  2. 喫煙とその他の原因の罹患(または死亡)者
  3. 喫煙していたが喫煙以外の原因の罹患(または死亡)者
  4. 喫煙していなかった罹患(または死亡)者

このうち、喫煙の人口寄与危険割合に含まれるのは最初の罹患(または死亡)者だけである。 そして、最初から3番目までが喫煙(経験)者率に含まれる。 よって、喫煙の人口寄与危険割合よりも、罹患(または死亡)者の喫煙(経験)者率の方が高い。 人口寄与危険割合は、その要因によるリスクだけでなく、他の要因によっても変わってしまう。 その要因によるリスクが高いほど、人口寄与危険割合は高くなる。 他の要因によるリスクが高いほど、人口寄与危険割合は低くなる。 結果、喫煙によるリスクがかなり高くても、それ以上にリスクの高い要因があれば、喫煙の人口寄与危険割合が50%を切ってもおかしくないのである。 当然、全人口の喫煙者率と比較することは全く意味がない。

というか、個々の要因の罹患(または死亡)リスクを知りたいなら、人口寄与危険割合の計算の元になったデータを見るべきである。 個々の患者の罹患(または死亡)原因が何かなんて調べようもないから、生データから人口寄与危険割合を直接求めることは不可能である。 人口寄与危険割合を求めるには、個々の要因の罹患(または死亡)リスクを元に計算せざるを得ない。 よって、人口寄与危険割合から個々の要因の罹患(または死亡)リスクを調べようとすることは、非常に回りくどいのである。

普通の人なら次のように考える。

疫学の指標はたくさんあるから人口寄与危険割合がなんだかわからなくても仕方がない。 しかし、せめて「人口寄与危険割合」で検索してみるぐらいの知恵はないのだろうか。 大学教授なんだよ。 百歩譲って、「人口寄与危険割合」を「各疾患での死亡者中の喫煙者の割合」だと勘違いして計算していくうち「タバコを吸うと癌で死ぬ可能性は3分の1以下になる」なんて結論が出た時点で、「いやいや、おかしい。なんか間違っている」と気付かないものだろうか?

「タバコを吸うとガンになる可能性は3分の1以下になる!」。何が何だか分からないよ! - NATROMのブログ

普通の人は、あり得ない結論が出た時点で、何か勘違いしている可能性を考える。 そして、この場合、最も高い可能性は「人口寄与危険割合」の意味を勘違いしている可能性である。 それ以外におかしな結論を導く可能性は見当たらない。 であれば、当然、「人口寄与危険割合」の意味を調べるだろう。 自分に調べる能力がないなら、他人に聞けば良い。 結論が出ないうちに情報を発信するなら、出典が何かを明示するなり、原典をそのまま引用するなりして、第三者の検証を待つのが普通である。 しかし、武田邦彦氏は、出典が何かを明示しておらず、かつ、「人口寄与危険割合」の文言も記載していないので、第三者に検証できるようにしていない。 そして、自信満々に自分は正しいと言い張るのである。

「縦割り医療」「癒着」「利権行政」による「医療の混乱」の捏造 

日本では少し前、皮膚科の先生を中心として「日光に当たるとガンになる。 できるだけ日光に当たるのは避けたほうがよい」とかなり厳しく言いはじめました。 なにしろ医師のいうことですから多くの日本人は「日光に当たってはいけないのだ」と思いましたし、特に女性は肌が黒くなるし、シミも残るというので完全に防御した服装で外出をするようになりました。

しかし、何かおかしい、違和感があると思ったのは私だけではありません。 かつてあれほど「日光浴は大切だ」と言われ、昔は子供は真っ黒になり、加山雄三が明るい歌声を聞かせてくれたころからは小麦色に焼けた女性も持てたものです。

「なんで昔と今と違うのですか?」と私も皮膚科のお医者さんに聞いたことがあります。 「がんの研究が進んだから」とか「寿命が長くなったから」というようなことを言っておられましたが、どうも釈然とはしませんでした。 なにか紫外線吸収剤を売りたい化粧品会社の陰がちらつくのです。

そして10年ほどたつと、今度は「日光によく当たる地方の女性は長生きで元気だ」とか「日光に当たらないと認知症になる」などと言われるようになり、瀬戸内海の島の女性を対象にしたカナダなどの研究が紹介されるようになると、「できれば毎日少しでも日光に当たらないといけない」とか、昔から言われていたように「ビタミンの合成を助けるために日光が必要だ」が復活しました。

私はこのような医療の混乱が「本来、安心して幸福な人生を送ることができる人々に不安を与え、不幸に陥れる原因」になっていると思っています。 医療の混乱が「日光浴」だけならよいのですが、高血圧の上限、高血圧と食塩、コレステロールの食事制限、人工透析の増加、がんの早期発見、肺がんと喫煙、ビールと痛風、水と熱中症などなど、あまりにもいい加減なことが多いのです。

このような医療の混乱は、1)縦割り医療(皮膚科は皮膚のことしか意識しない)、2)薬品会社や医療機器会社と医師の癒着、3)厚労省の利権行政(メタボに代表される)、などに原因していて、多くの医師が毎日、懸命に働いているのにこのままでは医療の信頼性はさらに悪化します。

温かい人生その4日光浴と健康 - 武田邦彦

以下はいずれも相互に相反するものではない。

  • 「ビタミンの合成を助けるために日光が必要」
  • 「日光に当たるとガンになる」
  • 「日光に当たらないと認知症になる」
  • 「日光によく当たる地方の女性は長生きで元気」

日光浴が、ある面ではリスクを下げるが、別の面ではリスクを上げるということにすぎない。 この世の中に、体に良い物などはなく、体が必要としている物(ただし、危険性も併せ持つ場合が多い)しか存在しない。 例えば、天然安全神話に記載してあるように、ビタミンAも摂り過ぎれば中毒になり、場合によっては死に至ることもある。 日光浴も同様で、体が必要としているが、その量や方法によっては有害になるというだけである。 よって、どこにも「医療の混乱」など存在しない。 「あまりにもいい加減なことが多い」のは武田邦彦氏の主張である。

お医者さん自身が「病院に行くな」などという本を書いてベストセラーになるところまで来ていますが、具合の悪い人にとっては一つ一つが真剣な話で、「縦割り医療」などと言ってもらっては困るのです。

温かい人生その4日光浴と健康 - 武田邦彦

これも武田邦彦氏が何を言いたいのか意味不明である。 「お医者さん自身が『病院に行くな』などという本を書いてベストセラーになる」事実は、単に、変な医者がいるということと、その人の言うことを真に受ける人がいるということを示しているに過ぎない。 ちょうど、武田邦彦氏のような工学部教授が専門外の分野でデタラメな主張を展開し、それを真に受ける人がいることと同じような現象に過ぎない。 武田邦彦氏が「来ています」という「ところ」とは、一体、どのような所か。

小保方氏擁護論 

STAP細胞論文捏造事件についても武田邦彦はわけのわからない主張を展開している。

まず第一に、このブログでも何回も書いたが、小保方さんの論文(笹井さん、若山さんも同じ責任著者)は80枚の写真と4本のビデオと文章出できていて、そのうち写真3枚が貼り違えたというもので、 理研の内規には触れたかも知れないが(科学論文としては問題なし。ネイチャーも通っている)、写真を正しいものに代えても結論が変わらないのだから、意図的な不正ではない。

文科省、おまえもか?! 非論理的なSTAP事件評価 - 武田邦彦


小保方さんは研究は順調で、論文にケアレスミスはあったけれど、ウソやダマシはないと言っていましたし、笹井さんも記者会見や取材で「自分のチェックが甘く論文に欠陥があったことは責任があるが、研究は順調だ。 論文に示された4本のビデオからも研究が有望であることがわかる」ということを言っておられました。


学問というのは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というような不合理を排するものですし、STAP論文で指摘されているのは(ネットの匿名を除いて)、「写真2枚のミスと1枚の加工」だけであり、「その裏に理研の腐敗体質がある」かどうかは不明なのです。 理事長声明はSTAP論文に関する研究に大きな不正があったとして、理研にその返答を求めていますが、学会が伝聞によってある特定の研究者や研究機関を批判するのは、好ましくないことです。

STAPの悲劇を作った人たち(3) 2番目は学問より政治が好きな学者たち - 武田邦彦

STAP筆頭著者の科学的検証拒否に詳細に記載しているが、小保方氏は、証拠の提示を徹底的に拒んだのであり、本人が「ウソやダマシはない」と主張していることは何の証拠にもならない。 理研の報告書によれば、「正しいもの」である写真は小保方氏からは提出されていない。 というより、小保方氏は、理研の調査を徹底的に拒否した。 結果、いくつかの不正が認められている。

  • 異なる実験条件下で得られたデータであることを知りながら、もしくは、その可能性があることを認識していたのにこれを明らかにせず、これを単なる取り違えであると説明していたと言わざるを得ない
  • 実験条件が異なることを十分認識しながらパワーポイント資料の画像データを使用したこととなる

不正が認められなかったものもあるが、それは、検証に必要なデータ提出に小保方氏に応じなかったことによるものであり、黒に近い灰色認定である。

  • 「小保方氏に対し繰り返しオリジナルデータの提出を求めたが、提出されなかった
  • 「これらは、意図的な不正操作の可能性があるが、他方、機器やソフトに対する知識不足によって引き起こされた間違いや画像ファイル取り違えの可能性も否定できない」
  • 小保方氏からオリジナルデータが提出されなかったため、不一致の認定を行うことはできず、研究不正とは認められない」
  • 小保方氏からオリジナルデータが提出されなかったため、不適切な操作が行われたかどうかの確認はできず、研究不正とは認められない」
  • 表計算ソフトの問題で起きる事は考えにくいが、オリジナルデータの確認がとれないため、調査により得られた証拠に基づき認定する限り、研究不正とは認められない」
  • 「論文の図表の元になるオリジナルデータ、特に小保方氏担当の分が、顕微鏡に取り付けたハードディスク内の画像を除きほとんど存在せず
  • 「作製後の解析を行ったのも大部分が小保方氏だが、その実験記録もほとんど存在しない
  • 本当に行われたか証拠がない(行われなかったという証拠もない)実験も、いくつか存在する

存在しない「写真を正しいものに代え」ることはできない。 よって、「写真を正しいものに代えても結論が変わらない」は証拠のない創作にすぎない。 そもそも、「加工」などしている時点でアウトである。

また、写真の加工は「研究に携わっていない査読委員が短い時間のチェックでわかった」ものだから、当然、「類似研究をしている同一組織の研究に携わり、不完全な論文を良い論文にするという任務を持った笹井さんが約1年間で気が付かないはずはない」ということ、

違和感のある理研の指導者・・・若い研究員を見るのは科学者の本能 - 武田邦彦

写真の加工を指摘したのは、掲載誌を見た研究者であって論文の査読者ではない。 また、写真の加工を判別する能力は、画像解析の知識や、加工前の画像を見た記憶などに依存する、 よって、「不完全な論文を良い論文にするという任務を持った笹井さんが約1年間で気が付かないはずはない」ということにはならない。

今回のSTAP事件では、理研は「組織として当然、やるべきこと」をしなかった。 やるべきことをしない組織が、「その雇用者の懲罰だけはできる」ということにはならない。 こんなことを認めると社会正義、公序良俗を失うので、その影響は大きい。 理研が「組織としてしなければならなかったこと」は次のように整理できる。

STAP事件簿理研編(3) 理研は懲罰をできない - 武田邦彦

確かに、「今回のSTAP事件では、理研は『組織として当然、やるべきこと』をしなかった」。 小保方氏を雇い入れる経緯もおかしい。

しかし、理研が問われる責任は監督不行き届きであって、小保方氏のやった捏造とは全く次元が違う。 小保方氏が厳しい罰を受けたのは「その雇用者」だったからではなく、「やるべきことをしない組織」と比べてその行為が遥かに悪質だったからだ。 過失による怠慢と故意の捏造を同列に扱うことこそ「社会正義、公序良俗を失う」。

そして今回、アメリカ人の論文のミスは咎めずに(たとえば温暖化のホッケースティック論文(ウソの論文でアメリカ人が書き、大いに日本の新聞が報道したもの。 2009年のクライメートゲート事件でインチキがばれたが、報道せず。 そのほか温暖化関係では多くのインチキ論文があったし、影響も大きかったが、アメリカ人だから報道しないという取扱いをした)、邦人のミスだけを根掘り葉掘り追及する朝日新聞。

STAP事件簿18 深層(3)科学の世界の反日日本人 - 武田邦彦

CRUメール流出事件(Climategate事件)に詳細に記載しているが、複数の第三者機関の調査では、「温暖化のホッケースティック論文」は「ウソの論文」ではないと認定されている。 実測データと復元データが区別できないような書き方は誤解を招く等の指摘はされているが、データには不正や「インチキ」はないと認定されている。 以上の通り、「アメリカ人だから報道しないという取扱い」は武田邦彦氏による捏造である。

論文は出しっぱなしで、何の権利も生じませんし、誰かが論文の通りにやっても問題はないのですが、特許は特許権を買わずに勝手に実施すると特許権の侵害ということで訴えられ、膨大なお金を取られます。 つまり、論文はある意味で個人だけの責任ですが、特許は自分がお金を取る権利があるし、他人の行動を制限しますから、厳密さが求められます。

またもし研究にあまり関係ない人が共同発明者に入っていると、それだけでフロードとなり、特許は取り消し、膨大な賠償金を支払う場合もあります。 つまり社会で権利を有する特許は「ウソ」は許されないのです。

STAP事件の真犯人―1「発見」を「盗んだ」人 - 武田邦彦

武田邦彦氏は、特許制度を全く理解していないようである。 特許法第68条に記載しているように、特許は、「業として特許発明の実施をする権利を専有する」制度であって、発明の真贋を保証する制度ではない。

武田邦彦氏は、故意の嘘、重大な過失、重過失なき間違いも混同させている。 論文において、考察などには、重過失なき間違いも生じうる。 しかし、実験結果等の事実関係について、重過失なき間違いは生じ得ない。 意図的に違う写真を貼り付けたりすれば、故意の嘘になる。 誤って違う写真を貼り付けたとしても、本人には内容をチェックする責任があり、その責任を果たさないなら、それは本人の重大な過失である。

一方で、特許出願する発明は、出願時には、真贋が確定しているとは限らない。 というのも、手続きの期限が非常に短いからである。 そして、研究が示す実験結果や調査結果は、あくまで、その実験や調査の条件で出た結果に過ぎず、必ずしも、発明の効果を示してはいない。 例えば、臨床研究に関する現状と 最近の動向について - 厚生労働省P.4によれば、医薬品の成功確率は1万分の1以下である。 つまり、1万分以上の特許出願のうち、発明の効果があって最終的に製品化できる本物は1つしかない。 そして、特許を放棄するか審査請求を行うかの期限は2年半しかないのに対して、効果の検証には何年もかかるため期限までに結果が出ないものも多数ある。 一度放棄した特許は二度と取得できないから、将来的に大半を権利放棄するにも関わらず、真贋の定かでない多くの特許の審査請求を行わざるを得ないのである。 そして、出願時にも結構高い出願料を取られるため、特許放棄の決断は容易ではない。 よって、出願の内容が正しくないことは、必ずしも、出願者に騙す意志があることを示さない。

言うまでもなく、研究を行なった本人は、騙された善意の第三者足り得ない。 一方で、自称発明者が嘘をついて、特許手続を進める第三者を騙すことは可能である。 しかし、発明者が正直に実験結果や研究成果を示しているのに、特許手続を進める人が発明の効果を捏造することは不可能である。 よって、発明者以外が特許手続を進める場合は、手続を進める人は善意の第三者足り得る。 もちろん、両者が共犯である可能性もある。 しかし、特許手続を進める人が黒幕で、かつ、発明者側が騙された善意の第三者になることなどあり得ない。

以上の通り、「社会で権利を有する特許」の内容が正しくないことは、必ずしも、特許手続を進める人の「ウソ」を意味しない。

理研は理研と関係先を出願人にした「STAP細胞の特許」を2013年4月に出しました。 この時期、小保方さんが無給研究員を終わって1ヶ月ですから、特許に関する発明は小保方さんの無給研究員時代の成果です。

小保方さんは無給での結果ですから、その業績は小保方さん個人のものです。 それを理研が横取りしたものですが、後の理研の態度から言えば、「重要特許」ということですから、数10から数100億円の収益は期待したでしょう。 そうなると、小保方さんに1億円ぐらいのお金を渡してその発明を買い取る必要が生じます。

また、理研が「発明は存在し、意義がある」と組織として判定したことにもなります。 つまり、2013年4月、理研が「特許出願を認めた」という時点で、社会との関係においてこの発明は小保方さんから理研に渡ったものです。 だから小保方さんはその後の再現性などには責任はありません。

また、STAP論文はNHKと毎日新聞、ミヤネ屋などの執拗な追求で取り下げましたが、特許は2014年10月に理研は継続手続きをしています。 つまり「論文を取り下げた後でも、理研は特許は成立する」という意思表示を行っています。

STAP事件の真犯人―1「発見」を「盗んだ」人 - 武田邦彦

小保方氏の業績を「理研が横取り」したかどうかは、論点とは関係がないのでここでは問わない。

STAPについても、特許放棄の決断は容易ではないことには変わりがない。 だから、2014年10月段階では、可能性が低くてもゼロではないという経営判断なら、「理研は継続手続き」をせざるを得ない。 そして、これは科学的な判断ではなく経営判断である。 よって、その事実をもって、「『論文を取り下げた後でも、理研は特許は成立する』という意思表示を行っ」たことにはならず、せいぜい、経営的に損切りができなかったと言えるだけである。 もちろん、「小保方さんはその後の再現性などには責任はありません」などという根拠にはならない。

もし、STAP細胞がないなら、小保方さんは間違ったですみますが、理研は間違ったではすみません。 まして、2013年の時点でSTAP細胞を再現できたのは小保方さんと若山さんが1回だけ、あとは再現性は得られなかったというのですから、「再現性が得られないことがわかっている研究結果を特許にして社会を欺いた」のはまさに理研そのものだったのです。

社会は報道の問題としては、これほど明らかなことをなぜ日本社会は小保方さんを追求したのか、真犯人が理研であることがわかりきっているのに、なぜ報道しなかったのか、 そこにはおそらく圧力、お金、利権などが絡んでいるはずで、毎日新聞は買わなければ良いのですが、NHKは受信料を払わなければならないので、 理研が真犯人であることがわかっているのに、なぜそれをNHKが隠したのかを明らかにする義務があると考えられます。

STAP事件の真犯人―1「発見」を「盗んだ」人 - 武田邦彦

先ほども説明した通り、真贋が確定する前に特許手続きを行うことは、医学の世界では制度上で不可避の行為である。 そして、特許が真贋を保証する制度ではないのだから、真贋不明の特許手続きを行うことは「社会を欺」く行為には当たらない。 武田邦彦氏の脳内では、真実であると確定していないものの特許手続きを行うことは詐欺行為となっているようだ。 しかし、現実の制度では、真実であると確定してからでは特許を取れないことも多々ある。 まず、論文等で発表してから1年を経過すると出願できなくなる。 そして、出願から2年半を経過すると特許を放棄するか審査請求を行うかの決断が求められる。 しかし、合計3年半では、医学分野では真贋を確定させることは不可能である。 だから、真実であると確定していないものの特許手続きを行うことは普通に行われる行為である。 以上の通り、STAPの特許に関する一連の理研の行動は、特許手続として極めて一般的なものであり、善意の第三者であったとしても何ら不自然な部分はない。

一方で、小保方氏は、STAP作成のコツがあると言いながら、そのコツの公開を頑なに拒んだことから、小保方氏の故意性を否定することは極めて困難である。 本当にコツがあるなら、そのコツを公開するだけで容易に潔白を証明できるし、公開するデメリットも何もない。 にも関わらず、コツの公開を頑なに拒むなら、そのコツとやらは言い逃れのための嘘としか考えられない。 そして、何もやましいことがなければ、言い逃れの必要はないはずである。 このように、小保方氏が主犯であることには一片の疑いの余地もないし、理研に罪をなすりつける口実も何もない。 武田邦彦氏は、妄想に基づいて「真犯人が理研であることがわかりきっている」と主張しているだけで、現実の根拠を何も示していない。

ところが、「理研」が若い、価値がない(価値がないから無給)研究者の研究が理研の国家予算取りと特定研究法人に指定されるのに役に立つと策謀し、日本社会をトリックにかけることを企画しました。 それは2012年12月ごろと推定されます。

あれほど大きな研究組織でありながら、無給研究員の成果しか目玉がないというのも異常ですが、いずれにしても、STAP細胞をでっち上げ、論文を通し、壁をピンクに塗って記者会見をし、特定研究法人の指定をとり、STAP研究センターの予算をとるという計画だったのです。

2014年12月にその理研自体が「STAP細胞はインチキ」という結論をだしたのですが、2012年12月にも「STAPはない」と分かっていたのです。 でも小保方さんと若山さんでは論文が通らないので、笹井さんをチームにいれて論文を通すという決定をしました。 後に大学教授に就任する若山さんが論文の一報も通せないというのもありえませんが、ともかく理研は「研究室に任せないで、理研の総力で詐欺をする」と決めたのでしょう(理研の委員会自体がそう言っている。武田の推定ではない)。

私も論文を読んで立派な論文と思いましたが、笹井さんが書いて「本来は、世にでない論文を世に出した」のです。 論文の不備、作為があったとしたら、それは「理研」が行ったものです。

そして最後に、研究室の壁をピンクに塗り(理研が塗った)、記者会見に多くの記者を誘い(理研が誘った)、特定研究法人に指定されるタイミングを狙って1月末に最期の詐欺の大博打を打ったのです。

繰り返しますが、小保方さんは論文が通らなかった(今でも通っていない)のですから、「もともと何もなかった」のです。 それを架空の成果をでっち上げ、理研の利権に役立てようと、論文作成、人の応援、記者会見、壁塗りなどすべては「理研」がやったことです。

もう一つ大切なことは、理研は「小保方さんの実験に再現性がない」ということを知っていたということです。 一説に40人とか40回とか言いますが、小保方さんの研究の再現性が得られないことは理研で知られていたとされています。

1月末の記者会見の直後、異例の速さで論文の欠陥が指摘されると、「しまった!ばれたか!」と言わんばかりに、理研自らが委員会を作り、あたかも論文を小保方さんが書いたようにして世論操作を行います。それに加担したのがNHKと毎日新聞でした。

理研は、もともと論文として通らなかった研究を、自分で笹井さんという研究に関係ない人(これは笹井さん自身が言っている)を応援に出して、論文を無理矢理(本来、研究をした人が論文を出すものであって、「論文を書くのが上手な人」が論文を書いても良いが、共著者になってはいけないのは当然)通して、通った途端に記者会見をして大々的に宣伝する・・・すべては主体的に理研がやったことで、騙されていやいややったことではありません。

そして、それがばれると、今度は自分で仕組んだのに自分で「懲罰の委員会」を作って個人の不正を暴こうとし、実はその委員長が不正をやっていたということになったのです。

犯人(理研)が、騙された人(小保方さん)を懲罰するというのはどう考えても公序良俗に反します。

小保方さんが2012年頃、「良い結果が出たのだけれど、論文が通らない」と誰かに訴えたとします。 私なら「それは残念だね。もう少し粘ったら」と言うか、または「無給ですか。それならすこし給料や研究費を取れるようにやってみます」という応援はするかもしれません。 でも本当に、小保方さんの成果を「自分のもの」にしようとしたら、自分で研究内容を確認して引き受けます。 まさか、若い研究員の口先だけを信用して自分が得をしようとし、それがバレたら、若い研究員に騙されたなどと口が裂けても言えません。 それは私自身が研究者として資格が無いことになるからです。

いい加減な学者なら名前貸しぐらいはしますが、研究そのものを奪って、自分で論文を書き、それを自分の成果にして、国家から予算を取ろうなどと考えるのはよほどの悪人でしかできないでしょう。

それを理研がやって、NHKと毎日新聞の共同作戦で逃げ切る寸前というところです。 現在のところ、論理的には上記しか考えられません。 もし否定するなら新しい事実の報道が必要です。ES細胞が誰のものだったなどという報道は目くらましの一種です。

STAP事件の真犯人―2お金を狙った人 - 武田邦彦

武田邦彦氏の主張に根拠がないことは既に説明した通りである。

武田邦彦氏の主張は、フィクションとしての辻褄も合っていない。 「架空の成果をでっち上げ」ても、最後まで隠し通すことは不可能である。 そのような手段で「国家予算取り」をしても、後で予算の返還が求められるだろう。 「特定研究法人に指定され」ても、その指定が取り消されるだろう。 そのような自転車操業は、追い詰められた人か後先考えない人しか実行しない。 理研はポスト「京」富岳で莫大な予算を確保するなど、到底、追い詰められているようには見えない。 もちろん、それだけの組織が後先考えない行動をするとも考えられない。 武田邦彦氏の主張のような理研が後でバレることが分かっている嘘をつくことは、人間の行動原理としてあり得ないのである。

武田邦彦氏は、「理研の委員会自体がそう言っている。武田の推定ではない」と主張するが、その「理研の委員会自体がそう言っている」とする情報の出所が示されていない。 これは、前述の「出所:PETボトルリサイクル推進協議会」と同様、武田邦彦氏の捏造であろう。 確かに、論文執筆のテコ入れの事実はあったとされる。 しかし、「理研の総力で詐欺をする」という記載は調査報告書には見当たらず、武田邦彦氏が勝手に想像しただけに過ぎない。 それを「理研の委員会自体がそう言っている」と主張するのは捏造以外の何物でもない。

「透析に追いやる薬」論 

武田邦彦氏は、腎臓透析についても次のようなトンデモ主張をしている。

表紙のグラフは日本の透析患者さんの数だが、1970年頃から透析が始まり、最初のころは「透析待ち」の患者さんが多かったが、それが終わって現在では純粋に新しい患者さんがでるから透析が増えるという状態です。 透析患者の平均年齢は65歳ぐらいで平均寿命が延びたから透析患者が激増しているというわけではありません。

健康を知る(11) - 武田邦彦

まず、「透析患者の平均年齢は65歳ぐらい」とは何時の話なのか。 言うまでもなく、ある年の「平均年齢は65歳ぐらい」であれば、「平均寿命が延びたから透析患者が激増しているというわけではありません」などの結論を導くことは不可能である。 しかし、もしも、「平均年齢は65歳ぐらい」が変化せずに継続しているなら、「平均寿命が延びたから透析患者が激増しているというわけではありません」と考えても仕方はあるまい。 では、武田邦彦氏「平均年齢は65歳ぐらい」の根拠をどこから持ってきたのか。 最終年の患者数から見て、図の引用元は図説 わが国の慢性透析療法の現況 2013年12月31日現在 - 日本透析医学会P.3であろう。 同じ資料に患者の平均年齢の推移も記載されている。

2013年の透析患者平均年齢


経年的な導入患者平均年齢および年末患者平均年齢の推移は図表に示す通りである。 透析患者の平均年齢は毎年ほぼ直線的に増加してきたが、導入患者・年末患者ともその平均年齢はその上昇がやや鈍化してきている。

図説 わが国の慢性透析療法の現況 2013年12月31日現在 - 日本透析医学会P.21

どう見ても、患者の平均年齢は年々上がっている。 よって、このデータから「平均寿命が延びたから透析患者が激増しているというわけではありません」という結論を導くことはできない。

重要なことは、武田邦彦氏が、「平均寿命が延びたから透析患者が激増」している可能性に言及していることである。 つまり、武田邦彦氏は「平均寿命が延びたから透析患者が激増」している可能性を見逃したわけではないのである。 にも関わらず、武田邦彦氏は、「平均寿命が延びたから透析患者が激増」しているかどうかを調べるためのデータが載っている資料の内容を無視して、妄想に基づいて「というわけではありません」と主張しているのである。

さらに資料をよく読めば、平均寿命と患者数の関係が明確に記載されている。 武田邦彦氏は年齢を区別しない全患者数の増加のみで主張しているが、これを年齢構成別に見ると真実が見えてくる。

このグラフをご覧ください。 以前より高齢で透析を受けている人が急激に増加していることがわかります。

年齢層別透析患者の推移

ここから読み取れることは、透析患者さんの健康管理が改善されて長生きができるようになったそのために高齢で人工透析を受けている人が増えている、これが素直な解釈だと思います。 1980年代では少数であった60才台の人が今では半数以上占めるようになっているのですから、明らかなじゃないでしょうか?

医療に関して、またまた武田邦彦教授が根拠のないトンデモ話を拡散!!?? - 五本木クリニック院長ブログ

これは、武田邦彦氏が引用した図よりも資料が新しい。 武田邦彦氏の図の引用元になった資料では次のようになっている。

2013年の年齢別透析患者

年末患者の年齢別患者数の推移をみると、65歳未満の患者数は、過去約15年間にわたりほぼ一定である。 一方、65歳以上の患者数および全患者に占める割合は一貫して増加傾向にあり、透析患者数の増加が、この年代の患者数が増加していることに起因することが分かる。

図説 わが国の慢性透析療法の現況 2013年12月31日現在 - 日本透析医学会P.20

これを見れば、平均年齢の増加が患者数の増加に繋がっていることが明らかである。 というか、「65歳以上の患者数および全患者に占める割合は一貫して増加傾向にあり、透析患者数の増加が、この年代の患者数が増加していることに起因することが分かる」と文章でも明記されている。 各年齢層を見れば、それぞれ、一度増加したのちに減少に転じている。 これは、平均年齢の増加の影響と治療の進歩の影響によると考えられる。 最初は、平均年齢の増加の影響の方が大きいため、患者数が増える。 その後、治療の進歩の影響の方が大きくなって、患者数が減る。 増加から減少に転じる時期は、高年齢層ほど後の時代にずれ込んでいる。 その事実は、この原因考察と非常によく適合する。

透析患者数が10万人を超えたのが1990年ぐらいですが、それから25年間、腎臓医療は進歩しなかったのでしょうか? それとも生活環境、食事などで腎臓患者が増える要因があったのでしょうか?

腎臓の具合が悪く医師のところにいった、その医師が良いか悪いかで人生が大きく変わるような状態です。 良い医師なら緊急の必要性がなければ、ゆっくり休養したりして腎臓の回復を待つとか、血の循環をよくして腎臓を通過する血流量を増やすとか自然の回復を待つことをアドバイスしてくれるでしょう。

悪い医師のところに行くと、尿の出が悪いとか尿検査の結果から利尿剤や血圧降下剤などを処方されます。 そうすると、尿はでるのですが腎臓の機能が悪いのに尿を出そうとするので、腎臓はより悪くなります。 また腎臓が血液を必要とすると造血を促して腎性高血圧などを引き起こすのに、さらに降圧剤を投与するとさらに悪化させることになります。

その結果、緩く回復させれば治ったものが、1ヶ月ぐらいの「治療」で悪化し、ついに人工透析をすることになり、いったん人工透析をするとさらに腎臓の自立機能が落ちるので、一生、透析をするというケースもあるようです。

腎臓は急性の場合もあるので、素人で判断するのは危険で、医師に相談する必要があり、それは必須ですが、その時に、「かなり無理をしたので、少し休養すれば回復しますか?」と聞くことが大切です。

健康を知る(11) - 武田邦彦


武田邦彦教授がおっしゃっている「だんだんに透析に追いやる薬」って何のことを言っているのでしょうか? 武田先生、ぜひ薬の名前を具体的に教えてくださいませ。 悪い上の人の影響で多くの医師が知らず知らずに患者さんに処方している薬があるのならば、ぜひご教示ください。

医師がまったく気がつかない腎臓の機能を低下させ、透析に追いやる薬が実際にあるのなら、その名前を具体的にお話ししていただければ、先生が危惧している透析患者さんが増加問題を一気に解消することができるんじゃないでしょうか?

医療に関して、またまた武田邦彦教授が根拠のないトンデモ話を拡散!!?? - 五本木クリニック院長ブログ

武田邦彦氏は「緩く回復させれば治ったものが、1ヶ月ぐらいの「治療」で悪化し、ついに人工透析をすることになり、いったん人工透析をするとさらに腎臓の自立機能が落ちるので、一生、透析をする」なる主張をするならその根拠を示すべきだろう。


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